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10年たっても一級品!! やっぱ日本てすげーわ 「ここまでやるぅ!!?」なクルマ技術15選

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10年たっても一級品!! やっぱ日本てすげーわ 「ここまでやるぅ!!?」なクルマ技術15選

 過去10年の間に採用されてきたクルマ技術のなかから「ここまでやるか!」の技術を選び、自動車評論家 国沢光宏氏が「スゴい順」にランキング! あらためてみると日本の技術はやっぱりすごい! メーカーの皆様、本当にご苦労様です─!!!(本稿は「ベストカー」2013年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)

文:国沢光宏

10年たっても一級品!! やっぱ日本てすげーわ 「ここまでやるぅ!!?」なクルマ技術15選

■1位 スバルの衝突被害軽減ブレーキ、アイサイト

ミリ波レーダーや赤外線レーザーを使わず2個のカメラ映像の解析で対象物を見分けるスバルのアイサイト。10万5000円と割安

 ライバルの追随を許さず、しかも驚くほどの機能を持ち、さらにメーカーの屋台骨になってしまったということを考えれば、やっぱり1位はアイサイト。なにしろスバル車の約80%以上が装着。この技術がなければ日本におけるスバルの売れゆきがどうなっていたか、恐ろしい。

 しかも安価なモノクロのCCDカメラ2つで世界トップクラスの安全制御を行なうというのだからすばらしい! それだけじゃない。今後は信号や一時停止標識を読んでの自動ブレーキなども容易に導入可能。どこまで機能を加えていけるのか予想できないポテンシャルを持つ。日本が世界に自慢できる発明だ。

●ここまでやるか度指数=100

■2位 トヨタの電子制御ブレーキ(主にHV)

 ブレーキペダルの踏む量をセンサーで計測し、油圧ブレーキと回生制動に振り分けるという技術は、高い性能を持つハイブリッドや電気自動車に絶対必要な技術である。

 しかし信頼性や自然なブレーキフィールを出すことが極めて困難。ベンツも先代Eクラスでトヨタより少しシンプルなシステム(回生機能のないタイプ)を採用したもののトラブル続出で断念してしまった。

 いまだにトヨタのブレーキシステムに匹敵する技術を確立できているメーカーは存在せず。日産もホンダも簡易式でしかない。トヨタのダントツ技術でございます。

●ここまでやるか度指数=98

■3位 SKYACTIV-D(ディーゼルエンジン)

アテンザとCX-5に搭載されるSKYACTIV-D2.2。最高出力は175ps/最大トルクは42.8kgm、燃費は20km/L(AT)

 排気ガス処理装置の中で飛びきり高価なNoX触媒を使わずにディーゼルエンジンの排気ガスをガソリン車並みのクリーン度にする技術を持っているのはマツダしかない。トヨタも昨年の技術発表で「2014年までにNoX触媒なしの1.4Lディーゼルを発売する」と言っていたが、どうやらいまだに実現していないようだ。そもそもNoX触媒を使ったクリーンディーゼルさえトヨタもホンダも持っていない。単なるクリーンディーゼルすら難しい技術。マツダのシステムなら安価なディーゼルも可能。

●ここまでやるか度指数=93

■4位 ランエボXのAYC(S-AWC統合制御)

AYC(アクティブヨーコントロール)はACD(アクティブセンターディファレンシャル)などと統合制御。曲がる技術に関しては世界一!

 ランエボXに採用されているAYCは、もともとWRC用に開発された技術だった。黎明期の4WDのコーナリングって遅かったです。それこそアウディクワトロなんか直線番長。ちょろっとコーナー曲がり、立ち上がりでタイムを稼ぐという走り方でしたから。しかし三菱自動車の開発チームは曲がりにくい4WDをどうやって走らせようか考えた末、左右の駆動力制御を開始。いわゆる「トルクベクタリング」というヤツですね。この技術で4WDのコーナリングスピードは飛躍的に向上し、WRCでは禁止になったほど。

●ここまでやるか度指数=90

■5位 ランクルのクロールコントロール

クロールコントロールは車輪の空転をなるべく小さくするよう、エンジンとブレーキを最適制御することでアクセルとブレーキの操作を自動化

 初めて試した時はホントに驚いた! 今まで極悪路を走破しようとすれば、緩急を付けた細心のアクセルワークが必要だった。熟練のワザと言い換えてもよかろう。ランクルに採用されたクロールコントロール(自動悪路走破装置)は、極悪路手前でスイッチ操作するだけ。アクセルコントロールから、4輪独立の駆動力制御まで行なってくれる。ドライバーはハンドルを行きたい方向に操作するのみ! 免許取りたての人でも、極悪路の走破テクニックをマスターした人とまったく同じ場所を走れてしまう。これは凄い!

