現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マクラーレン「エルバ」にはプレ値はつかない!? 新車価格2億5000万円より安い予想落札価格が物語る悲しい現実とは

ここから本文です

マクラーレン「エルバ」にはプレ値はつかない!? 新車価格2億5000万円より安い予想落札価格が物語る悲しい現実とは

掲載 7
マクラーレン「エルバ」にはプレ値はつかない!? 新車価格2億5000万円より安い予想落札価格が物語る悲しい現実とは

ラグジュアリーなオープン・ドライブが楽しめるエルバ

マクラーレンが2019年に発表した「エルバ」は、生産台数249台という希少なハイパーカーです。なんとそのエルバのシャシーナンバー「001」の個体が、RMサザビーズがモナコで開催したオークションに出品されました。しかも走行距離が8kmという極めて新車に近いコンディションの1台の詳細をお伝えします。

実走行43キロ!! 2億円オーバーのマクラーレン「セナLM」の内外装はどうしてパパイヤ・オレンジ?

エクステリアデザインはスパルタンそのもの

マクラーレン・オートモーティブから、「エルバ」と呼ばれるオープン・トップのスーパースポーツが発表されたのは2019年のことだった。当時マクラーレンはプロダクト・ポートフォリオを、限定生産を前提とする「アルティメット」、ラインアップのコアとなる「スーパー」、そしてエントリーモデルともいえる「スポーツ」の3シリーズに分けていたが、エルバはその中では最も高性能かつ高価なアルティメット・シリーズに誕生した新作であり、また初のオープントップモデルでもあった。

エルバとは、マクラーレンにとって歴史の中で大きな役割を果たした名前だ。それはマクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンが、1964年から1967年にかけて開発したオープントップのレーシングカー、「M1A」、「M2B」、「M3B」に由来するもので、その製作を同じイギリスのエルバ社に委託していたことで知られる。同時にそれはフランス語では「elle va(彼女が行く)」との意味を持つというから、そのバックグラウンドにはなかなかにロマンチックな雰囲気も漂う。

現代に復活したエルバは、普通にオープントップモデルという言葉から想像するよりは、はるかにスパルタンな造形を持つマシンだ。どちらかといえば一切の無駄を廃したデザインコンセプトは、スピードスターと呼ぶにふさわしく、同時にモノコックやボディ全体をカーボンファイバー製とすることで、徹底的な軽量化が図られている。エルバが正式発表された段階では、マクラーレンは車重を明確にしなかったが、それは乾燥重量で1148kgという驚異的な数字であることがのちに発表されている。

エクステリア・デザインはじつにスパルタンだ。ルーフはもとより、フロントウインドウさえ持たない(のちにオプションでコンパクトな固定式フロントウインドウが設定された)スタイルを実現するために、マクラーレンは特許技術となる「アクティブ・エア・マネージメント」を採用した。これはフロントノーズから導入されたエアを、コクピット前方のクラムシェルから排出することで、コックピット周辺にエアのバブルを形成する。それによって走行中の快適性が保護されるシステムと考えることができる。

当初は399台生産される予定だったが……

ミッドに搭載されるエンジンは、4LのV型8気筒ツインターボ。最高出力は815ps、最大トルクは800Nmを発揮し、0-100km/hを2.8秒で加速する運動性能を実現する。生産台数はデビュー当初は399台に限定されるとアナウンスされていたが、コロナ禍の影響によって249台にまで縮小。当時の新車価格はイギリス本国においては税込みで142万5000ポンド(邦貨換算約2億1660万円)と設定されていた。そして今回、「001」のシャシーナンバーを持つ貴重なモデルが、2024年5月10日に開催されたRMサザビーズのモナコ・オークションに姿を現したのだ。

このシャシーナンバー「001」のエルバには、完成後MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)の手でさまざまなプログラムが施され、実際にマクラーレンから依頼主であるマクラーレン・ウィーンに出荷されたのは2022年のことであったという。MSO独自のサテン・キロ・グレーのボディカラーに、ジェット・ブラックのセミアニリンレザーとブロンズのディテールをコクピットに採用したフィニッシュは、さらに戦闘的な雰囲気をこのエルバに醸し出している。走行距離はわずかに8kmと、こちらも新車に限りなく近い数字である。

マクラーレン・ウィーンが、このエルバのためにマクラーレンに支払った総額は、じつに151万5301ユーロ(邦貨換算約2億5400万円)。当然それは今回のモナコ・オークションでも主役の1台で110万~150万ユーロのエスティメートがつけられていたが、残念ながら落札に至ることはなく、現在もRMサザビーズを通じて、価格応談のまま販売が継続されている。マクラーレンのアルティメット・シリーズの中でも、もっとも過激な、そしてシーンによってはラグジュアリーなオープン・ドライブが楽しめるエルバ。そのシャシーナンバー「001」は、これからどのような運命を歩んでいくのだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
motorsport.com 日本版
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
レスポンス
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
motorsport.com 日本版
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
くるまのニュース
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
光岡自動車、シビックベースの「M55ゼロエディション」発売 イメージは1970年代 6速MTのみ 808万円
日刊自動車新聞
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
くるまのニュース
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
【ドライブグルメ】中央自動車道・双葉SA(上り)のオススメ テイクアウトは、ユニークな総菜パンと定番のアップルパイ
Webモーターマガジン
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
三重県の「北勢バイパス」、2024年度内に四日市の中心部まで開通! 通勤ラッシュの緩和にも期待。 【道路のニュース】
くるくら
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
ヒョンデが独占!? 「2025カー・オブ・ザ・イヤー」、新型「サンタフェ」が「年間ベストカー賞」など複数受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

7件
  • **********
    カーセンサーに未使用車が2.16億円で出てて草。
  • まろまろ
    走行距離も極端に少ないのは、メットかぶって乗らないとヤバそうだからかなぁ。
    ほぼサーキット専用車両なのに、競技専用車両でも無い微妙な感じ。
    メーター類が、家電や携帯電話みたいな最近の車。
    常に新型じゃ無いと車全体のデザインが優れていても、型遅れ感が満載ですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村