■2025年にノルウェーで投入へ 欧州地域にも投入を検討
いすゞは2024年3月27日、タイで開催された「バンコク国際モーターショー」で新型「D-MAX」を世界初公開しました。
2025年にも欧州で発売すると言いますが、どのようなモデルなのでしょうか。
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D-MAXは2002年に登場した貨客兼用ピックアップトラック(PPV:Pick-up Passenger Vehicle)です。
いすゞは現在、日本国内での乗用車販売を終了していますが、海外においてはD-MAXおよびプラットフォームを共有するSUV「MU-X」を展開しています。
D-MAXはそのなかでも、アジアや欧州、中東、アフリカ、中南米、オセアニアなど100か国以上の国と地域で販売されるグローバル戦略車のひとつです。
特に、国内外の各社においてピックアップトラックの主要マーケットとなっているタイでは、D-MAXは1トン積みピックアップトラックとしてシェア45%、約18万台(2022年度)を販売するなど、いすゞのなかでも主力モデルに位置しています。
現行型は、2019年10月に登場した3代目です。2023年10月にはデザイン変更を含む大幅改良が実施されました。
プラットフォームはMU-Xと共通で、新型の3リッターディーゼルターボエンジンと6速ATの採用による低燃費化、信頼性の向上、高張力鋼板・フレーム構造の変更により高剛性化と軽量化を実現。
オフロード性能も悪路での脱出性向上や、ブレーキ・エンジンを制御する悪路走行モード「ラフテレインモード」を追加し、走破性能を高めています。
エクステリアは「剛」(STRONG&AGGRESSIVE)、「駆」(SPORTY)、「進」(FUTURISTIC&DIGITAL)をコンセプトに、幅広の分厚い新しいV字型グリルや3つのキャラクターランプを配したLEDヘッドライトを採用し、個性的かつ強い存在感を与えました。
インテリアは「靭」(STRONG&SUPPLE)、「麗」(HIGH-CLASS&SOPHISTICATED)をコンセプトに、ミウラ折りパターンをモチーフにしたシートなどを採用し、クラスを超えた質感を実現。
さらに、先進運転支援として新世代のステレオカメラの採用により、交差点進入時や横断歩行者、対向車への検知を拡大。側後方支援や渋滞時アシストなども搭載しています。
キャブ形状はベーシックな2ドアのシングルキャブと、シート後部にスペースを設けたエクステンドキャブ、4ドアのダブルキャブを用意しています。
タイ国内での価格は59万2000バーツ(約251万円)から127万7000バーツ(約542万円)です。
そして、今回いすゞがバンコク国際モーターショーで披露したのは、D-MAXに設定されていなかったBEV(バッテリーEV)モデルの参考出品車両です。
新型D-MAX BEVモデルは、D-MAXのタフな基本性能は引き続きながら、BEVとして商用・乗用の幅広いニーズに対応できるよう開発したと言います。
パワートレインには新開発のeアクスルをフロントとリアに搭載したフルタイム4WDシステムを採用。
フロントに40kW、リアに90kWのモーターを搭載し、66.9kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせています。
システム最大出力は130kW・最大トルク325Nmで、最高速度は130km/h以上をマーク。最大積載量は1トン、最大けん引能力は3.5トンを確保しました。
一方で、既存のディーゼルエンジンモデルと同等の使い方もできるよう、高出力を発揮する電気モーターの採用や、堅牢なフレームとボディの設計により高い牽引能力を確保。高い悪路走破性およびBEV独自のリニアな加速感、低騒音・低振動を両立させました。
エクステリアはシルバーとブルーを組み合わせた専用グリルを装着しており、グリルの開口部も小さく、EVらしい先進感が表現されたものとなりました。
新型D-MAX BEVは、2025年にノルウェーをはじめとする欧州の一部地域から投入する予定とされており、英国や豪州、タイなどの地域でも各地域での使われ方やインフラ整備状況などをみて、展開を拡大していくと説明しています。
なお日本国内への投入に関しては特にアナウンスされていません。
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