1970年代を代表するカローラレビン/スプリンタートレノ
1966年に誕生したトヨタ初代「カローラ」は、大衆のためのアシとして生まれたクルマでした。1970年には2代目へと進化しますが、基本的な考え方は初代のコンセプトを継承した大衆車としての正常進化でした。そんな面白味に欠けるクルマが劇的に変わったのが、1972年に登場したクーペボディのTE27型「カローラレビン/スプリンタートレノ」です。このスプリンタートレノに乗るオーナーと愛車の仕様を紹介します。
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テンロクエンジンを搭載
後に日本のテンロクスポーツのルーツとされるトヨタTE27型「カローラレビン/スプリンタートレノ」は、コンパクトなボディに強力なパワーユニット搭載が大きな特徴。この誕生秘話については諸説あり、トヨタ商品開発会議から出てきたアイデアではなく、ひとりの若いエンジニアが勝手に試作車を作ってしまったことが発端。
カローラの車体に強力でハイパワーが売りの「セリカ1600GT」「カリーナ1600GT」搭載のツインカムヘッド2T-G型を搭載すれば、スポーツモデルとして進化するクルマとして楽しめる。そんなチャレンジが「じゃじゃ馬」の異名を持つクルマを生み出したという説が残っている。
パワーアップにともなってフロントはマクファーソン・ストラット式、リアはリーフリジットのサスペンションを強化。タイヤについては当時としては極太の175/70HR13タイヤを採用し、ステアリングギア比までも見直しクイックになるようにチューニングが施されていた。
好きになったきっかけは漫画『シャコタン★ブギ』
今回紹介する兵庫県姫路市在住の田辺智也さんは、小型大衆車のボディに名機の2T-G型エンジン搭載で強化サスペンションが与えられただけでなく、そのルックスも過激に後付けオーバーフェンダーを装着したスタイルに惚れ込んでしまったと話す。田辺さんは1973年生まれでもうすぐ51歳になるというが、このTE27型も1973年式とのこと。特別に狙ったわけではなく、たまたま偶然の巡り合わせだったという。
このTE27型の存在を知り、好きになったきっかけは、漫画『シャコタン★ブギ』に登場し、峠のバカッ速マシンとして描かれていたことがきっかけ。だいぶ昔のことなので忘れている方も多いと思うが、『シャコタン★ブギ』では有名なセブンのマユミの娘「真由美」がTE27型のカローラレビンに乗っている姿が描かれていた。
田辺さんが購入したのは今から15年ほど前。モデルはスプリンタートレノで、購入当時からエンジンの排気量は1600ccから2000ccにボアアップされ、ヘッドチューン、ハイカム、ソレックスキャブ、TRD製のタコ足がセットされたチューンドマシンだったという。
前のオーナーが相当な走り屋で、エンジンもカリカリなら内装の部品も外され、アンダーコートも剥がさたレーシーな状態。そのまま漫画のように峠を攻めるクルマとしても楽しめる仕様だったが、昔ならともかく現在はいい歳なので、街乗り仕様として乗れるように内装で足りない部品を取り寄せて製作。そのときに当時感を意識してフルバケットシートなどをさりげなくセットしたと話す。
外装はカーボンボンネットにビタローニミラー、マーシャルヘッドライトにワタナベホイールの組み合わせでスタイルをキメる田辺さんのスプリンタートレノ。モスグリーンのボディカラーも含めてオリジナルを大切にしながらも、昭和の走り屋テイストをうかがい知ることができるマニアなセンスが輝く1台であった。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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みんなのコメント
RSワタナベのホイール。格好良すぎるぬ。
ただし、素人は2T-GもOHVの2T-Bも同じ。「SRはスポーツ&ラリーの略だ」がキャッチコピーだった。
これを見てマツダはRX-3を作り、REの特性でサーキットの方が適しているから、KPGC10と死闘を演じ、連勝記録を止めた。
もうこうしたバカげたマシンは出ない。巨大なSUVばっか。