現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トラックとターボは切っても切り離せない関係! 燃費とパワー&トルクを両立するダウンサイジングディーゼルターボが万能選手だった

ここから本文です

トラックとターボは切っても切り離せない関係! 燃費とパワー&トルクを両立するダウンサイジングディーゼルターボが万能選手だった

掲載 22
トラックとターボは切っても切り離せない関係! 燃費とパワー&トルクを両立するダウンサイジングディーゼルターボが万能選手だった

 この記事をまとめると

■ターボチャージャーは過給機を指す言葉

【今さら聞けない】ターボって何ですか?

■多くの乗用車やトラックに採用されている

■乗用車とトラックのターボの違いについて解説

 1980年以降ターボ搭載車が次々登場

 ターボチャージャーとは過給機のこと。日本では1980年ごろに高級乗用車に搭載されたのが最初である。エンジンの排気ガスを利用してタービンローターを回転させ、その力で空気を圧縮してエンジンに空気送り込むという仕組み。これにより、エンジンの吸入空気量を増やして出力向上を図るわけだ。

 この技術は、もともと機関車、航空機、船舶を対象として開発されたもので、これらのエンジン出力向上を目的としていた。それまでの技術では「エンジン出力向上=排気量増加」が基本的な考え方であったため、必然的にエンジンが大型化する。結果として、重量の増加や燃費、環境の悪化につながっていた。こういった問題を解決(ただし、自動車用ガソリンターボ車は、異常燃焼、早期着火によるノッキング対策で燃費が低下する)するには、うってつけの技術であったといえよう。

 日本の自動車税は排気量を基準としてランク付けがなされており、2リッターがひとつの区切りになっている。また、1980年ごろからバブル経済崩壊期にかけて、ハイパワー車のブームが到来していた。こういった背景から、その時期に2リッターを超えない高出力車の需要が高まったことで、1980年以降にターボ搭載車が次々に登場したのだ。

 自動車のターボチャージャーは使用目的が「エンジンの高出力化」にあったため、バブル経済崩壊以降は、 ・2リッター超えの自動車が一般化(バブル経済期の申し子)し、ターボによる高出力化の需要が低迷 ・景気の悪化や省燃費機運の高まりという社会的背景 などにより徐々に下火になっていった。これに対して、ディーゼルエンジンはターボチャージャーと相性がよく、トラックや建設機械には現在に至るまで積極的な搭載が続いている。

 環境問題への対策としてディーゼル車をターボ化

 一方、1999年に当時の東京都知事がディーゼル車の公害問題を可視化したことで、ディーゼルトラックの環境問題が大きくクローズアップされた。当初は排気ガス処理技術が中心であったが、バブル経済崩壊以降から続く不況で、トラック業界では省燃費を求める声が高まっていった。そこで、排気量を下げるダウンサイジングが注目を浴びるようになったのである。

 これは、ベースとなるエンジンの排気量を下げることで、使用燃料の減少、排出ガスの抑制を図ろうというものだ。ただ、前述のとおりターボは低回転域では威力を十分に発揮できない。そこで、可変ノズルターボが登場したのだ。これは、エンジンの回転数に応じて排気タービンハウジング内の排気ガス通路面積を変化させることで、過給効果を高める仕組み。エンジンが低速回転をしているときには排気ガスの流速を上げて過給効率を高め、高速回転時には流速を下げて損失を減らす効果がある。

 このターボチャージャーと、ダウンサイジングしたディーゼルエンジンを組み合わせることで、低回転域から高回転域に至るまで必要なパワーを生み出せるようになったのだ。また、ターボチャージャーは減速後に再加速した際、コンプレッサーが機能するまでの遅延時間(ターボラグ)が発生した、これにより、部分的な空気不足が発生することからPM(粒子状物質)が多く発生していたが、これも同時に解決したことで環境対策にもなっている。

 将来期待されている大型トラックのEV化は、必ずしも明るい見通しというわけではない。世界的な化石燃料不足や環境問題を抱えながらも、当面はディーゼルトラックが陸上物流を支えなければならないのだ。こういった技術の進化によって、少しでも環境負荷が小さいディーゼルトラックが、生み出されることを願ってやまない。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
くるまのニュース
 今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
バイクのニュース
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
AUTOSPORT web
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
Auto Messe Web
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
レスポンス
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
motorsport.com 日本版
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
WEB CARTOP
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
乗りものニュース

みんなのコメント

22件
  • roa********
    ダウンサイジングターボ化された大型車に乗っていますが、従来の大排気量エンジンと比較して明らかにトルクが細くなり、燃費もそれほど変わっていないと感じます。また、エンジンブレーキの利きが非常に悪く、あんまり良いものじゃないと感じています。
  • reg*******
    いまさらV8とか大排気量に戻れないにしても、重量級の車をまともに走らせるにはある程度の排気量は必要だと思う。
    ダウンサイジングターボ仕様のカタログスペックは大抵は必要充分な数値をもつが、乗ってみると低速トルクが細い、荷物を満載にすると粘りがない、排気ブレーキが弱いといったものが存在する。決して欠点なき万能選手ではない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2550.02800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ターボの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2550.02800.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村