積算6970km 街の景色へ溶け込む控えめさ
速いクルマが砂埃で汚れていると、しっかり走り込まれた印象を受けて筆者は嫌いではない。しかし、鳥の糞は別問題。そこでロンドンの北に位置する、手洗い洗車を得意とする専門ショップを訪れてみた。
【画像】好バランスなBEV アウディeトロンGT 技術を共有するタイカン Q8 eトロンも 全132枚
長期テストのアウディeトロン GTは、想像以上に汚れていた様子。驚くほどの艶を取り戻した。帰り道は、アウディA7のように街の景色へ溶け込んだように感じられた。この控えめさが気に入っている。本当は、快音を奏でるR8の方がもっと好きだけれど。
積算7580km EVへの当初の不安は消え去った
アウディeトロン GTの長期テストが始まってから数か月。バッテリーEVとの暮らしが混乱したものになる、という心配は殆ど消え去っている。筆者は、その事実に驚いている。自宅はアパートで、充電できる環境がないにも関わらず、だからだ。
実際のところ、さほど大変な思いはしていない。筆者のライフスタイルを知っている知人も感心している。彼らは、アレコレ悩むことへ期待していたようだが。他人の不幸は蜜の味というのは、どこの世界でも変わらない。
この付き合いやすさを生んでいる理由は、eトロン GTが充分な航続距離を備えることと、モニターに表示される予想の航続距離が正確だから。特に、ドライブモードをエフィシエンシーにしている時は、かなりの精度で当初の想定距離を走れる。
リアアクスル側に組まれた2速オートマティックは、ロングなギアに固定され効率を高め、エアスプリングは車高を落とし空気抵抗を小さくする。速度抑止用のスピードバンプを乗り越える時は、フロントスカートをこすりがちになるが、見た目も良くなる。
家族で唯一のクルマとして所有も可能
気温の上昇とともに、航続距離は伸びている。93.4kWhの容量を持つ駆動用バッテリーを100%まで充電すると、現在得られる距離は426kmほど。更に大容量のバッテリーを積むBMW iXには及ばないものの、普段はほぼ困らない数字といえる。
充電ステーションも、最近は利用者が増えつつあるが、長く待たずに利用は可能。ただし、急速充電能力を発揮させるほど高速な充電器は殆どない。利用料金が1kWh当たり0.65ポンド(約118円)と安くはないから、あえて選びたいとも思わない。
大抵の場合、充電ステーションに到着してから5分以内に充電を始められ、20分後には再出発できる。不便さを感じないで済む待ち時間といっていい。
家族で唯一のクルマとして、eトロン GTを所有できるだろうか。今までの経験での答えは、ほぼイエス。
だが、eトロン GTをメインのクルマとして乗りつつ、ガソリンで走るコンパクトカーもセカンドカーとして所有する、というのがベストなソリューションかもしれない。長距離ドライブの翌日、駆動用バッテリーの残量が乏しい場面で、きっと役に立つ。
英国では、2008年式のフォード・フィエスタなどが、バックアップ車両として最適だろう。eトロン GTのオプションをいくつか諦めれば、所有できる価格帯で売られている。
機能美溢れるリア・サスペンション
さて最近、eトロン GTはタイヤを外す機会があった。スローパンクの傾向があり、タイヤショップで見てもらうと、トレッド面の中央にビスが刺さっていた。幸い、修理可能な部分だった。
作業時はリフトアップされ、eトロン GTの下側を観察する絶好の機会になった。排気系などがないおかげで、駆動用バッテリーが敷き詰められたシャシーの底面は、完全なフラット状態だ。
リアのディフューザーはかなり大きい。コントロールアームには、空気の流れを整えるフィンが付いている。いずれも、航続距離を1kmでも伸ばすために有用なアイテムなのだろう。
リア・サスペンションは、機能美に溢れる。複数のリンクが交錯し、構造を理解することは難しい。アッパー・コントロールアームは、エアスプリングを避けるように滑らかにカーブを描く。ボディとのクリアランスを保つため、斜め下方にえぐられてもいる。
後輪操舵システム用の電動アクチュエータとのリンケージも組み込まれ、ロワー・ウイッシュボーンは巨大。アンチロールバーとダンパーが、その隙間に収まっている。この複雑な構成で、一般道でのしなやかな乗り心地を叶えているわけだ。
殆ど隙間がないように見えるが、お互いが干渉せず、ボディに当たることなく、タイヤが上下に動くことへ感心する。マクラーレンの技術者へ写真を見せると、こう呟いた。「ポルシェの最近のリア・サスペンションは、見事なパッケージングですね」。と。
テストデータ
気に入っているトコロ
カタパルト発進のような加速:530psと65.1kg-mを発揮することは殆どない。しかし、追い越しはあっという間に完了できる。
気に入らないトコロ
ピアノブラックの内装トリム:グローブボックスには、メガネクロスを常備している。センターコンソール周辺の内装トリムやタッチモニターには、盛大に指紋が残る。
テスト車について
モデル名:アウディeトロンGT フォアシュプルング・クワトロ(英国仕様)
新車価格:11万2850ポンド(2031万円)
テスト車の価格:11万6315ポンド(約2093万円)
テストの記録
航続距離:426km
電費:4.5km/kWh
故障:スローパンク(30ポンド:約5000円)
出費:なし
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みんなのコメント
昨今はクーペ謳ってるクーペ風が多くてサイドを見比べるとコストのかかり方に差を感じますね。
繋ぎ目が少なくて素晴らしすぎる。