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N-BOXに勝つにはなにが必要!? スペーシアタントが頑張るべきポイント

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N-BOXに勝つにはなにが必要!? スペーシアタントが頑張るべきポイント

 担当の家族がN-BOXの新車を契約。もちろん残価設定ローンで購入したわけだが、当然買うにあたってスペーシアやタントも見に行った。ご存じの通り、車体価格自体は大きな差はない。

 だが、価格帯が同じにもかかわらず残価率の違いにより月々の支払額はかなりの差が!! 見積を見てN-BOXに人気が集中するのも納得であった。

N-BOXに勝つにはなにが必要!? スペーシアタントが頑張るべきポイント

 最近の販売台数をみると順位を落とす月もあるが、やっぱりN-BOX人気は凄まじいモノ。となればスペーシアやタントがN-BOXに勝つために必要な要素は一体なんだ!?

文/青山尚暉、写真/HONDA、DAIHATSU、SUZUKI

■販売台数はライバルの倍! N-BOXの人気は凄まじい

現行型は2017年登場のホンダ N-BOX。日本一売れている軽自動車だ

 日本でイチバン売れている軽自動車はホンダ N-BOXだ。月によっては全乗用車の中で販売台数1位に輝くこともある。

 実際、直近の2022年7月の軽自動車販売台数で見ると、N-BOXが1万7105台(前年比112.9%)でダントツのトップ。

 以下、2位にダイハツ ムーヴ8673台、N-BOXと同じスーパーハイト系軽自動車のスズキ スペーシアが3位で8485台。同ダイハツ タントは5位で6485台。日産ルークスは6位の6197台となっている。つまり、N-BOXは2位のムーブ、3位のスペーシアの倍前後も売れている。

 では、何故、同じスーパーハイト系軽自動車であり、両側スライドドアや室内空間の広さに特徴があるスペーシア、タントといったスーパーハイト系軽自動車が、N-BOXに敵わないのか?(月によってはスペーシアが1位だったこともある/2022年5月)。

 ここでは、その理由と、どうしたらタントやスペーシアが王者N-BOXに勝てるのかを考察してみたい。

■ブランド力にド派手な見た目がキモ!! N-BOX人気の理由がスゴい

スーパーハイト系軽自動車の元祖であるダイハツ タント。初代の登場は2003年(写真は2019年登場の現行型)

 N-BOXが人気なのは、ここ最近、大人気のスーパーハイト系軽自動車の元祖、だからではない。

 このカテゴリの元祖は2003年に登場した初代タント。つぎに古いのが初代日産ルークスの2009年~、そして初代N-BOXが2011年にデビュー。スペーシアはそこから遅れること2年の2013年の登場だ。つまり、歴史があるから定番となり、絶対人気となっているわけではない。

 N-BOXが圧倒人気を維持し続けていられるのは、まずはNシリーズの極めて高いブランド力だ。ホンダNシリーズとして主役たるN-BOXを始め、N-WGN、N-ONE、N-VANの4車種を揃え、シリーズとして乗用車から商用車までのあらゆるニーズに応えている。

 N-ONEに至っては、軽スポーツカーのS660と同じ6MTまで用意されているほどだし、大流行中にアウトドア、車中泊には”働くクルマならぬ、大人が真っすぐ寝られるクルマ”のN-VANがしっかりと応えている。

 エクステリアデザインも見事だ。Mクラスボックス型ミニバンのステップワゴンを縮小したかのような堂々たる佇まい、存在感、そしてカスタムグレードは迫力あるフロントマスクがもたらす精悍ささえ備えている。

 2トーンカラーのボディ、特にプレミアムアイボリー・パールII&ブラウン(コーディネートスタイル)なら、それこそ大人が堂々と乗れる渋さ、上級感さえ発散しているではないか。つまり、大人でも男性でも選びやすい。

