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まさに「羊の皮を被った狼」と呼ぶにふさわしい! 異色の高性能軽自動車3選

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まさに「羊の皮を被った狼」と呼ぶにふさわしい! 異色の高性能軽自動車3選

■4気筒エンジン+過給機を搭載した高性能でユニークな軽自動車を振り返る

 1987年に登場したスズキ初代「アルトワークス」は、550cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載し、最高出力64馬力を発揮しました。以来、64馬力は軽自動車の馬力自主規制値の上限となり、今も続いています。

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 近年、軽自動車の売れ筋はトールワゴン/ハイトワゴンという状況で、各メーカーもそのジャンルに注力していますが、かつてはバラエティに富んだラインナップが展開されていました。

 そんななか、軽自動車はエンジン性能がほとんど横並びということから、エンジン以外の部分で勝負した時代もあり、ハイスペックな軽自動車でも個性的なモデルも存在。

 そこで、異色の高性能軽自動車を、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「セルボモード SR-Four」

 前述のとおりスズキは軽自動車のパワー競争において、アルトワークスでライバルから大きなアドバンテージを得ました。

 しかし、すぐに他メーカーも追従してエンジン出力が横並びになると、スズキはアルトワークスとは異なる路線の高性能モデルを開発。それが1990年に登場した「セルボモード SR-Four」です。

 セルボモード SR-Fourはアルトワークスを上まわるハイメカを搭載したモデルで、一見するとシックなデザインの軽ハッチバックですが、エンジンは最高出力64馬力の660cc直列4気筒DOHCターボ「F6B型」を搭載。

 このエンジンは軽自動車では初の4気筒DOHCターボであり、スズキ車のなかでも搭載したのはセルボモード SR-Fourのみと、今では考えられないほど贅沢な仕様でした。

 また、タイヤはピレリ製を装着し、後期型では4輪ディスクブレーキにアップデートされるなど、当時の軽自動車のなかでもかなり充実した装備を搭載。

 もともとセルボモードは軽スペシャルティカーという位置づけでしたが、これほど凝ったエンジンを搭載した経緯は、バブル景気という時代背景も影響していたと考えられます。

●スバル「プレオ RS」

 現在は軽自動車の生産から撤退してしまったスバルですが、1958年に誕生した「スバル360」を原点として、これまで数多くの魅力的な軽自動車を輩出してきました。

 そのなかの1台が1998年に誕生した初代「プレオ」で、他メーカーに先行されていたトールワゴンのカテゴリーに参入した同社初のモデルでした。

 外観の特徴は6ライトウインドウのキャビン、やや長めのボンネットで、商用バンも含め幅広いグレードを設定していました。

 搭載されたエンジンは全グレードとも660cc直列4気筒で、SOHCの自然吸気エンジン、SOHCの低過給圧スーパーチャージャーエンジン、SOHC高過給圧スーパーチャージャーエンジン、そしてトップグレードの「プレオ RS」には最高出力64馬力のDOHC高過給圧スーパーチャージャーエンジンの4種類という軽自動車ながら贅沢なラインナップを展開。

 また、プレオ RSはハンドルのスイッチでシフトアップ&ダウンが可能な、世界初の7速マニュアルモードを採用したCVTを搭載し、ブレーキもフロントにベンチレーテッドディスク、リアにソリッドディスクの4輪ディスクブレーキが奢られ、さらに4輪ストラットで独立懸架の足まわりも専用にチューニングされるなど、トールワゴンながら走りにこだわったモデルでした。

●三菱「パジェロミニ R」

 三菱は1990年代に、本格クロスカントリー4WD車の「パジェロ」によって、RVブームをけん引してしました。そこで、さらにパジャロシリーズ拡大を企画し、1994年に軽自動車の「パジェロミニ」と、1995年にパジェロミニをベースとした登録車の「パジェロジュニア」を発売しました。

 パジェロミニはスズキ「ジムニー」に対抗したモデルとして開発され、ジムニーがラダーフレームだったのに対し、パジェロミニはモノコックフレームをベースにラダーフレーム状の補強を追加して強度を上げ、オフロード走行に対応していました。

 そして、1998年には2代目にフルモデルチェンジし、1999年に異色の高性能モデルといえる「パジェロミニ R」が登場。

 パジェロミニ Rの駆動系はFRの2WDのみで、ボディも質実剛健な4WDモデルと異なり、都会的なデザインのフロントフェイスや専用のスペアタイヤケースを装備し、スタンダードなパジェロミニに対して40mmローダウンしたサスペンションを採用するなど、オンロード走行を重視したモデルです。

 また、エンジンは「ミニカ ダンガン」譲りの64馬力を発揮する660cc直列4気筒DOHC 5バルブターボを搭載しており、スペックと見た目のアンバランスさがユニークでした。

 ちなみに、3代目ジムニーも2WDのモデルが設定されましたが、こちらは女性ユーザーをターゲットしたファンシーなモデルとなっていました。

※ ※ ※

 スズキは2021年12月10日に、9代目となる新型「アルト」を発表しました。WLTCモード燃費では軽自動車トップの27.7km/Lを達成するなど優れた経済性をアピールしていますが、シリーズで初めてMT車がラインナップから消滅したことも話題となっています。

 また、今のところ新型アルトワークスについての情報も、まったくありません。

 ホンダ「S660」も2022年3月で生産を終える予定となっているなど、もはやスポーティな軽自動車が売れる時代ではないということなのでしょう。

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みんなのコメント

4件
  • なぜミニカダンガンZZを入れない?
    アレこそ異色だぞ!
    なんたって5バルブだからな!
  • SR-FOUR乗ってたけど初心者だったので、ショートストロークで低速トルクの細いエンジンに初めは手こずった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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