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【詳細データテスト】アストンマーティンDBX 速さと洗練性を兼備 標準車より楽しい タイヤは不足

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【詳細データテスト】アストンマーティンDBX 速さと洗練性を兼備 標準車より楽しい タイヤは不足

はじめに

新たな経営陣のもと、新規ビジネスプランを打ち出したアストンマーティンだが、試練のときはまだ続く。前CEOのトビアス・ムアースがコストカットに全力を投入下にもかかわらず、四半期ごとに損失は積み重なっている。しかも、高額な費用がかかる訴訟問題にも直面している。

【画像】写真で見るアストンマーティンDBX 全14枚

しかし、この会社にとってもっとも価値のあるものは、アンディ・パーマー指揮下の大胆な拡大戦略から生まれた最後のモデルとなって生き残っている。SUVのDBXだ。このモデルのセールスはいまだに強く、クルマそのものとしても強みを増している。

そうして登場した新たなバリエーションが、今回のテスト物件だ。アストンに言わせれば、パフォーマンスSUVセグメントの頂点に君臨するモデル、ということになる707だ。

DBXの生産は2020年の夏、ウェールズのセント・アサンで開始された。世界的なパンデミックや部品供給不足もどこ吹く風とばかりの好調な売れ行きで、昨年は3000台以上をロールアウトしている。DBXは、その基本設計であればより決定的な地位を望める。新規設定された707仕様は、そのさらなる地位向上を図るべく用意された。

この新たなフラッグシップは、パワートレインのみならず、サスペンションやブレーキにも大幅な技術の向上がみられる。725psのフェラーリ・プロサングエが出荷されるまでは、純正仕様で世界最強のパフォーマンスSUVの座は揺るがない。

アストン曰く、707は衝撃的な加速タイムを誇るためだけのクルマではなく、使い勝手や運転のしやすさ、一体感や優れたバランスも満遍なく兼ね備えた高級SUVでありながら、並外れたパフォーマンスを発揮できるものであるのだとか。いうなれば「ハンマーのようなクルマが居並ぶセグメントにおけるサーベル」なのだという。その切先の鋭さを、確かめてみようではないか。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

併売されている標準モデルからのアップグレードは、主にボンネットの下にフォーカスしたものだ。車名は、M177型4.0LツインターボV8のピークパワーにちなんだものだ。

通常のDBXやヴァンテージ、DB11にも搭載されるV8をベースに、エンジン内部の改良や、新型のボールベアリング・ツインスクロールターボチャージャー採用で、最高出力は707ps/6000rpm、最大トルクは91.8kg-m/2750~4500rpmと、どちらもランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテすら凌ぐ値を叩き出す。

そのエンジンに連なるギアボックスは9速ATのままだが、通常モデルのそれではなく、メルセデスAMGのスピードシフトに換装。トルクコンバーターではなく湿式クラッチを用い、トルク許容量は高く、変速は早くなり、ローンチコントロールの性能も向上している。

駆動方式は4WDで、通常モデルと同じ電子制御クラッチ式システムは、駆動力を100%後輪へ配分することも可能。それに加えられたのは、ギア比を下げ、強化されたリアの電子制御ロッキングディファレンシャルだ。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。マルチチャンバー式エアサスペンションやアダプティブダンパー、アクティブスタビライザーは、通常モデルからセッティングを変更して装備されている。ブレーキはカーボンセラミックが標準仕様で、ホイールは22インチだが、テスト車が履く23インチがオプション設定されている。

カーボンセラミックブレーキと新型ホイールは、バネ下重量を40kg削減。テスト車の実測ウェイトは2278kgで、2020年に計測した通常モデルのDBXよりピッタリ50kg軽かった。

ボディワークで軽量化が図られた箇所はないが、強化されたV8の冷却性能を高めるべく、ラジエーターグリルは拡大。ダブルベーンとスプリットタイプの横バーは707専用品だ。またテールパイプは、2本出しから4本出しに変更された。リアスポイラーも拡大され、ディフューザーは新設計となっている。

内装 ★★★★★★★★☆☆

DBXの重要なミッションは、アストンマーティン史上もっとも広く万能性があり、高級なクルマとなることだが、それは707でもなんら変わらない。3人乗りの後席は通常モデル同様で、アクセスしやすく、背の高い乗員でも快適に過ごせる。

もちろん、ランドローバーのようにのびのびと過ごせる空間ではないが、十分に心地いい。クッションは短めだが、形状と角度は上々だ。容量が638Lある荷室は、幅も奥行きも十分すぎるほどだが、大型犬が入る豪華なキャリーケースを積むには高さが足りないかもしれない。フロア下にはスペースセーバーを積むスペースもあるが、テスト車には積まれていなかった。

フロントには、新型の16ウェイ調整式スポーツシートが装備される。もも下のサポートはやや足りないが、それ以外は良好だ。やや寝かされ気味に座り、包まれ感や低さを感じさせるが、視界は上々。主要なエルゴノミクスはスポーツカー的ではないが、SUVの多くに比べればスポーティだ。

デジタルメーターディスプレイは、意欲的なグラフィックではないが、なじみのあるアナログスタイルのメーター表示はクリアで見やすく、中央のトリップコンピューターは楽に使いこなせる。

