あえての2.6Lフルチューンで攻める!
ゼロヨン8秒974の快速ストリート仕様スペック
「ニスモタービンをツイン武装した漢のJZS147アリスト!」500馬力の超レスポンス仕様を狙ったプロチューナーの技
RB26DETTの底知れぬポテンシャルをチェックすべく、OPTION本誌が行ったクローズドコースでの0-300km/hアタック。その舞台に、神戸の名チューナー“エンドレス”が送り込んできたのは、ストリート兼ドラッグ仕様としてはトップクラスの実力を誇るBNR32だ。
ゼロヨン大会での大クラッシュから復活を遂げ、セントラルサーキットで悲願のゼロヨン9秒切りを達成。8秒860という記録はラジアルタイヤによるセントラルサーキットのレコード(取材時)となっている。
パワーの源となるエンジンは、2.6L仕様。腰下はHKSの鍛造ピストンとH断面コンロッドで強化し、ブロックにはセメントを注入して剛性をアップ。クランクシャフトはあえてノーマルを採用しているが、これはハードなゼロヨン走行でのランニングコストを考慮してのもの。高回転、高負荷にさらされるクランクは使い捨ての消耗品として割り切っているのだ。
一方のヘッドは、ポート形状など随所にエンドレスのノウハウが詰まったフルチューン仕様で、カムはアペックスのIN280度、EX290度をセット。
組み合わせるタービンは、TD06SH-25G(10cm2)のツイン仕様。BCNR33用5層インタークーラーやオリジナルサージタンクなどで徹底的に吸入効率を追求し、ブースト圧2.1キロの設定で1100psを叩き出している。
排気系はトラストの45φEXマニに、HKSのレーシングマフラーベースのオリジナル加工モデルを装備。100φのフルストレート仕様だ。リヤデフはATSの1ウェイLSDに4.1ファイナルの組み合わせとしている。
足回りはHKSハイパーマックスベースのオリジナルで、バネレートはフロント8kg/mm、リヤ6kg/mmの設定。若干のネガティブキャンバー設定がセントラル仕様ならではだ。前後10JのP1レーシングに組み合わされるのは、275/40R17サイズのフージャーDOTドラッグラジアル。
インパネ周りはノーマルの面影を残すものの、9点式ロールケージ、FRPドアを装備して車重は1230kgまで軽量化。ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルで、プロスタートシステムも装備している。リヤシート部分にセットされているのはNOSだ。
トランク内には安全タンクと270L/hの燃料ポンプ2基を美しくレイアウト。インジェクターは1000cc×6で、エンジンマネージメントはF-CON Vプロによるエアフロレス制御としている。
このチューンドの戦闘力はハンパではなく、GPS計測では0→100m:5.07秒/158.43km/h、0→400m:10.52秒/249.37km/hと加速を続け、わずか14秒1で300km/hに到達したのだ。
しかも、アタック時は8000rpmを超えた領域でエンジンが吹けない症状に悩まされたため、本来の実力はこれよりも上、0-300km/h加速13秒台も狙えたはず。恐ろしいほどのポテンシャルである。
●取材協力:エンドレス 神戸市西区岩岡町古郷字南場960-8 TEL:078-969-2555
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