米国の評価
マツダといえば赤、赤といえばマツダーー。
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同社は「カラーも造形の一部」という思想を持ち、なかでも赤に特別なこだわりを持つ。「「匠塗」 TAKUMINURI」という独自の三層構造の塗装技術で、量産車でありながら、職人が手塗りしたかのような仕上がりを実現する。
鮮やかで透明感と深みをあわせもつ「ソウルレッド」系統、熟成されたワインのような深い赤の「アーティザンレッド」。それらの色合いに魅了されたのは日本人だけではない。海外メディアはどのように評価しているのか。
米国の自動車メディア「カーバズ(CARBUZZ)」の自動車ジャーナリストであるセバスチャン・セニゾ氏は、「匠塗」として初めて導入されたソウルレッドを、
「おそらく最も優れた主流の自動車ペイントオプションのひとつ」
とし、
「ミアータ(ロードスター)のような控えめな車にも美しく映えるが、プレミアムなフェラーリの仕上げとしても簡単に通用する」
と評す(2022年11月15日付)。同氏はマツダの赤に関して、その構成などを詳しく説明している。このように、
「マツダの赤には高級感がある」
など、値段以上に高く見えると言及している媒体が多い。カーバズでは、ほかにもソウルレッド(クリスタルメタリック)を
「この色がなぜこんなにユニークなのか? 暗い照明の下ではダークチェリー色に見え、直射日光の下では比較的明るく輝く。上品でスタイリッシュ、流行遅れになることはない」
とたたえている(2023年6月3日付)。『ザ・オートピアン』では、マツダが第3四半期の売り上げは31.5%増、年間売り上げは17.1%増と2024年絶好調な理由を、
「その秘密は、マツダが自動車業界において最高の赤の色合いを生み出しているということだ」
「マツダの赤は実物を見ると本当に素晴らしく、金属に光が反射する様子もとても美しい。マツダ、その調子で頑張れ!」
と尻をたたく(2024年10月7日付)。
カナダの評価
一方、カナダの『ザ・カー・ガイド』は、
「ほぼトレードマークとなっている有名なクリスタルレッドメタリック塗装(ソウルレッド系)については警告しておかなければなりません」
と穏やかでない。
「数週間乗っただけで耐久性が不足していることに失望したオーナーもいる」
「簡単なオンライン検索でこの問題を確認できる。さまざまなディスカッション・フォーラムでは、自分の選択を後悔している所有者は珍しくない」
塗装が非常に薄いため、日光を十分に吸収せず、簡単に剥がれたり欠けたりすると説明。特殊な塗りのため修理もほかに比べて複雑という。
「良いニュースとしては、これは2017-2018年モデルにのみ影響するようで、消費者からの苦情が2019年以降大幅に減少」
「中古で買う場合は、フロント部分に透明な保護フィルムを貼るのが要検討」
と締めくくる(2022年2月3日付)。
アイルランドの評価
そんな批判もありつつも、やはりマツダの赤の人気は高い。
アイルランドのメディア『コンプリート・カー・アイイー』は、
「過去10年間、マツダ車を購入する際、平均して33%の顧客がソウルレッドまたはソウルレッドクリスタルを選んだ」
さらに、
「チェコ共和国では、マツダ車の45%が赤で販売されるという記録を打ち立てた」
「ルーマニアとスロバキアが40%。アイルランドでは、顧客の27%強がソウルレッドを選んだ」
と、マツダの赤がいかに憧れられ、支持されているのか、驚異的な数字で知らせている(2024年3月1日付)。
高級系、白・黒・灰・青が主役
世界的に見て、赤はどれだけ人気なのだろうか。BMWのカラー&マテリアルデザイン責任者、アネット・バウマイスター氏は、
「色は車のキャラクターに影響を与える」
と指摘しつつ、
「ホワイトは依然として世界ナンバーワンであり、シルバー、レッド、ブラックがそれに続くが、グリーンとブルーへのムーブがありました」
と話す。
「数年前、突然、ホワイトブームが起こりました。それは現代的で純粋なアプローチでした」
「今は、グレーがかった単色が多くなっています。グリーンとブルーについては、光の当たり方によって見え方が異なり、より洗練されています」
高級車についてはどうか。高級車のディーラーを長年務めるマーティン・ローラー氏は、
「中核となる高級カラーがある」
としつつ、
「ここ数年で私たちが気づいたのは、ラグジュアリーマーケットには四つの中心となる色があるということです。それはホワイト、ブラック、グレー、そしてブルーの色合いです」(2023年10月7日付、豪『CarExpert』)
世界的に見ても、赤が人気なのは間違いない。しかし、高級感があるとされる4色のなかには赤は含まれていない。
皆さんは、これらの意見についてどう考えるだろうか。
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