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バイク新車販売がV字回復 6年ぶりに40万台を突破したワケは?

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バイク新車販売がV字回復 6年ぶりに40万台を突破したワケは?

 コロナ禍に見舞われた2019年頃から「バイクブーム」と言われて久しいが、やはりセールスは好調だった!

 2021年における国産4メーカーの新車販売台数は前年から約5万台増の41万5892台に。2015年以来6年ぶりの40万台超えとなった。どのクラスが伸び、どのメーカーが販売を伸ばしたのか、探ってみたい。

バイク新車販売がV字回復 6年ぶりに40万台を突破したワケは?

文/沼尾宏明、協力/『二輪車新聞』https://www.nirin.co.jp/

51~125ccと251cc以上が好調、ともに25%に迫る伸びを見せた

 2021年、国内バイクメーカーの新車販売台数は、前年比4万9968台増(13.7%増)の41万5892台だった。約3600台増で3年ぶりに増加に転じた2020年に続き、2年連続のプラス。2015年以来、6年ぶりの40万台超えとなった。

 排気量別に見てみると、全てのクラスで増加したが、特に販売増を支えたのは原付二種(51~125cc)と小型二輪(251cc~)だ。

 まず原付一種(~50cc)は前年比5343台増(4.4%増)の12万7759台。2017年以来4年ぶりに前年を上回ったが、排気量帯別のシェアは2.8%減の30.7%に。

 一方、原付二種(51~125cc)は、前年比2万3914台増の12万5651台で、23.5%増の大幅伸長。2018年以来3年ぶりに増加し 12万台を超えたのは2008年以来、実に13年ぶりだ。台数では原付一種にあと2000台、シェアは2.4%増で0.5%差の30.2%にまで迫っている。

 軽二輪(126~250cc)は、4519台増(6.1%増)の7万8911台。2017年から5年連続のプラスで、2年連続7万台以上を記録している。シェアは1.3%減の19%となった。

 そして小型二輪(251cc~)は、最大の伸び幅を記録。前年から1万6192台増の8万3571台で、24%の大幅増となった。これで3年連続のプラスとなり、8万台超は2007年以来、14年ぶり。シェアは1.7%増の20.1%となっている。

「二輪新車需要台数」は、新車販売台数の意。原付一種&二種は全国的な販売データがないため、国内新車出荷台数をあてはめて算出している

メーカー別ではホンダが絶好調、伸び幅ではカワサキがダントツ

 メーカー別で台数を最も伸ばしたのはホンダだ。

 前年比1万9926台増(11.2%増)の19万7099台で、シェア1位を堅持。原付一種のみ8.8%減の6万515台となったものの、他のクラスは下記のとおりいずれも増加した。

・51~125cc=7万8704台(前年比+1万4411台 22.4%増)
・126~250cc=3万5302台(+1828台 5.5%増)
・251cc~=2万2578台(+9555台 73.4%増)

 特に251cc以上で73.4%増という驚異的な伸びを見せたが、これは2021年4月にデビューしたGB350の好調が大きい。

 対前年比ではカワサキが26%増と最も伸びた。原付二種クラスにZ125プロのファイナルモデルが投入され、4971台増(前年比782.8%増)の5606台に。また126~250ccが1956台増(29.3%増)の8526台と伸びた。これはクラス唯一の4気筒、Ninja ZX-25Rの影響が大きい。

爆発的ヒット中のGB350。2021年はSR400に次ぐクラス2位の年間約4000台を販売した。幅広いライダーに似合うスタイルと空冷シングルによる走りが魅力だ。55万円~

ヤマハとスズキも手堅く伸長、欧州マーケットも回復した

 ヤマハはホンダに次ぐシェア2位で、前年比1万6051台増(18.2%増)の10万4441台。

 126~250ccクラスが前年割れの1万7109台(14.6%減)だったが、これは前年に生産終了し、売れに売れたセロー250が空席になった分が響いた。

 他のクラスはいずれも伸びており、原付二種ではアクシスZとシグナスが好調で17.9%増の1万9424台。251cc以上ではSR400ファイナルエディションをはじめ、YZF-R3、MT-03の人気により32.2%増の1万3958台となった。