 シートアレンジ性も、このクラスでは常識の多彩なシートアレンジに加え、車体後部にスペースがない場所でテールゲートが全開できない場面でも、後席の座面をチップアップ操作ではね上げて荷物を積める空間にアレンジできたりする便利さが詰まっている。

■走行性能も抜かりなし!! 先進装備拡充でコンパクトカー超え

2021年12月の一部改良で追加されたホンダ N-BOXのオートブレーキホールド付電子制御パーキングブレーキ

 そして何と言っても走行性能の良さだ。2代目現行N-BOXも初期型は重心の高さ感じさせ、ステアリングを左右に切るとグラグラする操縦性、硬めの乗り心地といった不満点があったの事実。

 だが、最新モデルはもはや下手なコンパクトカーを凌ぐ、荒れた路面でも示してくれるショック、振動が抑えられた上級車に迫る上質な乗り心地、巡行時の高い静粛性、高い重心を感じにくい安心感たっぷりの操縦性を実現。

 2021年12月の一部改良では待望の電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能を追加。結果、ACC(アダプティブクルーズコントロール)は念願の渋滞追従機能付きとなり(いきなり0km/h~135km/h。以前は約35km/h~115km/hの範囲)、上級車並みの先進運転支援機能を身につけたことになる。

 個人的には前席のシートのかけ心地、特にシートバック=背中の優しくフィットした包まれ感、快適感、サポート性はクラスベストと言っていいほどだと思っている。

 NAエンジンでも今では街乗り中心なら十分すぎる動力性能を発揮してくれるし、ターボなら一家に一台のファーストカーになりうる居住性、動力性能の持ち主と言っていい。

■ブレーキホールド機能と後席の広さに注目!! N-BOXの魅力はハンパない

N-BOXとしのぎを削るスズキ スペーシア。マイルドハイブリッドという強みはあるが、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能は未装備

 では、そんなN-BOXに対して、ライバルが敵わない部分があるとすれば、どこなのか?

 意外なほどN-BOXといい勝負をしているマイルドハイブリッドという強みのあるスペーシアだが、クルマに詳しくない人ならスルーしてしまう部分として電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能がある。スペーシアにはそのどちらもない。

 電子パーキングブレーキは足踏み式ブレーキがないため、運転席の足元がすっきりするし、いちいち左足でグイッと踏む面倒がなくなる。

 オートブレーキホールド機能は信号待ちやスーパーマーケットの料金所などで一時停止する際、ブレーキを踏み続けなくてよく、運転中の右足の負担が激減。足腰の弱った高齢者には特にありがたい機能である。筆者は靴の底の減りも防げるのでは? なんて思っている。

 スズキはスペーシアに限らず、全車で電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能未導入。新型ムーヴキャンバスの進化ぶりを見て、早急に対処してほしてところだ。また、そこまでの機能にこだわらない人でも、後席に座った際、N-BOXよりは広くないことに気づくはず。

 タントは大開口のミラクルオープンドアが自慢だが、主に子育て世代向けの便利さとなり、歴代、子育て世代御用達軽自動車というイメージが強く、子育て世代ではない人にとっては、あるいは男性にとってそこが選択しにくい理由になっていそうだ。

 大開口ゆえに、経年変化によるガタは大丈夫? という不安もあるかもだ。後席膝周り空間がN-BOXに敵わないのも事実。ターボにのみ用意されるACCは0~115km/hの設定となる。

 スペーシアとタントに関しては、そのあたりの対応も不可欠だが、やはり大きいのは、N-BOXを買っておけば間違いない、大人でも男性でも選びやすい……という冒頭で触れたN-BOXのブランド力、確固たるイメージにどう迫り、どう追い抜くか。

 こればかりはデザイン、機能、装備でなんとかなるものではないだけに、時間はかかるはずである。もっとも、ホンダ側にしてみれば、N-BOXのブランド力が強すぎて、軽自動車ばかり売れている自動車メーカー……というイメージも痛しかゆしのはずだが。

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