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イマドキ軽自動車はなぜ高い? そんないまでも安くて満足な「キセキの軽」3台とは

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イマドキ軽自動車はなぜ高い? そんないまでも安くて満足な「キセキの軽」3台とは

 最近の軽自動車の価格は1.3リッターエンジンの小型車と同等

 2019年3月に発売された日産デイズ ハイウェイスターXプロパイロットエディションの価格は156万7080円に達した。国内販売ナンバーワンとなるホンダN-BOXのカスタムG・Lホンダセンシングも169万8840円と高額だ。

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 一方コンパクトカーのホンダフィット13G・Lホンダセンシングは165万3480円だから、いまの軽自動車の価格は1.3リッターエンジンを搭載する小型車と同等になった。

 過去を振り返ると、初代フィット1.3Aが114万5000円で売られていた2003年頃、ホンダの売れ筋軽自動車のライフFは105万円、初代タントXは113万円、アルトN-1は80万3000円だった。

 このように見ると、コンパクトカーに比べて明らかに安い軽自動車は、以前からスズキ・アルトやダイハツ・ミラのような背の低い車種であった。ダイハツ・タント、ホンダ・ライフ、スズキ・ワゴンRなどは相応に高かったが、いまのように150~170万円になると1.5倍だから割高感が一層強まってしまう。それなのに1世帯当たりの平均所得は1990年代の中盤をピークに下がり続け、2000年代に入ると横ばいだから、価格の割高感がユーザーを直撃している。

 軽自動車の価格が高くなった理由は、機能や装備が充実したからだ。デイズ ハイウェイスターやN-BOXカスタムは、外装ではエアロパーツやアルミホイールを装着して、車内のシートアレンジも多彩。インパネの質も高く、シート生地は上質に仕上げた。さらに安全&運転支援機能のプロパイロットやホンダセンシングを標準装着したため価格が高まった。

 いいかえるとクルマの価格は、サイズではなくおもに部品点数で決まる。コンパクトカーやミドルサイズカーと同程度の内容が備われば、価格も同じように高まってしまうのだ。

 そうなると「機能や装備を省けば価格を下げられるのか」という話になるが、意外に安くならない。じつはクルマに装着される装備の原価は、複雑な仕組みや高度な機能を考えると、信じられないほど安いからだ。

 たとえば軽自動車に装着されるターボは、併せてセットされる装備の金額を差し引くと、実質3~5万円に収まることが多い。緊急自動ブレーキと運転支援機能も、オプション設定などの車種は10万円前後に達するが、割安に標準装着された場合は5万円程度の車種もある。

 また開発者からは「走行安定性と乗り心地の両方を向上できる優れたメカニズムが存在するにも関わらず、原価を100円以下に抑えられないため装着を断念することがある」といった声も聞かれる。

 すなわち、装備を大幅にカットして昔の軽自動車のようにすれば話は別だが、数点減らしたのみでは価格は抑えられないのだ。

 安くて安全装備の充実したモデルも存在!

 背景にはライバル同士の競争もある。とくに軽自動車は競争が激しく、たとえばN-BOX/スペーシア/タント/デイズルークスの場合、装備が似通ったグレードは価格も横並びだ。上記4車種の標準ボディ(エアロパーツを備えないタイプ)の売れ筋グレードは、140~150万円にピッタリ収まる。

 このなかでN-BOX  G・Lホンダセンシングは、設計がもっとも新しいから機能も一番充実するが、価格は149万9040円だ。本来なら150万円を超えて当然の内容だが、ライバルに比べて割高感が生じると売れ行きに影響するため、無理に150万円以下に抑えている。

 このようにいまの軽自動車は、価格を高めながらも、それ以上に機能や装備を充実させたため好調。その結果、新車として売られるクルマの40%弱が軽自動車になった。

 しかしそれでも「軽自動車に150万円も出せない、安くて安全装備の充実した車種が欲しい」と思ったら、スズキ・アルトS(106万1640円)、ダイハツ・ミライースX・SAIII(108万円)を推奨する。低価格がコンセプトだから、歩行者も検知できる上級車種と同様の緊急自動ブレーキを標準装着して、価格は100万円以下。

 またダイハツ・ミラトコットL・SAIII(113万9400円)は、緊急自動ブレーキに加えて、サイド&カーテンエアバッグ、バイアングルLEDヘッドランプまで標準装着した。内外装も上質だから、ミラトコットもきわめて買い得な軽自動車だ。

 アルト、ミライース、ミラトコットは、いずれも全高が1550mm以下に収まっているため立体駐車場を使いやすく、なおかつ後席は意外に広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分を確保した。これはコンパクトカーの平均水準で、MAZDA3の握りコブシ1つ半を上まわる。

 アルトやミライースの後席は、座面の柔軟性に欠けるため大人4名の長時間乗車には適さないが、片道45分程度の距離であれば問題なく使える。加えてボディが軽いため、4名で乗車してもパワー不足を感じにくい。

 クルマにとって安全性はもっとも重要な性能なので(安全装備よりも同じセンサーを使う運転支援機能が注目される昨今の風潮は誤りだ)、その充実によって価格が高まるのは仕方ない。

 また軽自動車はギリギリまでコストダウンされているため、装備を取り去って価格を下げるのは難しい。そうなるとコンセプトの異なるアルト、ミライース、ミラトコットが注目されるわけだ(アルトラパンは安全装備が歩行者を検知できない古いタイプになる)。

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