2024年新たに発足したカートレースの新ROTAX MAXシリーズ“EXGEL MAXチャンプ”は後半戦に突入。6月23日にはジュニア/シニアの第4ラウンドが鈴鹿サーキット南コースで開催された。
梅雨入りに伴い鈴鹿も天候が不安定なレースウィークとなり、決勝日も終日降雨が予想されていた。迎えた決勝日は雨の切れ間の曇天の下セッションがスタートし、いつ雨が再び落ち始めてもおかしくないコンディションでレースが進行していった。
■加藤大翔が描くF1挑戦に向けた“人生設計図”。2024年参戦のフランスF4では「大バトルよりもブッちぎるレースを見せたい」
これまでの3大会では、ジュニアクラスで澤田龍征が2勝、楠本心真が1勝を挙げ、ポイントランキングでは澤田が大きくシリーズをリード。シニアクラスではクインティン・ルゥが2勝、津野熊陵大が1勝でポイントはクインティン・ルゥが圧倒的に優位に立った。
セッション毎にトラックのコンディションも読めない中、各チームの戦略やドライバーの適応力に注目が集まる大会となった。
ジュニアMAX
雨が上がりほぼドライ路面となった朝の公式予選で、トップタイムを叩き出したのは坂野。2番手タイムの松本聖生に0.261秒の差をつけてみせた。3番手には常に上位に入る実力をつけつつある横山輝翔が続いた。
シリーズをリードする澤田は坂野から1秒近く離されての7番手にとどまり、前大会優勝の楠本も予選12番手と出遅れた。トラックコンディションも影響してか、予想外の順位に沈むドライバーも少なからず見られる予選となった。
予選ヒートでは、ポールスタートの坂野が抜群の蹴り出しを決めた一方、セカンドスタートの松本は大きく順位を落としていく。オープニングラップの1-2コーナーをトップで抜けていく坂野の背後を、3番手スタートの横山がピッタリとマーク。さらにその後方の3番手には7番手スタートから一気に順位を上げた澤田が続き、序盤はこの3台がトップグループを形成していった。
予選ヒート中盤には澤田が先行する2台を次々と抜きトップに浮上。しかしリードを保つことはできず、2番手の横山に再び逆転されるとトップグループは7台1パックの大混戦となった。
熾烈なバトルはファイナルラップまで続き、混戦から抜け出した澤田がトップチェッカー。2位には横山を仕留めた徳岡大凱、見せ場を多く作った横山は3位で予選ヒートを終えた。
決勝で好スタートを決めたのはセカンドスタートの徳岡。ホールショットを決めた徳岡を2番手澤田、3番手楠本、4番手南崎高志が追う。予選ヒートで見せ場を作った横山はオープニングラップで大きく順位を落とした。
序盤から徳岡と澤田が激しいトップ争いを繰り広げる後方で、一旦順位を落とした横山が3番手まで順位を回復。4番手の楠本と5番手の前田蒼介までが1パックとなり激しいポジション争いが繰り広げた。
後半に入るとトップ5に坂野が追いつき、次々とライバルたちをオーバーテイク。ファイナルラップで2番手に浮上すると、最終ラップの最終コーナーでトップの澤田にクロスラインを仕掛けていった。
フィニッシュラインではほぼ横並びの状態となったが、僅かに前に出た坂野がトップチェッカー。2位の澤田とはなんと0.009秒差という僅差で、坂野がMAXチャンプ初優勝を飾った。3位には9番手からスタートした白石麗が入り表彰台の一角を占めた。
■坂野太絃コメント:
「まずは今回メカニックをしてくれたKP BUZZ監督の塚本さん、最高のエンジンを作ってくれたMOMOXの白桃さん、そして応援してくれた皆様ありがとうございました」
「今回は公式予選がうまくいき、今まで課題にしていた1発のタイムを出すことができました」
「決勝は一旦ドロップしてから必死に追いかけました。最終ラップは先の展開を予測しながら冷静に判断ができたと思います。最終コーナーで狙ったラインに飛び込み、そのラインにカートを向けて横並びになりチェッカーを受けましたが、その時は自分が勝ったか負けたかわかりませんでした」
「勝利を確信したのは重量計測所に戻ってきてからでした。これからも夢に向かい突き進んで行きますので応援よろしくお願いします」
シニアMAX
今大会も28台のエントリーを集めたシニアMAXで、公式予選トップタイムをマークしたのは金子准也。同クラスの上位争いに必ず絡んでくる金子だが、公式予選での一番時計は4大会目にして初となった。2番手には小山田隼、3番手にはポイントリーダーのクインティン・ルゥがつけた。
好天であった前回大会と比較するとポールタイムは約2秒落ちで、路面コンディションの難しさがタイムにも如実に表れていた。
予選ヒートで好スタートを決めたのはセカンドスタートの小山田。1コーナーで金子を捕えトップに浮上した。2番手にはクインティン・ルゥが続き、ポールスタートの金子は3番手まで順位をドロップした。
オープニングラップのS字コーナーではトップの小山田にクインティン・ルゥが後方から接触。小山田はここでリタイヤとなってしまった。
トップに立ったクインティン・ルゥは序盤から2番手以下とのギャップを築く。2番手には5番手スタートから浮上してきた松本がつけクインティン・ルゥを追うも届かず。予選ヒートトップチェッカーはクインティン・ルゥ。2位松本、3位金子、4位は冨田蓮となったが、クインティン・ルゥにはペナルティが科せられ2位以下の順位が繰り上げとなった。
繰り上げで決勝ポールスタートとなった松本は、1-2コーナーの攻防で3番手までドロップ。代わってトップに立ったのはセカンドスタートの金子だった。
一旦順位を落とした松本だったが、序盤に再びトップに立ち2番手金子とのギャップを保つ。その後方では9番手スタートの酒井龍太郎が大きく順位を上げ、金子を追う展開となった。
勢いのある酒井はトップの松本も捕えることに成功するが、そのトップ争いに金子と門田翔成も加わり4台による熾烈なバトルに発展した。
レース終盤にはトップの松本と2番手酒井の一騎打ちの様相となり、最終ラップの最終コーナーまで接戦が続いたが、僅差でトップチェッカーを受けたのは松本。念願のMAXチャンプ初優勝を遂げた。2位には今大会の台風の目となった酒井、3位に金子が入った。
予選のペナルティで24番手スタートとなったクインティン・ルゥは決勝で追い上げ、7位でレースを終えた。
■松本琉輝斗コメント:
「いつ雨が降り出すかわからない難しいコンディションでしたが、優勝することができとても嬉しく思います。いつも指導してくださるHRS代表の服部さん、メカニックの山口大耀君のサポートに感謝しています。次回最終戦も優勝できるように全力で頑張ります!」
EXGEL MAXチャンプの大きな賞典である日米交換留学は、8月の鈴鹿大会にアメリカ選抜を招き、同じく8月にアメリカで開催されるUS TROPHY FINALに日本選抜ドライバーを派遣する枠組みとなっている。
今回、各クラス1名選出される日本代表はジュニアが澤田、シニアはクインティン・ルゥに決まった。既に瑞浪サーキット開催の4ラウンドを経てミニクラスの代表に選出された林樹生を加え、3名のドライバーが初めてアメリカに渡り、北南米のトップクラスのドライバーたちに挑むこととなった。
日本で今シーズン圧倒的な強さを見せてきたこの3名がアメリカでどのような戦いを見せてくれるのか、注目したい。
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