RX-8生産終了から11年、MX-30ロータリーEVの登場でついにロータリーエンジン車が復活。そこで、マツダの魂であるロータリーエンジンを搭載した数々の名車を振り返る!!
※本稿は2023年9月のものです
文/片岡英明、松田秀士、国沢光宏、渡辺敏史、写真/ベストカー編集部、マツダ
初出:『ベストカー』2023年11月10日号
RX-7にコスモスポーツ……歴史は半世紀以上!! 11年ぶり復活で振り返るマツダ「ロータリーエンジン」搭載の名車たち
■半世紀以上の時を歩むロータリーエンジン
コスモスポーツ(1967年)。夢のREは難産の末にコスモスポーツに搭載され、1967年5月に登場した。10A型は単室容積491ccで、世界初の2ローターREである。モーターのように滑らかに回り、後期型はさらにパワーアップした
マツダは、その時代の環境性能と安全性能を最高レベルに引き上げつつ持続可能(サスティナブル)な未来の実現に向け、魅力的な自動車を開発し続けてきた。また、すべての人に「走る歓び」を届ける努力もしている。
その実現のために常識を覆す技術革新を行い、常に世界一を目指してきた。マツダの技術革新の象徴、それはロータリーエンジン(RE)だろう。
オート3輪の分野で成功を収めたマツダ(当時は東洋工業)は、1960年代を前に4輪業界への参入を発表した。後発のマツダが生き残るためには、革新的な乗用車を出す必要があった。
そこで注目したのが未知のREだ。西ドイツのNSU社と技術提携を結び、バンケルREに関する研究に乗り出した。
苦難の末に10A型REを完成させ、1967年5月に流麗なフォルムのコスモスポーツを発売に移している。第2弾としてファミリアロータリークーペを送り出し、REの裾野を広げた。また、ルーチェロータリークーペには新設計のREを積んで発売する。
マツダは1970年代を「ロータリゼーション」の時代とし、積極的に仲間を増やしていく。カペラやサバンナを加え、高性能なスポーツワゴンや高級車のロードペーサーなども投入した。排ガス対策にも熱心に取り組んでいる。
コスモAPはREの新境地を切り開いた。だが、オイルショックの到来によって燃費の悪いRE搭載車は「ガスイーター」の汚名を着せられる。起死回生のREスポーツとしてサバンナRX-7を送り出し、これが大ブレイク。燃費改善も推進した。
■スポーツモデルに絞り込み高性能をアピール!!
サバンナRX-7(2代目)。1985年秋、13B型REターボを搭載し、鮮烈なデビューを飾ったのが2代目のRX-7だ。リアサスも独立懸架のセミトレになり、ハンドリングに磨きをかけた。特別限定車の∞(アンフィニ)は、さらに刺激的
1985年秋には全車をREターボとした2代目RX-7を発売。この頃からREの高性能を強くアピールできるスポーツモデルだけに絞り込んだ。3ローターREのユーノスコスモや3代目RX-7を放っている。
1991年、4ローターの高性能REを積むマツダ787Bがル・マン24時間レースで優勝した。
21世紀には4ドアスペシャルティのRX-8を投入。これが最後かと思われたが、発電用エンジンという新発想でREが甦る。REは新たな歴史を歩み出したのだ。
■松田秀士が選ぶ1台は?
サバンナRX-3(12A型エンジン)
12Aエンジンはとにかく天井知らず、高回転まで回るモーターのようなフィールを持ち、振動も少なく、どの回転域でも淀みなくフラットなトルクが特徴。ロータリーエンジンはどんな高性能4ストロークエンジンよりも明らかにレスポンスで優れていた。
そんな12Aを搭載したサバンナRX-3は、外観もフロントフェイスの巨大な開口部が迫力満点!
アクセル全開にすれば、独特のロータリーサウンドがキャビンに轟く。FRそのものともいえるリアの挙動で、ステア操作よりも右足でコントロールする操縦性も快感だった。
■国沢光宏が選ぶ1台は?
初代サバンナRX-7(12A型エンジン)
どう考えてもSA22Cでしょう。というか自分で乗っていたというのが一番大きいです。学生の頃、バイクとクルマは国産で一番速いヤツを揃えようと、GSX750EとRX-7を買ったのでした。RX-7は燃費超悪かったけれど、運転の練習にはぴったり。
このクルマで運転が上手になったと思っている。加えて激しくロータリエンジンが好きだったりして。高回転まで引っ張った時の「ぶ~ん」という独特の雰囲気が素敵です。
一部でマツダ嫌いだと思われている私ながら、学生時代は大好きなメーカーでしたね。だから期待値大きい?
■渡辺敏史が選ぶ1台は?
3代目RX-7(13B型エンジン)。REは1999年に280psまでパワーアップした
FD3Sの美点といえば、まず挙がるのが見てくれです。ロータリーの小さなマスと軽量化への執念が絡み合ったその美しさは空前絶後、ロータリーの金字塔といっても過言ではないでしょう。
そして走り。スッパスパに曲がるけど、そのぶんどこか繊細で、アウトとセーフのキワキワのところを探りながら曲がる、そのヒリヒリした感じが、回転でパワーを引っ張り上げる線の細いロータリーの加速感と巧く噛み合ってるんですよね。ともあれ代わりのない、唯一無二の快感を与えてくれるクルマです。
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みんなのコメント
当然ガレージも無ければ持ち家も無い、さらに配偶者も居ない孤独な中年だ<(*¯꒳¯*)>