Q8の派生新型ではない、電動のQ8
話が少々ややこしいのは、マイナーチェンジで肝心かなめの車名が変更されていることだろう。
【画像】アウディQ8スポーツバックeトロン55クワトロ Sラインとその他最新アウディの写真を見る 全43枚
アウディ初のフルEVモデルであるeトロンが、デビューから5年で車名を「Q8 eトロン」と改め生まれ変わった。だからこれは既存のQ8にフルEVモデルが追加されたわけではない。実際にeトロンの方がボディサイズはひと回り小さいのである。
2018年のeトロン、そしてeトロン・スポーツバックのデビュー以降、アウディの電動化は着実に進んでおり、現在は10車種にもなる。また2025年に最終の内燃エンジン搭載車をデビューさせたあとはフルEV専業メーカーになることを発表しているのだ。
今回デビューしたアウディQ8 eトロンの前身である、その名もeトロンは全世界で15万台の販売を記録した成功作だ。当初アウディは往年のクワトロと同じようにeトロンの名称を浸透させる狙いで、それをファーストEVの車名にしていた。その役目がひと段落したところで、今回は分類上Q8のシリーズの鞘に納められたかたちとなる。
ボディ形式はQ8 eトロンとQ8 eトロン・スポーツバックという基本的に依然と同じ2種類。グレードも50と55という名称は変わらない。
今回のマイチェンによる変更点は、見た目の部分では車体前後と、フォーシルバーリングスのデザインが変わっている。一方内部ではバッテリーの容量アップに加え、内部の効率も高められており、一充電走行距離は50では+34%(424km)/55では+23%(501km)まで伸びている。
一充電走行距離は、最新EVより少なめに映る
今回我々が試乗したモデルの正式名称はQ8スポーツバックeトロン55クワトロSライン。ボディカラーはマデイラブラウン・メタリックでなおかつグリル等をブラックアウトしたシックなものだった。けれど太陽光の下では真っ黒に見えてしまうのが少々残念。
2時間程度の試乗で、今回のマイチェンの核心たる航続距離の伸びを感じることはもちろんできない。とはいえ一充電あたりの走行距離が600km前後のモデルが増えてきている昨今なので、Q8 eトロン55の501kmというWLTC数値はちょっと弱めに感じる。なにしろ走行距離だけで言えばQ4 40 eトロンの方がWLTC数値576kmと、兄貴分を軽く上回ってしまうのである。
4年前、eトロンが本邦デビューを果たした時の試乗会は箱根で行われた。当時は走行距離が400kmと言われても「まあそんなものかな?」という認識だったし、それよりもガソリンモデルのアウディから乗り換えた時の違和感のなさ、そしていきなりの完成度の高さに驚かされた覚えがある。
今回も走りはじめてすぐに進化の跡が感じられた。それこそ4年前は「さすが床下に敷いた700kgのバッテリーの効果は絶大だな!」と思える特徴的なドライブフィールがそこにはあった。当時はメーカーも「床下バッテリーのおかげで重心が低く~」というセリフを連呼していたし、我々もそれをEV時代の証と思っていたフシがある。だが今回は「それ」があまり感じられなかったのである。
進化の中にアドバンテージ シャープなステアリングレスポンス
最初に感じたのは、思いのほかシャープなステアリングのレスポンスだった。今回のマイチェンではフロントのコントロールアームのブッシュ剛性を上げ、ステアリングのレシオもクイックになっているという説明があったので、その効果が出ているのだろう。
だが誉めるべきは鋭くなったハンドリングを丸く収めるシャシーの側かもしれない。今回さらに重くなった床下バッテリーの存在もほとんど感じられない。まるでよくできたエアサスのガソリンモデルのようにスムーズなロール変化に徹していたのである。
床下バッテリーの重さを敢えてしっかり感じさせるのがEVフィールの第一弾だとすれば、Q8 eトロンは次の時代に突入している? ちなみに少し前に試乗したEQS SUVやEQE SUVはまだ床下重量感が普通に感じられたので、動的質感という部分だけで言えば今回のQ8 eトロンはチューニングの妙を感じさせてくれるモデルだと言えそうだ。
とはいえ現代の日本のEVシーンにおいて、スポーティに走らせた際の挙動に対するプライオリティは高くはあるまい。EVならではの加速感だって普段使いでは無用の長物という人も多いはず。まずは航続距離。それからプレミアムモデルであれば静粛性と乗り心地か?
既存のeトロン、そしてアウディの内燃機モデルのオーナーならばQ8スポーツバックeトロン55の動的質感の高さはすぐに理解できるはず。だが他メーカーのライバルと比較した場合のアドバンテージに関してははっきりと感じることができなかった。
試乗車のスペック
価格:1317万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4915×1935×1620mm
最高速度:-km/h
0-100km/h加速:-
車両重量:2600kg
最高出力:300kw
最大トルク:67.71kg-m
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電圧:397V
総電力量:114kWh
一充電走行距離:501km
タイヤサイズ:255/50R/20(フロント)255/50R/20(リア)
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