現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 三代目もパトロール…? いや、“初代”サファリで行こう! | 今だからこそ、初代・日産サファリを語ろうじゃないか!! 第1回(後編)

ここから本文です

三代目もパトロール…? いや、“初代”サファリで行こう! | 今だからこそ、初代・日産サファリを語ろうじゃないか!! 第1回(後編)

掲載 更新
三代目もパトロール…? いや、“初代”サファリで行こう! | 今だからこそ、初代・日産サファリを語ろうじゃないか!! 第1回(後編)

三代目パトロールの登場と日本向けの改称

さて、いよいよ三代目パトロール、すなわち初代サファリの登場だ。

日産のフルサイズSUV「アルマダ」2023年モデルがAmazonアレクサをはじめコネクト装備を充実して登場!5.8リッターV8エンジンによる強力なパワートルクにも注目!

先代、二代目パトロールは、個人ユーザーにとっての非現実性で他を圧倒していた。そこへ一足飛びのフルモデルチェンジである。三代目パトロール=初代サファリの日本での発売は少し遅れて1980年6月のことだった。

国内向けで「サファリ(=狩猟行)」と名を変えたのは、マイカーとして乗るなら「パトロール(=警ら)」では何とも塩梅が良くなかったからだろう。

そうなると対するトヨタの「ランドクルーザー(=陸の巡洋艦)」は何とも語感も良く、映画に例えるなら戦争モノや政治モノの大群像劇から、ダンディな海の男、加山雄三や石原裕次郎のスターものまでを網羅するかのような命名の妙を感じてしまう。

さて、石原裕次郎といえばド派手な劇中改造車である“『西部警察』サファリ”が、ミニカーやプラモデルになるほど世間的には有名だが、個人的には『北の国から』に登場する“中畑木材の社用車”の方が好きだった。スッピンの佇まいこそ160系の魅力であり、舞台背景に馴染んでいたからだ。

1980年6月発行「日産4WDシリーズ」の簡易版カタログから。サファリ登場と同時に、ダットサントラックに4WDが追加された。

ボディ刷新と並び、ディーゼル化こそ「売れる要素」だった。6気筒3.3ℓのSD33型エンジンは、3tトラックC80系や、3/4t四輪駆動車のキャリヤ4W73系で実績がある。さらに遡ればセドリック等の4気筒に行き着く、日産ディーゼルによる小型エンジンの礎となったシリーズである。

ホイールベースは2種類が設定された。車検証上の型式は長尺車(販売名「バン」、のちに「エクストラバン」)K-VRG160と、短尺車(販売名「ハードトップ」)K-VR160、ハードトップには標準ルーフとハイルーフがある。

型式の頭につく排ガス記号「K-」はさておき、「V」はバン、「R」がSD33型、「G」は長尺を示す。よってフレーム本体にはR160/RG160とだけ打刻される。登録時に「1文字足りない!」と慌ててはいけない。

銘板表記はチトややこしい。バンがVRG160とそのままなのに対し、オープンを基本とするハードトップはKR160、そのハイルーフ仕様はJR160とされ、海外ではこの型式で通っている。たとえばネット検索でKR160と打ち込むと世界中で活躍する様子にヒットし、ランクルに及ばなかった国内販売が不思議に思えてくる。

ガソリンのFG160も作られたが、一般向けのカタログに載らないキャブシャーシだった。

初代サファリは大雑把に「前期と後期」あるいは「丸目と角目」と分けて語られるが、モデル中途の改良もあるため、本稿では4期に分けて紹介する。まずは「第1期」モデルを1980年7月発行の本カタログでご覧いただこう。

カタログに使用されたものとは別カットの画像。左のモデル男性のポーズが違う。(提供:日産自動車)

ここに書かれたディーゼルエンジン/フルシンクロ/サイドタイプのパーキングブレーキ/広い視界/ディスクブレーキ/フリーランニングハブ などが160系で新たに加わった装備だ。コストの掛かったテーパーリーフやスタビライザーなどは先代から備えていた。完全閉断面の捻れないフレーム構造も伝統。

ダットサンブランドのドイツ版カタログから。エンジンはSD33型のほか、国内では設定のないL28型も。

簡素なDXと上級のADというグレードが設定されたのも、初めてのことだった。ADにはパワステとフリーハブが備わり、タコメーターが備わるべき位置に大きな時計がはめ込まれる。ハンドルやシフトノブの材質・意匠も異なり、バンパーはメッキ。しかし座席やフロアトリムはDXと同じビニール製だった。それでも十分にRVとして使える「四輪駆動車」と思われた。

■日産サファリ ハードトップ 標準ルーフDX K-VR160(1980年)主要諸元

寸法  全長4070mm×全幅1690mm×全高1845mmホイールベース  2350mmトレッド 前/後  1405mm/1405mm車両重量  1670kgエンジン  SD33型 直列6気筒OHVディーゼル総排気量  3246cc 最高出力  95ps/3600rpm最大トルク  22.0kg-m/1800rpm トランスミッション  4速MT 2速副変速機付きサスペンション 前後ともリジッドアクスル・リーフスプリングブレーキ前  ベンチレーテッドディスクブレーキ後  デュオサーボタイヤサイズ  6.50-16(前6PR/後8PR)

前期型図面サファリのエンジンルームとSD33型ディーゼルエンジン。SD型エンジンは日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)が日産向けに生産していたエンジン。直列6気筒のSD33型は最もパワフルで、日産だけでなく、アメリカのインターナショナル・ハーベスターのスカウト/スカウトIIやジープのCJ-10/CJ-10Aにも供給された。

★以下、第2回へ続く。

(初出:2021年6月10日・一部改稿)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
日刊自動車新聞
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
くるまのニュース
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
Webモーターマガジン
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
くるくら
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
BYDの勢いが止まらない! 新エネルギー車の生産台数が世界初の1000万台を突破
THE EV TIMES
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
【ユーズドカーチェック】17枚の画像とともにBMW 3シリーズGT(F34)の中古モデルをわかりやすくレビュー!
AutoBild Japan
ソロキャンプに嬉しい! 飯ごうにぴったり重なる調理用鉄板「Stacking iron plate」が発売
ソロキャンプに嬉しい! 飯ごうにぴったり重なる調理用鉄板「Stacking iron plate」が発売
バイクブロス
新生ジャガー「DESIGN VISION CONCEPT」のティーザー画像が公開
新生ジャガー「DESIGN VISION CONCEPT」のティーザー画像が公開
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133.0277.0万円

中古車を検索
サファリの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

446.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

133.0277.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村