ミニバンでも走りを諦めない! 実用性と走りを両立する家族思いの救世主、フリード モデューロXのマイナーチェンジモデルが、5月29日発売!
東京オートサロン2020で、初披露された「フリード モデューロXコンセプト2020」が、ついに本格始動。
ホンダの隠れた実力派 インサイトが初マイチェン!! 装備充実&価格据え置きで発売
ほぼ完成系と思われたコンセプトカーであったが、やはりフリード モデューロXのマイナーチェンジ仕様として、市販化されることが発表された。
オートサロンでは、明かされなかった細やかな仕様の変化を含め、新型モデューロXについて解説したい。
文:大音安弘
写真:HONDA
【画像ギャラリー】引き締まったデザインに一新! 写真で詳しく見る「新型フリード モデューロX」
フリードは第4弾! 標準車とひと味違う「モデューロX」とは?
5月29日に発売されたフリード モデューロXのマイナーチェンジモデル
ホンダは、2020年5月28日、小型ミニバン「フリード」に設定するホンダ純正コンプリートカー「モデューロX」のマイナーチェンジを実施し、5月29日より発売することを発表した。
現行型となる2代目「フリード」は、2016年9月に発売。その登場の1年3か月後となる2017年12月、「モデューロX」の第4弾モデルとして、「フリード モデューロX」が初投入された。
フリードは、2019年10月にマイナーチェンジを実施したが、モデューロXの改良は発表されず、東京オートサロン2020にて、コンセプトカーを公開。その登場が待ちわびられていた。
リアスタイルは控え目ながら、テールゲートスポイラーや専用リアロアースカートなども装備され差別化がひと味違うイメージに
近頃、国内自動車メーカーは、純正コンプリートカーの展開に意欲的だ。それらは、走りの質を高める専用パーツを生産ラインで装着することで、価格の上昇を抑えながらも、ベース車とは、一味も二味も違う魅力を提供するクルマたちである。
現在、ホンダが展開する「モデューロX」は、軽スポーツ「S660」、ミニバンの「ステップワゴン」、街乗りSUV「ヴェゼル」、そして「フリード」の4車種をラインアップする。
写真はヴェゼル モデューロX。こちらも見た目はもちろん、中身に至るまで基準車とひと味違うモディファイが加えられている
モデューロXでは、ベース車に対して、サスペンション、エアロパーツ、アルミホイールなどの専用パーツを開発し、トータルチューニングを実施。
シリーズ共通の提供価値として、「意のままに操れる操縦性」「所有欲を満たし、機能に繋がるデザイン」、「視覚、触感、乗り味にまで追求した上質感」を掲げている。
新型フリード モデューロXはどこが変わった?
新型フリード モデューロXのフロントバンパー。新設計の専用フロントエアロバンパーや専用フロントグリル、専用 LED フォグライトを装備
新型フリード モデューロXのコンセプトは、従来型より踏襲する「エモーショナル ツアラー」を掲げる。今回の改良では、その走りに磨きをかけるべく、エアロダイナミクスの改善をメインに実施した。
そこで大役を果たすのが、新デザインとなるフロントバンパーだ。Xの文字を立体的に表現した、よりグラマラスな新形状に進化。標準車と異なる横基調のフロントグリルとの組み合わせが、よりスポーティかつクールなフロントマスクを演出する。
ベース車との差別化が広がられただけでなく、従来型よりも、若々しい雰囲気となった。しかし、ビジュアルよりも大きく発展を遂げているのが、先にも述べたエアロダイナミクス(空力性能)の進化だ。
ミニバンは空力性能より実用性が優先されるもの。それゆえ逆にその部分を強化することが、走りも含めたクルマ全体のパフォーマンスアップにつながる
エアロダイナミクスというと、スポーツカーやレーシングカーを思い浮かべがちだが、自動車開発の重要なファクターのひとつ。
特に空気抵抗の大きいミニバンでは、静粛性や燃費性能、そして走行安定性などの性能を大きく左右する。新デザインのフロントバンパーは、そんなフリード本来の優れたエアロダイナミクスの特性を、最大源に引き出すのが狙いなのだ。
その秘策が新フロントバンパーに設けられた3つのフィンだ。側面の「エアロフィン」、中央下部の「エアロスロープ」、前面の左右下側に設けた「エアロボトムフィン」を追加することで、直進安定性とコーナリング性能を向上させているという。
開発を行ったホンダアクセスでは、この空力効果は、日常の速度域でも体感できると断言する。
実際に、開発車両に試乗した「ドリキン」こと土屋圭一氏も、「よく曲がる」「後ろタイヤが仕事をしている」「従来型よりも、コーナーでタイヤ2個分、内側を走れる」などとコメントしており、その進化に驚いたようだ。
インテリア質感アップ&専用装備も充実
インテリアはブラックを基調にシックにまとめられており、派手さはないがスポーティさも演出する
インテリアの進化は、形状こそ同じだが、シート表皮を変更。従来同様に、プライススムースの生地に加え、シート中央部に採用していた生地をファブリックからスエード調とすることで、体の滑りを抑制し、フィット感を高めた。
カラーもモカからブラックとしたことで、引き締まった印象となり、より質感も高まった。
このほか、専用装備としては、フロントグリル、フロントエアロバンパー、サスペンション、アルミホイール、サイドロアスカート、リアロアスカート、リアエンブレム、ブラック仕上げのドアミラー、ブラックコンビシート、本革巻きステアリング、フロアマットなどを装着。
新アイテムとして、フロントバンパー内にLEDフォグランプとビームライトを新採用している。また標準装備となるETC車載機は、2.0タイプへと進化した。
写真は2列目をキャプテンシートとした6人乗り仕様の室内
ボディカラーは、従来型が白、青、黒の3色だったのに対して、赤を加えた4色に拡大。カラー自体も、ベース車のマイナーチェンジで採用された新色へと移行しており、モデューロXも全て同様に、新色となっている。
パワートレインは、ベース車と共通で、1.5Lガソリンエンジンと1.5Lのハイブリッドシステムの2タイプ。いずれもFF車のみ。フリード自慢のシートレイアウトは、6人乗りと7人乗りの選択が可能だ。
気になる価格は据え置き 走りもイケるミニバンの救世主
今回のマイナーチェンジで新色として加わる「プレミアムクリスタルレッド・メタリック」
気になる価格は、295万200円~327万8000円で、消費税増税分を加味すると、従来型同等が維持されている。
扱いやすい5ナンバーサイズのミニバンとして女性人気も高く、多くのファミリーに愛されるフリード。ただ、実用性は高くとも、クルマ好きにとって物足りなさを覚えるのも事実だろう。
しかし、空気を味方につけることで、しっかりした走りと華麗なコーナリング性能を身に着けたフリードモデューロXは、走り好きなパパにとって、日々の運転を楽しくしてくれる良き相棒となりそうだ。
よりクールな内外装となり、ファミリーカー色も薄められたのも好感が持てる。少しお高い印象もあるが、試乗すれば、お買い得であることを実感できるはずだ。
■ホンダ フリード モデューロX 主要諸元
全長×全幅×全高:4290×1695×1710mm
ホイールベース:2740mm
トランスミッション:7速DCT
パワーユニット:1.5Lハイブリッド(i-DCD)
エンジン最高出力/最大トルク:110ps/13.7kgm
モーター最高出力/最大トルク:29.5ps/16.3kgm
ベースモデル:HYBRID G・Honda SENSING
価格:325万6000円(ハイブリッド モデューロX Honda SENSING)
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