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意外!? それとも必然!?? 4月の販売台数に見る 売れてるクルマのその理由

掲載 更新 23
意外!? それとも必然!?? 4月の販売台数に見る 売れてるクルマのその理由

 この4月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令も大きく影響した。それでも売れてるクルマにはやっぱり、なんらかの「理由」があるはず。

 コロナ禍真っただ中、2020年4月の販売台数を俯瞰しながら、売れているクルマ、そうでなかったクルマの“差”を考察してみたい。

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※本稿は2020年6月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年7月10日号

■ヤリス堂々の1位!!! フィットは4位に

 売れているクルマはやっぱり“正義”だ。売れているということはそれだけユーザーに支持されているということ。もちろん、ここでいうユーザーとは、クルマ雑誌を読むような人は少ないだろう。クルマに特別の興味を持っていないという人がほとんどかもしれない。

 だからこそ貴重なデータなのだ。

 クルマ好きが積極的に好むクルマは、ベストカー読者の心にもグサッと刺さること間違いなし! でも、クルマに特別な興味を持っていない大多数の人たちが「このクルマを買おう」と思うのだから、そこにはクルマ好きが思いもよらない「魅力」が潜んでいるに違いない。それは決して「価格が安い」とか「コスパがいい」という理由だけではないはずだ。

2020年4月 登録車の販売台数 1位~15位

 ってなわけで、この特集では2020年4月の販売台数を調査して、登録車のTOP30台、軽自動車のTOP10台を徹底チェック。明らかな〇の部分と、意外な×の部分をキッチリ見ていこう!

 販売台数の集計だが、たとえば「ノア/ヴォクシー」、「アルファード/ヴェルファイア」のような兄弟車は両車の台数を合算した。同様に「タンク/ルーミー/トール/ジャスティ」、「パッソ/ブーン」、「ライズ/ロッキー」、さらには「セレナ/ランディ」や軽自動車には特に多いOEMも同一車種として合算台数で販売ランキングを集計。

 一方、「カローラ」、「カローラスポーツ」、「カローラツーリング」や「マツダ3セダン」、「マツダ3ファストバック」のように、車名は同一でも車形が異なるものは、明確にキャラクターが違うのだから「別のモデル」として、それぞれの販売台数を出した。

2020年4月 登録車の販売台数 16位~30位

 スイフトも基準車とスイフトスポーツは別モデルとしたし、シビックタイプRもシビックセダンや5ドアとは別グルマだ。

 ただ、このシビック、セダンと5ドアは車形の差異が小さく、エンジンスペックやシャシーチューニングの違いはあれど、同一車のグレード違い程度なので両車合算とした。

 ところで、シビックシリーズは今年1月にマイチェンしたばかりなのだが、セダンの国内販売を8月をもって終了するという。

 同時期にグレイス、ジェイドも国内販売を終了するとのことで、ホンダの車種ラインナップは大きく見直されることになる。シビック5ドアは継続販売され、タイプRはマイチェンして夏頃改めて販売開始の予定である。

 OEMだがあえて「別車種」として分離させたのが日産デイズシリーズと三菱eKシリーズ。特にデイズハイウェイスターとeKクロスでのキャラクターの違いが大きく、同じクルマとみなすのは無理があると判断したため。

■異質? 4月の販売台数から見えてくるもの

 このようなルールで4月の販売台数を集計したのが前の項でお見せした販売ランキングとなる。

 この4月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令も大きく影響して、前年同月比25.5%マイナスの17万2138台(登録車のみ)と冷え込んだ。

 特に乗用車の落ち込みが大きく、例月と比べてもちょっと異質な販売データとなっている。

 さて4月の販売台数を見ると、トップは1万119台のヤリスで、この結果は「ま、予測どおり」なのだが、直接のライバル、ホンダフィットは8977台で4位にとどまる。

根強い人気のタンク一族。内訳はルーミー=5104台、タンク=3891台、トール=915台、ジャスティ=145台で合計1万55台でフィットより多い第2位にランクイン

