もくじ
ー ただのキットカー会社ではない
ー 新事業 驚きのキャッシュフロー
ー ミドエンジン車 「あの」会社が
ー 世の中をかえる「乗り物」も
ー 軽量スポーツカー保護にも意欲
ー 600kg/256ps スポーツ250試乗記
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ただのキットカー会社ではない
ウエストミッドランド州のとある古い工業団地で、「ウエストフィールド」社はケーターハムのクルマにそっくりなキットカーを数多く製造している。
だが、同社の顧客ベースが年老いてきていることや、ライトウエイト・スポーツカーの人気に陰りが出始めていること、さらには法規制によってどのみちこの類のクルマはそのうち消えることになるだろう。暗い予測だが、多くの人は妥当な線だと見るはずだ。
ところが、同社の社長であるジュリアン・ターナーは違った見方をする。
ジュリアン・ターナーにとってウエストフィールドは運のない、古臭いキットカー・メーカーなんかではなく、成長著しいテクノロジー企業なのだ。
家族経営企業に対する彼のビジョンが実現した暁には、われわれはもはやウエストフィールドのことを希望もなく過去にしがみついているような会社だとは思わないだろう。
新事業 驚きのキャッシュフロー
ターナーは、「ありがたいことにクルマの販売台数は伸びています」と言う。「英国内での需要は一定ですが、海外では売れに売れています。このビジネスが生みだすキャッシュフローのお陰で他のプロジェクトに手を出せているのです。当社にとっては大切な収入源ですね」とのこと。
同社のモデルレンジには、ロータス・セブンに似たFRPボディのスポーツカーと、ロータス・イレブンにインスパイアされたウエストフィールドXIがある。
ウエストフィールドはさらに、少量ながらXTR小型プロトタイプ車も製造している。全体としては毎年150台のクルマを生産し、その大半がキットとして販売されている。
このような事実は意外でも何でもないが、ウエストフィールドが新たにミドエンジンのスポーツカーを開発中だということには驚かされる。クーペとロードスターのボディタイプが用意されるようだ。
ウエイトは1000kg未満、価格は約456万円、そしてパワートレインには内燃エンジン、ハイブリッド、電気の3種類が設定される。これらのパワートレインは他のモデル・ラインナップにも適用されるようだ。
もっと驚くことに、ウエストフィールドは現在ポッドと呼ばれるバッテリー駆動の自動走行シャトルを製造しているのだ。
近い将来この乗り物が都心、オフィス街、大学構内で普及するのは自明の理だろう。
ターナーによれば、ウエストフィールドは2025年までに市場規模約140兆円に成長する分野をリードしているそうだ。既に韓国政府とは単価約2270万円の売値で45億円相当の契約を交わした。
衝撃的な話はまだある。
ミドエンジン車 「あの」会社が
ミドエンジンのスポーツカーにはウエストフィールドGTMのエンブレムが装着されるというのだ。
GTMという名称はウエストフィールドが以前買収した、50年の歴史がある英国の独立会社に由来する。
2018年に生産開始を予定しているこのクルマは、スチール製のスペースフレーム・シャシーをベースとし、ダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用される。
内燃エンジンのモデルには、フォードが開発した4気筒ターボのエコブースト・エンジンが積まれる。これはセブンによく似た同社のスポーツ250に搭載されているのと同じユニットで、最高出力は256psだ。
一方、完全なEVには、英国企業から供給されるバッテリーとモーターが使われ、航続距離は約322kmになる。
そしてハイブリッド・モデルには、ウエストフィールドが開発し、近くのアドバンスト・イノベイティブ・エンジニアリングが製造を請け負う新ヴァンケル型ロータリーエンジンが搭載される。
このシングル・ローターのユニットは排気量650ccで、最高出力は約132psを発する。
エンジン重量はたったの28kgしかないのでライトウエイト・スポーツカーの電気モーターと組み合わせるにはうってつけだ。
ターナーは2022年までの間に毎年1000台のGTMを売ろうとしている。ゆくゆくは、GTMも完全自動走行ができるようになるかもしれない。
彼は、「最初の1時間ぐらいはドライバーがGTMを運転する楽しみを味わい、その後は自動運転に任せたらいいかと思います」と言う。
さらに、「航空業界の完全自律飛行をリードしているボーイングやエアバスのように、当社も自動車業界における自律走行の立役者となりたい」そうだ。
ウエストフィールドは労働者数も急成長を続けている。
世の中をかえる「乗り物」も
社員数は過去1年間で46人に倍増し、ターナーは来年さらに倍増させる考えだ。2018年に100台の自動走行ポッドを製造するという目標を達成するには労働力の増強が不可欠なのである。
