「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「スバル エクシーガ 2.5」だ。
スバル エクシーガ 2.5(2009年)
レガシィの走りの良さはそのままに、3列シートをパッケージングしてミニバンとしたエクシーガ。これまで(編集部註:2009年秋)は、パワーユニットは2Lの自然吸気版と同ターボという設定だったが、今回、新たに2.5Lエンジンが追加された。エンジンそのものは新開発とかではなく、レガシィにも採用されている2.5Lの水平対向4気筒SOHCだ。
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パワースペックは、最高出力が170ps、最大トルクが23.4kgmという必要十分なものだ。しかも、このモデルの最大のポイントはエコカー減税の対象車であるということ。つまり、走りと経済性を両立させているわけだ。
ターボモデルの2.0GTの車両価格(税込)が283万5000円なのに対して、この2.5Lを搭載した2.5i-Sは装備が充実した「アルカンターラセレクション」でも267万7500円。減税分と補助金が最低20万円強加わると考えれば、ざっと見積もっても実質40万円近くの価格差となる。これは、けっこうお買い得といえるだろう。
実際に乗ってみると、この2.5Lモデル、意外なほどよく走る。トランスミッションが2Lターボは5速トルコンATなのに対して、2.5LはリニアトロニックCVTを採用している。自然吸気エンジンならではの粘り強さで、発進加速は自然で力強い。このCVTはレガシィでの投入以降、日々進化している。レガシィに搭載されたばかりの初期のものに比べると、加速時の変速はジワッと滑らかだ。低速トルクも十分なことから、スムーズに加速をしてくれる。めったにやる機会はないだろうが、全開走行をするような領域以外では、スペックの差はあまり気にならないだろう。
今回、同時に2Lターボ車も比較試乗することができた。パワースペックは225psと33.2kgmもあり、しかもトランスミッションはトルコンATゆえに一定速からの加速で変速しやすく、アクセルペダルを踏み込めばてすぐに追従してくれる。それゆえ力強さのインパクトはあるものの、ミニバンとして家族を乗せての加速感として考えると、少々荒々しい印象を受けてしまう。
ハンドリング的には、2.5Lモデルのフロントの動きは実に軽快だ。そもそも、エクシーガの乗り心地はカドがなくストローク感あるもので、なかなか魅力的だった。さらに2.5Lモデルでは、フラット感のあるすっきりとしたフィールのタイヤを履くことで、快適性と走りの良さを両立している。
乗り比べて、あらためて感じられたポイントは、2.5Lモデルは2Lターボ以上に実用域では力強さがあること。ハンドリング性能においては、重量バランスの良さから正確さはピカイチだった。しかも、エコカー減税対象車ということであれば、存在価値は実に高い。現時点では、エクシーガのベストチョイスは、この2.5Lモデルだといえるだろう。
■エクシーガ 2.5i-S アルカンターラ セレクション 主要諸元
●全長×全幅×全高:4740×1775×1660mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1620kg
●エンジン種類:水平対向4 SOHC
●排気量:2457cc
●最高出力:125kW<170ps>/5600rpm
●最大トルク:230Nm<23.4kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:12.6km/L
●タイヤ:215/50R17
●当時の価格(税込み):260万4500円
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みんなのコメント
年々モデルが減っていってますね。
このエクシーガと後継のクロスオーバー7は、前列シートの
シートバック(背もたれ)が比較的低く設計されていて、
前列シートを一度前方に出してシートバックを目一杯倒すと、
2列目シートの座面までほぼフラットにできるように
なっていました(ちょっと説明しにくいですが…w)
車内でゆっくり一休みしたい時などには、大変重宝する
シートアレンジだったのではないでしょうか。
3代目までのインプレッサやフォレスター等も前列シートは
同じものだったと思いますので、同様のシートアレンジが
出来たのではないかと思います。