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BYDの充実ラインナップ、Xiaomiのスーパーカーに熱視線!広州国際モーターショーから読み解くEV市場の最前線

掲載 更新 23
BYDの充実ラインナップ、Xiaomiのスーパーカーに熱視線!広州国際モーターショーから読み解くEV市場の最前線

今年の秋も中国・広州で広州国際モーターショーが開催された。中国在住ライターが現地取材し、一段と進む中国の電気自動車市場を紹介する。

車メーカー群雄割拠の広州。最新のクルマ事情は?

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現在の自動車市場は、2022年末までNEV車(電気自動車・プラグインハイブリッド・燃料電池車)の購入者に対する大型補助金がなくなり(※一部都市で独自補助金あり)、さらに不動産不況から自動車販売競争が激化しているため、メーカーによっては自動車販売台数が大きく下がっている。

現在、消費者は通常新車購入時に10%かかる自動車取得税(購置税)がNEV車なら、2024~25年は最大3万元(最大約62万円)免除される。そして、2024年は条件を満たす車の買い替えでNEV車は1万元(約21万円)、ガソリン車は7,000元(約15万円)の補助金を受け取れることが出来る。

今回モーターショーが開催された広州市がある広東省には、主にガソリン車を主力とするGAC(广州汽车集团)、GACと合弁を組むGTMC(广汽丰田、トヨタ)、GHAC(广汽本田、ホンダ)、がある。そして、電気自動車を主力とするBYD、Xiaopeng(小鹏)、最近自動車事業に進出したスマホで有名なHuawei、さらには隣省の福建省に、世界1位の車載電池メーカーCATLがあるという、自動車メーカー群雄割拠エリアなのだ。

私が来た2年前の広州では、タクシーはほとんどがBYDだった(タクシーは電気自動車でなければならない規制がある)。

だが最近では、日本の軽のような電気自動車がGACからAIONとして発売され、ライドシェアのほとんどがAIONとなってきている。さらに、新興自動車メーカーも販売店、サービスを多様化させている。

電気自動車市場で独占状態のBYDの牙城は崩れるのか。

やはりBYD強し!他社が追いつけない利益率を誇る

2024年11月15日から24日まで開催された広州国際モーターショー。今年のBYDのブースには特にすごい人が集まっていた。モーターショーでは、ショーがあるためそのときに人が集まることはあるが、ショーがなくても人が途切れないほどであった。

また、今はガソリン車を主力とする会社も電気自動車を販売しているが、BYDのラインナップは他社に比べてやはりすごい。BYDは電気自動車メーカーである故、広いブースのなかはすべて電気自動車。そのほかの電気自動車メーカーはブースが狭い、もしくはガソリン主力会社は8割がガソリン車(ハイブリッド含む)となっていた。

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BYDの海洋シリーズ「アザラシ(海豹)」

BYD王朝シリーズ「漢」

BYD王朝シリーズ「唐」

BYDは今年で30周年を迎えた。他メーカーも電気自動車を続々投入してきているが、やはりBYDの利益率には勝てないのが現実だろう。

BYDは自ら電池を作ることができるため、内製化が50%近くまで進んでいる。他メーカーがCATLのような電池メーカーから電池を購入しているのとは大きな違いだ。

また、2022年末までの政府からの補助金の力も大きい。2023年に補助金は減額されたが、その間、原価低減をすすめ、研究開発費や設備投資へ大きく投資している。

その結果、補助金が下がり1台当たりの単価が下がっているなか、BYDは販売台数増加かつ1台あたりの原価低減により利益率が大きく上がっている。そのため、売上高営業利益率も販売単価に反比例して上がってきている。

日本メーカーも出展。中国の電気自動車市場へ参入できるか?

GACと合弁を組むGTMC(广汽丰田、トヨタ)は、EV専用ブランド「bz」シリーズの铂智(bozhi)3Xを発表し、2025年3月に発売予定だ。铂智3Xは、自動運転技術を搭載し、高速道路、さらに一般道での車線変更、右左折、停車・発進が可能だ。そして、音声認識で操作できるスマートコックピットを採用した。

铂智3X

スマートコックピットで落ち着ける車内空間

電動格納式ドアハンドル

これまでの「bz」シリーズは車内が簡素だったが、铂智3Xは、スマートコックピット採用や落ち着く車内空間により、中国の高級電気自動車市場にやっと追いついたという感じがする。

中国の電気自動車市場は、タクシーに使われるような電気自動車は簡素化、低価格化がすすめられており、その分利益率は低くなっている。そして、自動運転技術の導入コストが下がり低価格帯の電気自動車にも標準装備されるようになってきている。一方、利益率が高い高価格帯の電気自動車では、航続距離の遠距離化はもちろんだが、車内空間、デザイン、スマートコックピットや自動運連などのさらなる知能性が求められている。

異業種参入も待ったなし!スマホメーカーのシャオミ(Xiaomi)の動向

最近は電気自動車へ異業種から参入する例も珍しくなく、その代表的な例がスマホメーカーのシャオミ(Xiaomi)やファーウェイ(Huawei)だ。

今年の広州モーターショーではシャオミのスーパーカーの実車が展示され、2025年3月に販売予定と発表され、予約開始した。

小米のXiaomi SU7 Ultra

Xiaomi SU7 Ultraは、スーパーモーターが3つもつき、最高時速は350kmのスーパーカー。価格は約1,730万円(814,900元)と高級だ。※1元=21.24円換算

ファーウェイは、広州モーターショーには出展していなかったが、今ではスマホ直営店に車を展示している。直営店の店舗網の多さを武器に、その認知度を高めている。異業種も参入待ったなしで着々と進む中国EV化に、日本が真似できる構想もあるのでは、と感じながら会場をあとにした。

文/大堀貴子

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みんなのコメント

23件
  • kaz********
    日本と仲良くする気がない国の車なんて買わないよ。
    すぐ壊れるし
  • ********
    日本には必要性が無いですね
    凶悪な事件ばかりの国はウンザリです
    はやく撤退して祖国に帰りましょう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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