2023年10月にマイナーチェンジを受けた、スバル レヴォーグ&WRX S4。新世代アイサイトを装備するなど、安全装備を充実させたが、価格も上昇した。このマイナーチェンジは値段相応のものだったのかを評価する。
※本稿は2023年12月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/SUBARU
初出:『ベストカー』2024年1月10日号
レヴォーグ&WRX S4は新世代アイサイト採用!! 廉価グレード廃止に値上げ……マイチェンは価格相応なのか!?
■新世代アイサイトへ変更されたが「GT」「GT EX」が廃止
現行の2代目レヴォーグは2020年10月に登場。2023年10月の一部改良は3回目の改良となる
2023年10月の改良で注目すべきは、新世代アイサイトの装着だ。従来のステレオカメラに加えて、視野の広い単眼カメラも備わり、衝突被害軽減ブレーキなどの性能を向上させた。デジタルマルチビューモニターは4つのカメラ映像を合成して車両の周囲360度を映す。
その一方でベーシックグレードのGTやGT・EXは廃止された。したがって以前は310万円少々のグレードを選べたが、今は全グレードが360万円を超える。
GT-H・EXの価格は、以前は370万7000円だった。それが今は379万5000円だ。新世代アイサイトなどの採用で、8万8000円値上げされた。
安全性の向上を考えると妥当だが、GT・EXが廃止された結果、ハンズフリーオープンパワーリアゲートなどが不要なユーザーには、ムダな装備が増えて価格も高めている。
●2023年10月改良の主な変更点
・広角単眼カメラも備えた新世代アイサイトを装備
・デジタルマルチビューモニターに新機能を追加
・ハーマンカードンサウンドシステムを装備または設定
・マイチェン充実度:★★★☆☆
・価格:379万5000~502万7000円
■値上げ幅は安全装備などの充実度を考えると妥当
2021年10月に発売された現行型のWRX S4。2023年10月の改良では先進安全装備は進化したが、グレードが2モデルに減った
2023年10月の改良では、レヴォーグと同様、新世代アイサイトを装着した。広角の単眼カメラを加えて、視野の拡大など性能を高めている。車両の周囲を360度映すマルチビューモニターなども設定した。STIスポーツR・EXには、ハーマンカードンサウンドシステムも新たに標準装着している。
またグレードは、GT-Hなどが削られて2種類に限定された。全車が高度運転支援システムのアイサイトXなどを標準装着する。
GT-H・EXの価格は、改良前は438万9000円だったが、改良後は8万8000円値上げされて447万7000円になった。この値上げ額は、先に挙げたレヴォーグと等しい。グレードの削減は選ぶ余地を狭めたが、値上げ額は、安全装備の向上などを考えると妥当だ。
●2023年10月改良の主な変更点
・広角単眼カメラも備えた新世代アイサイトを装備
・デジタルマルチビューモニターに新機能を追加
・ハーマンカードンサウンドシステムをSTI スポーツ R EXに装備
・マイチェン充実度:★★★☆☆
・価格:447万7000~502万7000円
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