GR Supra
GR スープラ
「ポルシェ911 GT3 カップ」試乗! 島下泰久氏がワンメイク最高峰の世界に迫る【動画レポート】
市販型「スープラ」をマルセイユで初ドライブ!
GRスープラ独占取材のPart.2は、いよいよテストドライブである。そう、日本での発表を目前にして、いよいよ「GRスープラ」の一般道でのテストドライブが実現したのだ。
舞台は南仏マルセイユ近郊の、GRスープラの開発に使われたテストルートと、その周辺のワインディングロード。筆者はここで直列6気筒3.0リッターターボを積むRZのステアリングを握り、徹底的なテストを敢行した。
それにしてもショー会場やサーキットではなく、こうして自然の景色の中で見ると、スープラのコンパクトさがいよいよ際立って感じられる。正直、最初はややデコラティブに感じられたフォルムも、よく見れば長いホイールベースと広いトレッド、ワイドなタイヤに小さなキャビンといった運動性能の徹底的な追求によって生まれた基本パッケージを最小限の装飾で包み込んでいて、その筋肉質な感じが悪くないなと思えてくる。
コンセプトカー、FT-1のイメージで仕立てられたライト周りなどのディテールには好き嫌いが出そうだが、少なくとも開口部はどれも機能的に必要なものだし、蓋がされているスリットの類も実はレーシングトリムで仕立てる時にはそれを外すことで、きちんと冷却面、あるいは空力的に効果を発揮できるように考えられている。想像される以上に機能が全面に出たカタチなのである。
走る気にさせるコクピット
インテリアも、やはり決して広くはない。幅広いサイドシルをまたいで、ヒップポイントのきわめて低いシートに腰を下ろし、ドアを閉めると、これはもう走る以外にやるべきことはないという気持ちになってくる。
エクステリアと同様、その意匠にBMW Z4と共通の部分はほとんどない。メーターは別物だし、ガングリップタイプのセレクターレバーも似ているけれど、やはり専用品。共用なのはインフォテインメントシステムくらいである。
心地よく、しかし確実に身体をホールドするシートに身をあずけ、そろそろ走り出すことにする。スタートボタンを押して直列6気筒エンジンを目覚めさせ、セレクターレバーを手前に。アクセルペダルをそろりと踏み込み、いよいよ発進だ。
LFAを凌ぐボディ剛性でも快適性は高い
まず驚かされたのは、意外やその快適性だった。もちろんサスペンションはソフトではないし、その先のタイヤ&ホイールも大きい。しかもホイールベースはきわめて短く、つまり乗り心地には悪い条件ばかりが揃っているにも関わらず、スープラは石畳のような路面でも、ちっとも不快じゃない。
その大きな要因が凄まじく高いボディ剛性だ。その堅牢さは大開口のテールゲートがああるとはにわかに信じられないほどで、ヨーロッパの市街地に多いかまぼこ状のスピードハンプを通過しても“みしり”とも言わず、脳天を突き上げるようなショックに見舞われることもない。硬いながらもサスペンションがしっかり仕事をして、入力を吸収してくれる。
ボディのねじり剛性値はレクサスLFAのCFRP製ボディをも凌ぐというが、これは決して数値ありきで行き着いたわけではない。走りを煮詰めていく中でどんどん強化されていったもので、その副産物として高い快適性も実現されているのである。
もちろん、極低速域からひたひたと良く動くダンパーも、ひと役買っているのは間違いない。このダンパーはモンロー。その特性に惚れ込んだ開発責任者である多田哲哉氏の指名で使われたものだ。
心地よい直6ターボと、楽しさを覚える低速域
心地よいサウンドを奏でる直列6気筒3.0リッターターボエンジンは、ごく低い回転域から分厚いトルクをフラットに発生し、街中でも非常に走らせやすい。組み合わされる8速ATのギア比まで含めてBMW Z4と共通。レヴリミットの7000rpmまで回すと2速で85km/h、3速で131km/h、4速では161km/hまで達する。その変速マナーも文句無しで、ノーマルモードでは不快なショックなどは無縁に“するする”とシフトアップしていく。
おかげでスープラ、こうして街中を流しているだけでも十分に気持ち良さを味わうことができる。飛ばさなくても楽しいというのは、ストリートユースが基本のスポーツカーにとっては大事なことだ。
シャープな反応とはいえ、低速域でのハンドリングはアンダーステア傾向
では、さらにペースを上げていった先ではどうか。スポーツモードに切り替えて、ワインディングロードへ向かう。ここでは操舵に対するノーズのきわめてシャープな反応に、まずは頬が緩む。ステアリングの手応えは軽めだがしっかりとした芯があり、安心して切り込んでいける。その軽やかなレスポンスには、前後50:50の重量配分、水平対向エンジンを積む86よりもさらに低い重心を実感できる。
但し、特に低速コーナーでは初期応答はこうして鋭い一方、同じ舵角をキープしていると軌跡が徐々に膨らんでくる感がある。前述の通り凄まじく高いボディ剛性と、そのおかげでよく動くサスペンションが相まって、リアの接地感は盤石といった印象だが、そのぶん特性はアンダーステア方向で、低速コーナーでは舵角をじわりと増やしていく必要がある。
FRらしい気持ちよさを実感できる中速コーナー!
