BMW Motorradと聞けば、「上級者向けの大型バイク」をイメージするユーザーも多いと思いますが、実は2015年に300?クラスのスポーツネイキッドモデル「G310R」、そして2017年にはプラットフォームを同じくするアドベンチャーモデル「G310GS」が、ラインナップに追加されています。 そんな2台のG310シリーズがフルモデルチェンジしたということで、早速試乗してみました。
足つきの悪い大型モデルへの恐怖心が、どうしても拭いきれない私(先川 知香)にとって、BMW Motorradのラインナップといえば、カッコいいけど敷居が高い憧れの存在。「値段も高いし、愛車の候補に入ることはないな」と、バイクのなかでも何となく別世界の乗り物のようなイメージを持っていました。
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そのため、2015年に中型モデルが出ると聞いた時は、かなりワクワクしたのを覚えています。そこから約6年の時を経て、遂に試乗することができました。
まずは、「G310R」。普段はKawasaki「Z400」に乗っている私にとって、中量級のスポーツネイキッドは、安心感の高いカテゴリでもあります。そのため、身長165?の私でもしっかりと両足の半分が着くG310Rは、不安を感じることなく発進することができました。
走り出しもスムーズで、操作性も抜群。思い通りに小回りができて、アクセルを開けるとギャップを感じること無く加速してくれます。これは、敷居が高いと感じていたBMW Motorradのラインナップへの入門どころか、バイク初心者にもおススメな扱いやすさです。
ただ1点気になったのは、高回転域からシフトダウンした際の、低回転域でのギクシャク感。低速域が少し苦手なのかもと感じる不安定さを稀に感じることがありました。
それでも、総合的には乗りやすい1台。バイクの運転に少し慣れ、走りを楽しむ余裕が出てきたライダーの、ステップアップにおススメという印象です。
続いて「G310GS」にも試乗。いくら300?クラスの中型モデルといっても、やはりGSを名乗るアドベンチャーモデル。車高の高さからくる、見るからに足付きの悪そうな印象に、不安な気持ちを募らせながらも跨ってみると、何とか両足のつま先をギリギリ着くことができ、心配した程の不安定感はありませんでした。
「おお! さすが中型」
実際にまたがって足つきを確認できたことで、一気に安心した私は、いつも通りアクセルを開け、バイクを走らせます。先に乗ったG310Rと同じく、レスポンスは良好。小回りも効いて操作性は抜群な上に、走行中の安定感も高いので、幹線道路や高速道路などを真っすぐ走るなら、G310Rより快適な印象です。
しかし、「楽しい!」と、少し調子に乗ってアクセルを開け、信号待ちに向けてフロントブレーキを握った際に、微かな違和感を感じます。 「あれ?? ブレーキ利かなくない?」そこから、何度か強めにフロントブレーキを握ってみるも、そのたびにストリートファイターモデルであるG310Rに比べ、フロントブレーキの利きが甘い感覚を感じ、違和感が確信にかわっていきました。 これは、さすがBMW Motorradの「GS」を名乗るモデルといったところでしょうか。まるで、リアブレーキをキチンと使えないと一気に危険度が上がる、オフロードでの走破性を意識した、リアブレーキメインの走り方を教えてくれているかのような不思議な感覚で、普段乗りなれているロードモデルとは、一味違った走り方を楽しむことができました。
ただ1点、バイクに跨った状態で、サイドスタンドがかけにくいのが、マイナスポイント。アドベンチャーモデルにしては足つきがいいとはいえ、やはり車高は高めなので、バイクを止めるたびに、サイドスタンドを出すのに苦戦し、「いつか立ちゴケするのでは?」と、不安にならずにはいられませんでした。
バイクは自立してくれないため、そういった小さな問題が、日常の足に使うためには意外に重要なポイントだったりします。
走りは楽しませてくれるけど、停車がちょっぴり不安。G310GSそんな、一歩踏み出したい初心者ライダーから、中量級で気軽にオフロードを楽しみたいライダーなど、気持ちに余裕を持って走りを楽しめるレベルのライダーにおススメの、個性的な1台でした。
BMW Motorrad G310シリーズの価格(消費税込)は、G310Rが68万1000円から、G310GSが75万3000円からです。
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みんなのコメント
小排気量でも、BMWらしいバイクを作って欲しいものであります。