2021年末にお披露目され、東京マラソン2022の先導車に選ばれたスバル初のBEV(電気自動車)「ソルテラ」。FRスポーツカーであるスバル BRZ/トヨタ GR86と同じように、トヨタ自動車との共同開発によって生まれたもの。では、トヨタの新型BEV「bZ4X」に対してどのように差別化し、スバルらしさを表現したのだろうか。雪上走行で見えてきたものとは?
随所に見られる「スバルさしさ」
GR86&BRZに続く第二弾となるトヨタ自動車との共同開発によって生まれたスバル初の電気自動車(BEV)が「ソルテラ」である。この車名は、ラテン語のSOL(ソル)=太陽とTERRA(テラ)=地球を組み合わせた造語である。
トヨタの新型電気自動車「bZ4X」、軽快感を楽しめたのはFWDモデル。では4WDモデルの印象は?【試乗】
採用されるプラットフォームは、e-SGP(スバルグローバルプラットフォーム)、トヨタのbZ4Xではe-TNGAと呼ばれるが、呼び方は違えどもどちらも同じものである。ただ4WDシステムはスバル主導で開発されたという。その証が「Xモード」ということになる。
これは路面状況に合わせて四輪を制御する技術で、悪路走破性や雪上走行性能を高めるというもの。四輪制御技術にこだわり続けるスバルのノウハウが投入されたことで、この部分の安心感は大きく変わってくる。ここからもソルテラは、スバルファンの期待に応え、スバルらしさも備えたBEVだと言えるのではないだろうか。
bZ4Xの詳細はすでにWebモーターマガジンで掲載しているので、ここではソルテラやbZ4Xとの違いを中心に書いていきたい。bZ4Xとの外観上の違いは明らかでフロント、リアともにCシェイプをアイコンとしたデザインが特徴である。ちなみに2022年3月に開催された東京マラソン2022の先導車にも採用されていたので走行している姿を見た人も多いだろう。
ディメンジョンは全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mm、ホイールベース2850mm。この長いホイールベースは室内の居住空間に余裕を持たせているばかりでなく、安定した走りを味わわせてくれる。さらに重量物となるバッテリーはフロア下に敷き詰められているので水平対向エンジンと同じようなスバルらしい低重心なスポーティな走りも味わえる。
インテリアは、ソルテラとbZ4Xはトップマウントメーターや12.3インチの大画面ディスプレイの採用など共通点も多いが、ブラウンレザーシート&トリムといった専用内装も用意されている。
共同開発のメリットを活かしつつ、スバルらしさは健在
今回は雪上を走る機会があったのでその印象を報告する。用意されたのは群馬サイクルスポーツセンターの特設コースである。ソルテラが搭載するリチウムイオンバッテリーの総電力量は71.4kWh。これはbZ4Xも同じである。FWDと4WDモデルがラインナップするが、今回試乗できたのは4WDモデルである。
ところで「スバルブランドで出すなら4WDモデルだけあればいいのでは?」と思っていたのでこのあたりを開発者に聞いたところ、「最初は間口を広げ、BEVへの敷居を下げるためFWDも用意したという。4WDもFWDもスバルらしさは健在です」というコメントが返ってきた。
ちなみにFWDのシステム最高出力は150kW、4WDモデルは80kWの出力を持つモーターを前後に搭載してシステム最高出力160kWとなっている。一充電走行距離はWLTCモード値でFWDが530km前後、4WDで460km前後となる。またbZ4X同様にソーラールーフパネルで充電するシステムはオプションでソルテラにも用意される。こちらも年間約180km程度の航行距離を充電することが可能である。
運転支援技術についてはトヨタセーフティセンスIIIを搭載する。あれ、スバルならアイサイトXじゃないの?と思うかもしれない。そのあたりもふたたび開発者に聞くと「新世代アイサイトの機能がカバーされ、スバルが達成したい安全レベルが達成できている」という。またこれまでスバル車には搭載されなかった運転支援機能を搭載できるメリットもあったという。
たとえば「リモート機能付アドバンスドパーク」の初採用などもそういうことなのだろう。このあたりはアライアンスのメリット、強味でそれぞれのいいところを活かすことができるのである。
新しい価値ということであれば「グリップコントロール」や「Sペダルドライブ」もそうだろう。前者はアウトドアやオフロードでの信頼性を高め、走破性能を向上させるもので、実際に用意された特設コースではどちらかも前後左右どこかのタイヤ浮いているような状態でも路面に接地しているタイヤにすぐに駆動力を伝え、走破していく。後者はBEVらしい回生ブレーキの強さを最大にし、ワンペダル操作での走行を提供するものである。
実際に雪道を走るとBEVならではの、瞬時に四輪が制御するというメリットを大いに感じられた。雪道であっても、走る、曲がる、止まるという基本動作が身体の動きに直結したような感覚で行えるのである。
雪道やアイスバーンを走るときにドライバーが恐怖を感じるのは、ハンドルを切っても思った方向に曲がらない、ブレーキペダルを踏んでも止まらない、ということだが、今回の試乗でそうしたことはなかった。発進時に少々荒くアクセルペダルを踏み込んでもスルスルを走り出すのである。これは安全・安心感がとても高く、降雪地域であれば、この4WDモデルを選ぶ価値は多いにあると感じられた。
今回は雪上のみの試乗だったがソルテラの実力の片鱗を感じることができた。はやく公道を走ってみたいと思わせるクルマだった。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行・スバル)
スバル ソルテラ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1930kg~<2020kg~>
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:前150kW<前80kW/後80kW>
●システム最高出力:前150kW<160kW>
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード一充電走行距離距離:530km前後<460km前後>
●駆動方式:FWD<4WD>
●タイヤサイズ:235/60R18<235/60R18もしくは235/50R20>
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みんなのコメント
片道100km前後を頻繁に走るなら、4輪制御が優れていようともBEVは電欠が怖いな。
それならHVの四駆でいいや