かつてのモータースポーツは、たばこやお酒といったスポンサーがチームをバックアップし、その流麗なカラーリングは様々な世代から人気を得ていた。
しかし世界的な広告規制によって、これらのスポンサーのロゴなどがマシンを彩ることができなくなった。長年マールボロブランドでフェラーリF1を支えてきたフィリップ モリスも、カンパニースローガンなどをマシンに表示するなどしていた。だが、2021年を最後にF1を撤退することになった。
WRCの三菱ランエボを後押ししたマールボロ!! たばこ広告規制のためにロゴを消されるまでのカラーリングの顛末
今回は、そんなマールボロがWRC(世界ラリー選手権)で三菱チームをサポートしていたころの、懐かしいカラーリングを紹介しよう。
文・写真/佐久間健
■かつてモータースポーツとタバコメーカーには密接な関係があった
三菱ラリーチームのランサーエボリューションは1998年からフィリップ モリスのタバコ銘柄「マールボロ」カラーリングとなった。写真は1999年のサファリ・ラリー
三菱ランサーエボリューションといえば、ラリーで勝つために生み出されたマシンである。当時世界ラリー選手権(WRC)はグループA規定で戦われていた。
その前はグループB規定のマシンで戦われていたが、ベースマシンを大幅に変更したラリー専用車は性能が高すぎたため、ドライバーや観客にとって危険とみなされ、より市販車に近いグループA規定が採用された。
1987年のグループA初年度は多くのワークス、セミワークスがエントリー。ランチア、アウディ、ルノー、フォード、VWなど欧州メーカーに加え、トヨタ、日産、スバル、マツダなどの日本メーカーも参戦している。
グループBまでは駆動方式やエンジン変更が自由だったが、グループAではベース車のポテンシャルがラリー車の性能を左右する。
三菱自動車は1992年までギャランをベース車として参戦していたが、その高性能な4気筒ターボエンジンと4WDシステムをコンパクトなボディに収めた初代ランエボを1993年のWRC開幕戦から投入している。
当時のメーカーの参戦形態はさまざまだったが、通年ですべてのラリーに参戦するメーカーは限られており、スケジュールや開催地を選んで数戦に出場する方が多かった。
また、1980年代は、フルにスポンサーのカラーリングで走るチームはごく少数だったように思う。ランチアのマルティーニのカラーリングが目を引く程度だ。ちなみにマルティーニ(社名はマルティーニ・エ・ロッシ)はイタリアの酒造メーカーだ。
通年での参戦には莫大な予算が必要となるため、なかなかメーカーでは捻出できない。それを支えるのが大手スポンサーで、1900年代はたばこ会社や酒造メーカーなどが担っていた。グループAでのランチアの活躍にマルティーニが果たした役割は大きい。
■国や地域によってタバコ広告の規制に差があった1990年代
1999年のラリー・フィンランドでは、同国のタバコ広告の規制があり、ボンネットにはロゴではなくドライバーの名前TOMMI(トミ・マキネン)が入り、両ドアのロゴはない
当初、三菱はワークスカラーともいうべき白ボディに赤いストライプの入ったものを採用していた。だが、マシンとドライバーの戦闘力が高まるとともに参戦数も増えて予算も増大。これに対応するためだろう、1999年からフィリップ モリスのタバコ銘柄の一つ、マールボロのカラーリングを身にまとった。
赤いボディにマールボロたばこのパッケージ同様の白の三角がボンネットに入り、マールボロのロゴが描かれている。そして両リアドアとトランクにもマールボロのロゴが入った。
しかし、世界的にたばこの広告規制が強まる中、F1をはじめとしたモータースポーツも大きな影響を受けるようになる。1990年代から始まった規制は段階的に行われたうえ、国によって実施内容が異なるものだったため、シーズン中に微妙に表示されるロゴなどが変わるということが起こる。
三菱チームは1999年のラリー・フィンランドにランサーエボリューションVIで出場するが、このマシンのボンネットにはマルボロのロゴはなく、似たような書体で「TOMMI」の表記があるだけだった。
これはドライバーのトミ・マキネンのことだが、開催国のたばこ規制によってマールボロのロゴが使えなかったことによって起きている。両サイドのドアのロゴも外され、意味のない四角形が描かれている。
これよりも厳しかったのがラリー・モンテカルロで、スタート地点のあるモナコの町を出るときはボンネットのマールボロの文字はオーケー! だがメインのコースが設定されるフランスに入るとボンネットから文字は消され、真っ白になってしまっている。
両サイドはロゴが外されているが、意味ありげな白い三角は残されている。
2000年のラリー・スウェーデンに登場したマシンは、ボンネットにバーコードが描かれている。同様の手法はF1マシンなどでも施されていたので、ファンなら印象深いはずだ。これはマールボロに限らず、他のブランドでも広告規制に対応するために採用されていた手法だ。
2001年からランサーエボリューションVIIが投入されたが、規制の緩かったイタリアのラリー・サンレモではしっかりとマールボロのロゴが入っていた。しかし同年のオーストラリアではボンネットに「TOMMI」と書かれたロゴなし仕様に。
2002年のラリー・フィンランドの競技前に行われた三菱ラリーアートチームのイベントで展示されたマシンは、まったくのロゴなし状態。赤地と白い三角の組み合わせも使われていないため、今までの流れを知らなければ、マールボロのスポンサードを受けているとは思えない状態だった。
マールボロは、2002年いっぱいで三菱とのスポンサード契約を解消している。三菱はスポンサード初年度の1999年にトミ・マキネンがドライバーチャンピオンを獲得し、なんとかそのスポンサードに報いることができたのだ!
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ラッキーといえばスズキ
マルボロはヤマハだね