●ここまでやるか度指数=88

■6位 ヤマハとのコラボによるLFAのエンジンサウンド

吸排気系に設けられたサージタンクを音の放射体として利用し、肉厚やリブ形状などの最適化を図り、加速時(3000rpm周辺)には力強い音、高回転時(6000rpm)では艶やかで滑らかなエンジン音を実現

 今や世界中で厳しい騒音規制を行なっている。しかしスポーツカーならエンジン音を聞かせたい。このジレンマを解決したのがLFAだ。このクルマ、 直近で音を聞くとすばらしい! しかし少し離れただけでまったく聞こえなくなってしまう。マジックのようでございます。これは主にエンジン吸気系の吸気量のムラをなくす部品であるサージタンクを音の放射体として再設計することにより、ドライバーにとって心地よい周波数の音が発生させられるようにした。音響メーカーでもあるヤマハの空間共鳴シミュレーション技術などを活用したのだった。

 また、エンジンルームとのバルクヘッドの一部に穴を開け(薄い膜で空気の出入りは遮断している)、ドライバーにもすばらしいエンジン音が聞こえるようにしている。

●ここまでやるか度指数=85

■7位 スズキの減速時エネルギー回生機構、エネチャージ

 世界中の自動車メーカーがアクセルオフ時にオルタネーター(発電機)を稼働させる制御を行なっている。BMWなんか「ハイブリッド」とまで言っていた。

 しかし通常の鉛バッテリーだと充電が間に合わない。そこでスズキはアクセルオフ時に発生した電力ためる専用のリチウム電池を組み込んだエネルギー回収装置などを開発してしまった。この装置により、加速時などオルタネーターを稼働させない制御が可能になった。自転車でいえば、加速時や巡航時にライト点灯用の発電機をカットするようなもの。しかも価格上昇なしの標準装備としているところもすばらしいと思う。

●ここまでやるか度指数=80

■8位 蓄冷材を通した冷風を室内に送るスズキのエコクール

 今やアイドルストップは当たり前の装備になりつつある。しかし夏場などエンジン止めた途端にコンプレッサーも稼働しなくなり、エアコンから湿った生ぬるい風が出てくるようになってしまう。これは非常に不快。そこで燃費節約を断念しエンジン始動。冷たい風を出すようにする。スズキはエアコンに冷却剤を組み込み、エンジン停止後もしばらく冷気を出せる技術を考えた。カタログ燃費を向上させるための技術じゃないあたりがすばらしい! 幅広い車種に採用してほしい。

●ここまでやるか度指数=78

■9位 ナイトビュー(クラウンマジェスタ)

近赤外光を車両前方に照射して車両前方の見えにくい歩行者、障害物などを映像化し、ファイングラフィックメーターに表示。歩行者を検知すると黄色の枠で囲い、注意を促す

 暗視装置は本来軍用の技術である。しかも高価。それを自動車用に採用しようと考えたのだから凄い! 夜間に見えにくい歩行者を検出するための装置でございます。ただ人間と自動販売機は大きさも発熱量も非常に近いそうで、見分けるのに苦労したという。残念ながら普及の気配を見せていないものの、やがて赤外線などを車体から出すことにより、さまざまなセンサーとして使えるようになると思う。使わなくなった技術じゃないことを認識しよう。

●ここまでやるか度指数=75

■10位 新型クラウンのドライブスタートコントロール

 トヨタの開発チームによれば、Rレンジに入れた状態で暴走した場合、慌ててDレンジにシフト。今度は前に暴走するケースが少なくなかったという。そこでRレンジから急激にDレンジにセレクトされたことを検出したなら、アクセル全開状態でもパワーコントロールすることにより徐行状態をキープする機能を考えたそうだ。何のセンサーも必要としないのでコストアップ要因なし! ソフトだけである。すばらしいアイデアだと思う。1件でも事故を未然に防ぎたい、という技術者の熱意の表われです。

