車中泊において広さはもっとも重要な性能
ここ最近のアウトドア・車中泊ブームのなかで、意外にも(!?)注目されているのが軽自動車だ。何しろスーパーハイト系や、働くクルマとしても定評あるキャブオーバー系の室内空間のゆとりは、むしろコンパクトカー以上。室内高があのアルファードを超える1400mm以上に達するクルマもあるほど(この室内高が車中泊において重要なポイント)。
「車中泊したいなら、実は軽自動車一択です」プロが断言する理由とは?
しかも、多彩なシートアレンジによって、車内のベッド化やお座敷化することがたやすく、もちろん、お値段も手ごろ。メーカー純正、あるいは車外品のアウトドア&車中泊用のアクセサリーも多数用意されているから、車中泊用のカスタマイズしやすいのも人気の理由なのである。
なお、ここでは各車の走行性能や走行中の快適性は横に置き、止まっているときの車中泊性能にのみスポットを当て、TOP5を筆者の独断でランキングしたい。無論、各自の使い勝手によっては、ランキングが上下するのはもちろんで、つまり、ここでのランキングが5位であっても、人によっては1位になりうるというわけだ。
5位:ダイハツ・アトレー
働く軽自動車(商用車)であり、2021年12月に新型が発売されたばかりのダイハツ・アトレーも車中泊に向いている。商用車用の新DNGAプラットフォーム、CVT、先進運転支援機能のスマアシを採用するとともに、後席を足元スペースに収めてラゲッジルームを拡大できる水平格納式リヤシートを設定。
ほぼ完全フラットで広々としたベッドスペースには、お座敷が出現。デッキサイドポケットなど、車中泊時のベッドまわりの収納も十分で、ポップアップ式リヤガラスは防犯効果もある換気用として重宝しそうだ。天井高は1215mmしかないのだが、横になることを最優先するとすれば、どうということはない。カーテンやマット類のアクセサリーも充実している。
4位:ホンダNーBOX
これまた、アウトドアファン、車中泊ファンにとっては意外も意外な1台が、ホンダNーBOX。日本でもっとも売れている軽自動車でもあり、洗練されたスタイリング、インテリアデザインからむしろ都会っぽいイメージもあるのだが、室内高はアルファードと同じ1400mmである。
ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによって、シートアレンジ性は秀逸で、低くアレンジすることも可能。前席を含めたフルフラットモードにはならないものの、前席のヘッドレストを外して倒し、リクライニングした後席とジョイントさせれば、仮眠もしやすいリラックスモードになるから便利なのだ。
車中泊適性度100%とは言えないものの、ライトな車中泊にはそれなりに使えるはずである。くどいようだが、室内高1400mmはやっぱりすごいのである。
3位:スズキ・スペーシアギア
意外と思うかもしれないが、スズキ・スペーシアもスーパーハイト系軽自動車のなかでは車中泊に適している。大容量パッケージに磨きがかかった最新モデルの室内高は1410mmに達し、前席までアレンジすれば、最大2mものベッドスペース、お座敷化が可能。助手席下に取り外しできるバケツ状のアンダーボックスがあるのも、アウトドア、車中泊で重宝する(水の運搬も可能)。
日中、ベッド化しないシチュエーションでは後席のみの格納になるはずだが、その際の後席格納~ラゲッジルームのフラット度はクラス最上。幅最小850mm×奥行き1350mmのほぼ完全フラットなリビングルーム(!?)が使えるのである。ギアならエクステリアのクロスオーバー感も強調され、ただのスペーシアとは違う、アウトドアに似合うアピアランスとなる点もお薦め理由となる。
2位:ホンダNーVAN
あくまで働く軽自動車であるNーVANだが、それだけに室内空間効率は抜群。運転席、助手席、そして後席のかけ心地はプアで(とくに助手席と後席)、N-BOXあたりとは比較にならない。だが、大きな荷物を目いっぱい積める室内のアレンジ性は乗用車タイプとは別格だ。
また、助手席を倒すことでほぼ完全フラットな全長2635mmものベッド&お座敷スペースが出現。筆者がこだわる室内高は1365mmにとどまるものの、フラット化したシートがごく低くセットされるため、頭上方向も余裕だ。アウトドアや車中泊ファンがカスタマイズしている例も多く、もちろん純正、非純正を問わず、車中泊用品はふんだんに揃っているから、楽しい。
1位:ダイハツ・ウェイク
ウェイクは軽自動車最大級の室内空間を誇り、なんと言っても車内をベッド化、お座敷化したときの天井高方向のゆとりでベスト。室内高は乗用車として最大級の1455mm!!(アルファードは1400mm)。前後席とラゲッジスペースをつなげれば、身長180cmの人だってクッションなどを敷くことで真っすぐ横になれる室内長、ベッド長がアレンジできるのだ。
しかも、汚れや水気に強いラゲッジルームの床下には90Lもの大容量ラゲージアンダートランクが備わり、すぐに使わない荷物の置き場にも困らない。アクセサリーのジョイントクッション(1名分4万700円)を用意すれば、室内長目いっぱいに広がるフラットなベッド、お座敷が出現。座った状態でも頭上に余裕があり、のびのびとできるのも大きな特徴となる。
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みんなのコメント
朝のラッシュを避けるため15分早く家を出ると、30分早く会社に着けます。
助手席側は常にフラットにして寝袋がおいてあり、始業時間まで駐車場で仮眠してます。