 シェア3位のスズキは3390台増(6.7%増)の5万3826台。3.8%減で1万3294台となった原付一種を除いて増加し、中でも原付二種のアドレスシリーズが好調。41.5%増の2万1917台となった。126~250ccはジクサーシリーズとGSX-R250Rが相変わらず人気で15.3%増の1万2005台。251cc以上は、1651台増(9.8%増)の6610台で、SV650/Xと新型ハヤブサが貢献した。

 ちなみに日本のみならず、主要ヨーロッパ市場も好調。2020年の88万700台に対し、6万8700台増(7.8%増)の94万9400台が販売された(ACEM調べ 国内外の全メーカー排気量50cc以上)。特にイタリアは前年比+ 23.6%と成長している。

ヤマハのアクシスZは、新排ガス規制に対応した2022年モデルが販売中。ヤマハ125ccスクータートップの燃費51.9km/L(WMTCモード)や大容量約37.5Lトランクが自慢だ。27万1700円

「キャンプブームに加え、若者とリターンが増加の要因」とホンダは分析

 最も台数を伸ばしたホンダに、久々に国内販売が40万台を突破したことについてコメントを求めた。二輪総合販社のホンダモーターサイクルジャパン(HMJ)広報によると、

「まず、お客様や販売店様には納期がなかなか確定しない状況が続き、御迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます。昨年、ホンダとしてはCT125ハンターカブ、レブル250、GB350が好調でした。キャンプなどアウトドアブームの後押しもあり、のんびり走れて余暇を過ごせる車種が人気を集め、40万台超の要因となったと思われます」。

 また、ライダーに関しては「若年層とリターンライダーが増加した点が大きい」という。「一方で事故も増加しています。バイクは安全に乗れば楽しい乗り物です。仲間の輪を広げて、安全に長く楽しんでいただきたいです」とライダーにエールを送った。

 なお、2021年の二輪免許取得者は、普通二輪で3万204人増の21万7115人に。大型二輪は6955人増の9万3647人と、ともに大きく伸びている(併記+新規の数 警察庁調べ)。さらに、原付免許の新規取得者も微増。785人増の9万6177人となっている。

意外にも中古車に大きな動きはないが、タマ数が減少中との情報も

 一方、中古車も売上を伸ばしたのかと思いきや、軽二輪(126~250cc)、小型二輪(251cc~)はほぼ変わらなかった。

 両クラス合わせて前年の22万5491台から微増の22万5000台という結果に(記載事項変更ではなく、中古新規の数)。この3年ほど22万台程度で推移しており、大きな変化はない。

 また、業界筋によると「市場に流通するタマ数が減少中」という気になる情報も。理由は「価格高騰を狙い、中古車ショップなどが車両をストックして市場に流していないのでは?」と話すが、真偽は不明だ。

 ――昨今よく言われるが、「密」を避けられる趣味としてバイクが人気を集め、ブームのキャンプにも使えることから販売を伸ばしているのは確実だろう。あとは新車の供給が安定すれば、さらにバイク人気は加速するはずだ。

 2022年は、ホンダからダックス125などの注目モデルが登場し、より販売を伸ばすか……!?

国内では1999年に生産終了したダックスが、装いも新たに「ダックス125」として復活。2022モデル期待の新星で、年間販売台数は8000台と強気だ。7月21日発売。44万円

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みんなのコメント

39件
  • そろそろ三無運動の呪縛が取れても良さそう?
    二輪は楽しいぞ!
  • コロナ禍やモトブログでの波及も後押してるけど、
    ポップなCT125ハンターカブとレブル250が良い呼び水になっている印象。
    CT125はサイズ感、レブル250は足つき性、どちらもフレンドリーで女性でも乗れそうと思わせてくれる魅力がある。

    そこをきっかけにバイクに興味を持ち、
    ホンダ以外の車種、たとえばNinja、MT-25(03)、Vストローム、ジクサーあたりにも流れてる感じ。
    バイク業界としては良い流れができているのではないでしょうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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