●ここまでやるか度指数=73

■11位 日産のシンクロレブコントロール

ZやスカイラインクーペのMTに搭載。シフトダウン時に一瞬エンジン回転数を高めてギアと同期。ヒール・アンド・トゥの操作が不要になった

 MT車でヒール&トゥを行なうのは、エンジンの回転数を合わせ、シフトダウン時の唐突なエンブレを防ぐためである。だったら空吹かしだけクルマでやってあげましょうか、というのがこの技術。初めて乗った時は驚いた! 見事に回転数を合わせてくれるのだった。考えてみればF1は1990年代からこの機能(ブリッパーと呼ぶ)を組み込んでいましたね。マジで自分のラリーカーにも付けたいと思ったほど。ただヒール&トゥのテクニックを磨けないというのは少し寂しいかもしれません。

●ここまでやるか度指数=71

■12位 ジヤトコ製 副変速機付きCVT

2つのプーリーの溝幅を変化させ、プーリー間に掛けられたスチールベルトの円弧半径を変えることで変速比をコントロールする副変速機付きCVT

 マーチ、ジューク、ノート、スイフト、ソリオ、ワゴンR、ミラージュなど幅広く採用されているジヤトコ製副変速機付きCVT。基本的にCVTは変速幅が広いという特徴を持っていた。しかし多段ATが6速とか7速の時代になってくると、CVTもさらなるワイドレンジ(1速を低くしたまま、巡航時の回転数を下げる、ということ)にしたいというリクエストを受けるようになる。ただ単純に金属ベルトの移動量を増やすこともできない。そこで副変速機を組み合わせることにした次第。LoギアからHiギアへの切り替え時に小さい音を出す車種もあるけれど、燃費と走行性能の両立が可能になったという点ですばらしい。アルトエコの33.0km/Lという燃費は、このCVTのおかげです。

●ここまでやるか度指数=70

■13位 マツダのエネルギー回生システム、i-ELOOP

 スズキのエネチャージと狙いは同じ。ただ電気ためるのに電池でなくキャパシタ(コンデンサー)を使う。コンデンサーは電池と比べものにならない速さで電気をためられ、比べものにならない速さで放出できるという特徴持つ。マツダに聞いてみたら「アテンザ級のクルマの消費電力を考えるとエネチャージのような小型電池では性能的に厳しいです」。ただ機能に決定的な差はないと思う。今後、リチウム電池とキャパシタの性能向上競争になるだろう。

●ここまでやるか度指数=68

■14位 レンジローバーイヴォークの9速AT

 多段ATのギアはついに9速時代を迎えた。こう書くと「CVTのほうがいいのでは?」みたいに思う人もいるかもしれないけれど、それは間違い。CVTでレンジローバーくらいのトルクを伝達しようとすると、ベルトを引っ張るためのエネルギーとパワーロスがハンパない! やはり多段ATしかないのだった。段飛ばしでの減速を可能にするスキップシフト機能、コーナリング中のシフトアップを抑える「カーブモード」、シフトダウンを速度が一定レベルに落ちるまで抑制する「ファストオフ」モードなど凄い内容。

●ここまでやるか度指数=65

■15位 次期スカイラインのステア・バイ・ワイヤ

 すでに発表ずみで今年(※2013年)9月に日本デビュー予定のスカイラインに搭載されるステア・バイ・ワイヤ。アクセル・バイ・ワイヤや電子制御ブレーキと同じくハンドルを単なるスイッチにしタイヤをステアするのはモーターにやらせようというシステム。飛行機のフライ・バイ・ワイヤとまったく同じコンセプトだ。機能停止した時のバックアップが大きな課題になっていた。相当期待していたものの、試作車に乗るかぎり大きなメリットを見いだせず。障害物を自動的に回避するようなシステムと組み合わされた時に真価を発揮すると思われる。現状は単に荒れた路面でもキックバックがないくらいの“特技”しか発揮できず。しかしながら熟成や進化を待ちたいと思う。

●ここまでやるか度指数=63

(内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

【画像ギャラリー】そもそも本企画の発端となったのは当時の…… 「ここまでやるぅ!!?」なクルマ技術をチェック!(9枚)

投稿 10年たっても一級品!! やっぱ日本てすげーわ 「ここまでやるぅ!!?」なクルマ技術15選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

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みんなのコメント

10件
  • zvw********
    11年前の記事の再掲で、Yahooニュース/carviewとの記事掲載契約件数の数字合わせは講談社がやる仕事としては情けない。

    釣りタイトルと薄っぺら記事で回すくるまのニュースの方がまだマシ。正攻法の記事掲載をしている自動車媒体に失礼。
  • sav********
    「ここまでやるか度指数」ってどうやって計算すんの笑。K沢さん?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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