スポーツカーと同じ工場で製造されるポッドは背が高く、細身で、ホイールが見えない6人乗りの乗り物だ。最高時速は32km/h、1回の充電で8時間の走行が可能である。
なぜ自動運転のポッドなのかというと、市場の規模が大きいこと以外にも、ライトウエイト・スポーツカーと自動走行ポッドに求められる技術が似通っているという利点があるためだ。
ターナーいわく、両者が採用するダブルウィッシュボーン式サスペンションを組み込んだスペースフレーム・シャシーと、樹脂製のボディはウエストフィールドが得意とする技術だそうだ。
そして、自律走行とバッテリーの技術も間もなく両方の車両に共通して活用されることになる。ブリストルを本拠地とするフュージョン・プロセッシングが開発する自律走行システムを使ったウエストフィールドのポッドは、国中で試運転されている。
例えばグリニッジの駅と水上タクシー乗り場を繋いだり、西イングランド大学の構内で使われたりしている。
「この乗り物はこれまで約800万kmの距離を走り、350万人の乗客を乗せました」とターナーは言う。「当社はグーグルなど他のどの企業よりも技術が勝っている、市場のリーダーなのです」とのこと。
今のところポッドは制御された環境下でのみ使用が認められているが、公道でも走行できるようウエストフィールドと英国政府は新たなカテゴリーの乗り物として制定しようとしている。
軽量スポーツカー保護にも意欲
「今現在、ポッドは宅配、物流、空港のエアサイドでの移送といった、様々な交通手段を繋ぐために使われています」とターナーは説明する。
「ですが、大気汚染が法規制の40倍を超えていることにより、ロンドン交通局が課金で荒稼ぎしていることを考えてもみて下さい。バーミンガム市も排出量が規制値をはるかに上回っており、市議会が約90億円の罰金に怯えています」
「こういった都市で排出削減目標を達成するにはガソリン車を制限するしかなく、そうなるとポッドの出番がやってくるのです」と彼は続ける。
ターナーはまた、「英国のスポーツカー・シーンは良好な状態にありますが、現時点で多くの懸念事項があります。それは、トラクション・コントロール、エアバッグ、排気などに関する将来の法律やEU離脱問題などです」と言う。
「第一線で活躍し続けるためには、スピードを上げていかなければならないのです。電気とハイブリッド性能に関して当社には15年の経験がありますし、今や自動運転技術も手にしているのでライバルたちよりもはるかに進んでいると言えます。右肩上がりの収益により、当社は多額の資金を新技術に投入することができるのです」とのこと。
前途有望でしかないように聞こえる。
ターナーは、ウエストフィールドのポッドが約300億円を売上げるのではないかと見積もっている。同社がスポーツカーだけを造っていた頃には想像もできなかった額だろう。
とはいえ、ウエストフィールドがそのルーツを捨てて無機質な新交通システムの開発で金儲け主義に走っているわけではないことは何よりも喜ばしい。
ウエストフィールドは、ハイブリッドと電気のドライブトレインへの投資を通じてライトウエイト・スポーツカーの将来をも守ろうとしているのだ。
ターナーと彼のチームはウエストフィールドについて豪語し、バラ色の未来を描いている。有言実行してくれることに期待しよう。
というわけで、スポーツ250に試乗してみた
600kg/256ps スポーツ250試乗記
約389万円のスポーツ250は、セブンと同じスタイルをしたウエストフィールドの最新のスポーツカーだ。4気筒ターボのフォード・フォーカスSTと、マツダMX-5のマニュアル・ギアボックスとディファレンシャルを組み合わせて搭載している。
予想通り、車重が600kgもないクルマに256psのエンジンを搭載すると恐ろしく速いミサイルのように走る。
実際、過給圧がかかったエンジンは2速から3速にシフトアップすると瞬発力を発揮するので、生け垣に突入しないようしっかり目を覚まして運転しなければいけない。
通常こういったライトウエイトカーには高回転で応答性の良い自然吸気エンジンが好まれるが、このクルマに敢えて違うエンジンが積まれているのは、それが自然吸気エンジンに勝る素晴らしい性能を持っているからなのだろう。
さらに、最大回転数まで引っ張ったり、頻繁にギアチェンジしたりする必要がなく、扱いやすいエンジンだと言える。
シャシーの構成もまた実にシンプルだ。事実、スポーツ250はライトウエイト・スポーツカーの中でもGT寄りだ。15インチ・ホイールは丁度よく、サスペンション・ストロークと荷重移動量も大きい。
ただ、シャープで正確なステアリング操作が欲しい場合は、オプションのスタビライザーが欠かせないだろう。
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