走りがぴたりと決まるのは、もう少し速度域の高い、3速主体となるような中速のワインディングロードだ。ブレーキングで前後荷重をコントロールしつつ、意識的にやや速めの操舵でコーナーに飛び込むと、ノーズがすっとインに入るだけでなく、自分を中心にクルマの向きが素早く変わっていくのを実感できる。そして出口が見えたところでアクセルを踏み込んでいくと、リアをすっと沈み込みこませながら脱兎のごとくのダッシュが始まるのだ。このハイパワーFRらしいコーナリングこそ、スープラの走りのもっとも気持ちの良い瞬間だと言っていいだろう。
エンジンの気持ち良さは、もはや言わずもがなといったところだ。フラットトルクなだけでなく弾けるように回り、回転上昇とともに力感を強めていく。芯があり、しかし滑らかな吹け上がり、いかにもストレート6らしいサウンドも快感で、思わず右足に力が入る。そうそう、開発の際、シフトショックは気にしなかったというスポーツモードでの8速ATの、昂揚をかき立てる変速マナーについても触れないわけにはいかない。これでトップエンドが、あと数百回転でいいから伸びてくれれば、よりベターなのだが・・・。
ヒリヒリとした手強さも演出
但し、この快感を味わうのは決して簡単ではない。パワーもトルクもあるから不用意に踏み込めばリアのグリップを打ち負かすのは容易だし、その際の挙動の出方も速いから、右足の動きには繊細さが求められる。この辺り、熟成された最新の86ほどフレンドリーではないのは確かだ。
スープラの開発責任者である多田哲哉氏は、ワールドプレミアの舞台となったデトロイトモーターショーでのインタビューの際にスープラを評して「86は訓練機。皆、練習して上手になったので、次はいよいよジェット戦闘機が待ってますよ。でも、結構手強いよ、みたいなね」と話していた。そういうヒリヒリとした感触は、確かにある。この辺りは、袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗したプロトタイプでも同様に感じたところ。サスペンションや電子制御LSDのセットアップについては、もっと色々なコースで走り込んで検証してみたいとも感じた。
喝采をもって迎えられる「Supra is Back」
そこまで行かない領域でのスープラは非常にコントローラブルで懐深く、その意味で先代80スープラと似た匂いが確かに感じられる。それを土台に新型スープラは、リアルスポーツカーとして、さらにその先の領域にまで足を踏み入れた。限界領域云々の話は、山が頂上が近づくにつれて険しさを増していくような話だとも言えるだろう。
そう、新型GRスープラは同じ直列6気筒エンジンを積むFRスポーツカーとはいえ、かつてのスープラのリバイバル的なクルマではなく、より高い次元を目指したスポーツカーとして帰ってきた。「Supra is Back」のニュースは、間違いなく世界中のスポーツカーファンに喝采をもって迎えられることになるはずだ。
REPORT/島下泰久(Yasuhisa SHIMASHITA)
PHOTO & MOVIE/宮門秀行(Hideyuki MIYAKADO)
Special Thanks/トヨタ自動車株式会社
https://www.youtube.com/watch?v=k2K6KNCaadE
【SPECIFICATION】
GR スープラ RZ
ボディサイズ:全長4380 全幅1865 全高1290mm(社内測定値)
ホイールベース:2470mm
トレッド:前1594 後1589mm
エンジン:直列6気筒DOHCツインスクロールターボ
総排気量:2998cc
最高出力:250kW(340ps)/5000 – 6500rpm
最大トルク:500Nm/1600 – 4500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルジョイント スプリング ストラット 後マルチリンク
0 – 100km/h加速:4.3秒
【問い合わせ】
トヨタ自動車
TEL 0800-700-7700
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