 両車の間には2位=タンク一族(1万55台)、3位=ノア/ヴォク(9425台)がランクイン。

 両車ともに“売れ筋”ではあるが、タンクは2016年11月にデビューし、大きなマイチェンは実施されていない、ロングセールモデル。ノア/ヴォクも同様に2014年デビューで、2017年7月のマイチェンからも3年経過するモデルライフ的には末期だ。

 軽自動車はどうか? ホンダN-BOXが1万4012台で2位のタントを5000台以上引き離すダントツ。

軽自動車ではN-BOXが販売好調を継続中。ホンダとしては新プラットフォームで登場したN-WGNを推したいところだろうが……

 相変わらずの人気を誇っているのはいいのだが、デビューは2017年5月で新車効果が期待できるタントと比べるとやはり古い。

 ちなみに新プラットフォームで新型に切り替わったN-WGNは4681台で6位。軽自動車はやはり背の高い“スーパーハイト”時代なのかと思ったら、3位はミライースなのだからわからない。

軽はスーパーハイト&ハイト優勢かと思いきや、4位はミライース。ちなみにピクシスエポック=680台、プレオ+=322台である

 ただ、登録車もそうだが、4月に売れているクルマは全体的に実用性の高いモデルが上位を占めていることは間違いない。一般ユーザーよりも社用車などのニーズが勝ったのかもしれない。

 再び登録車。カローラなのだが、セダン、ワゴンは昨年5月にモデルチェンジしたが、この際、廉価グレードのみ旧型が継続販売されている。

ノア/ヴォク三兄弟は合わせて9425台で3位、アル/ヴェルは7429台で6位。高いのに売れている!

 すると、13位には新型のツーリング(2850台)が入ったものの、26位に旧型のフィールダー(1130台)、29位にこれまた旧型のアクシオ(1060台)がランクイン。

 新型セダンは1000台で31位。セダン同士で比較すると旧型のほうが売れているという結果となった。ちなみにカローラスポーツは580台で43位だった。

写真は昨年9月に登場したカローラセダン、ワゴンのツーリング、さらに一昨年一足先に登場したハッチバックのスポーツ。新型が出そろっても、アクシオ/フィールダーは廉価グレードを継続販売中で、これが売れているのだ

 苦戦を感じるのがマツダだ。21位にCX-30(1278台)、23位にマツダ2(1235台)が入ったものの、マツダ3はセダンが342台、ファストバックが622台で仮に両車を合算しても964台でTOP30には入らない。

マツダ3はファストバックが622台、セダンが342台でTOP30には届かなかった。両車合算しても964台で32位相当。いいクルマなのだから、もうちょい売れてほしい

 ランクルプラドが1130台で26位なのだから、もうちょっと売れてほしいと思う。

 19位に入ったハリアーにも驚きだ。すでに新型が6月17日に登場することが正式にアナウンスされており、現行型は末期も末期。

 値引きが拡大しているにせよ、フォレスターやCX-5、エクストレイルなどのライバルよりも圧倒的に売れているのだから、これは凄いこと。

 軽自動車ではムーヴキャンバスが3427台で9位にランクインしているが、キャンバスは安定して人気があることを再認識させられた。

●ホンダはシビックセダン、グレイス、ジェイドを8月で販売終了

 ホンダは8月をもってシビックセダン、グレイスの2車のセダンの国内販売を終了するとのこと。シビックセダンは1月にマイチェンしたばかりなのに……。

 セダンのラインナップが充実しすぎていて、キャラがかぶっているモデルもあったため、整理する狙い。

 一方シビック5ドアハッチは販売が継続され、タイプRはすでにマイチェンの内容が発表されており、夏頃に販売を開始する予定。また、ジェイドも7月に国内販売を終了する。

ホンダ シビック(セダン)

ホンダ グレイス

ホンダ ジェイド

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みんなのコメント

23件
  • 販売上位にあるようなクルマを買う人を、「クルマに興味を持っていない」「クルマが好きではない」って、そりゃあ決め付け過ぎな酷い言い草だろ、ベストカー。
  • 「ここでいうユーザーとは、クルマ雑誌を読むような人は少ないだろう。クルマに特別の興味を持っていないという人がほとんどかもしれない。」と、限定しておきながらこれが正義と言うなら、日本車は衰退していくと思う。
    自動車ジャーナリストなら、警鐘を鳴らす記事にすべきだと思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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