ただし、インフォテインメントはアストンマーティンが想定した以上に早く旧態化してしまっている。センターのインフォテインメントシステムは、メルセデスの旧型入力デバイスを使用しており、ダイヤルと別体のタッチパッドとを装備する。

車載システムを使っている限りは許容できるが、有線のApple CarPlayのみとなるスマートフォンのミラーリングでは、作動ぶりは良好とは言えない。ボタン入力への反応は、インフォテインメントシステムもトリップコンピューターもイライラするほど遅い。20万ポンド(約3300万円)級の高級車であれば、もっと出来がよくてしかるべきだ。

アストンはトランスミッションのセレクターをボタン式にして久しいが、そのポジションはダッシュボードの高い位置にある。ちょっとばかり手が届きにくく、困惑するドライバーもいるだろう。

しかし707は、少なくともセンターコンソールのデザインを改修して、掴みやすい大ぶりのダイヤル式コントローラーを設置。走行モードとギアボックスのモードは、これで選択できる。さらに、サスペンションとエグゾーストのセッティングを個別に調整できるボタンも新設された。

走り ★★★★★★★★☆☆

クラス最高のパフォーマンスを自認するDBX 707だが、そこには疑問の余地があった。原因は、アストンマーティンが選んだタイヤだ。

ライバルたちよりも秋が深まってからのテストとなったが、DBX 707のゼロ加速は、97km/hまでが3.3秒、161km/hまでが7.7秒、ゼロヨンは11.6秒だった。

2019年にテストしたランボルギーニ・ウルスに比べると、0−161km/hは0.1秒速い。固定ギアでの加速でも、わずかながら上回った。しかし、今年テストしたポルシェ・カイエン・ターボGTは、それらを多少ながら凌いでいる。0−97km/hは、アストンの公称値と同じ3.1秒だった。DBX 707では、その数字をマークできなかった。

テストコースの路面はわずかに湿っていたが、このビッグなアストンがトラクションに苦戦することはまったくなかった。ローンチコントロールを用いてのスタートは、目を見張るほど力強く、おまけにリアの沈み込みが、ほどよくドラマティックさを足してくれていた。

しかし、ウルスとカイエンがグリップレベルを高めてくれるピレリPゼロ・コルサを履いていたのに対し、707はスタンダードなPゼロがベース。これが原因で、発進加速タイムはコンマ1~2秒ほど損している。走り出してしまえば、変速ありの80-161km/h加速で、ライバル2台に勝っているのだが。

もっとも、ベンチマークになれるかどうかはともかく、強烈なホットロッドであるのはまちがいない。有り余るパワーとトルクは、最終的に速度が高くなるほど物を言い、161−241km/h加速でポルシェに0.2秒の差をつける。もちろん、ウルスよりも上だ。

707psのV8が牙を剥けば、その勢いはすさまじい。わずかにターボラグはあるが、2500rpm以上であればほとんど気付かない程度だ。エンジン音はうるさいが、気に障るような類のものではない。キャラクターが豊かで、気持ちのいいやんちゃさがあるサウンドだ。デジタル音の演出があるとしても、気になるほどではない。いっぽうで、走行モードやエグゾーストのセッティングを和らげて、ゆったりクルージングしていれば、まずまずの洗練性もみせてくれる。

ブレーキペダルはしっかりした効き具合と、安定してフェードのない制動力を、160km/hあたりで踏んでも得られる。トランスミッションの作動ぶりはスムースで、変速はスマートだが、マニュアルモードでのシフトは、DCTのそれほどクイックではない。また、低速でギアをつなぐ際には、粗く、わずかながらギアの切り替えを感じさせることもある。

使い勝手 ★★★★☆☆☆☆☆☆

インフォテインメント

10.3インチ画面を用いるメルセデス・ベンツ由来のインフォテインメントは、いまや数世代前のシステムだ。2年前にこれを搭載したDBXが初登場した時点に遡ってみてさえ、セールスポイントとは言い難いアイテムだ。ましてや今となっては、不利な材料に思えてしまう。

タッチパネル式でないことは、われわれのように実体入力デバイスのほうが好みであれば、なんら問題にはならない。しかし、Apple CarPlayを接続したり、タッチパッドでマップのズームをしようとしたりすると、技術面の古さを痛感させられる。反応が悪い上に動作が遅く、ボタンを何度か押さないといけない場合もある。

コネクテッド機能にも非対応で、スマートフォンのミラーリングはAppleの有線接続のみ。Androidでは接続できない。音声操作機能はあるが、その性能はライバルたちの最新デバイスには遠く及ばない。

オーディオは、800Wの14スピーカーシステムが標準装備。サウンドには少なくとも、パンチと歯切れのよさはある。

燈火類

アダプティブ・バイLEDヘッドライトは標準装備。自動減光機能は、先行者への反応がやや遅いが、光の強さは悪くない。

ステアリングとペダル

ペダルはかなり右寄りにオフセットしている。ペダル面の大きさが多少は補ってくれるが、気になるドライバーもいるはずだ。ステアリングコラムの位置はバッチリで、調整幅が広い。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

DBX 707はやんちゃなホットロッド的な魅力の持ち主だ。それは動力性能面だけでなく、運動性においても同じことが言える。ポルシェのカイエンターボGTにも似たようなところはあるが、標準モデルよりはるかに多くのことを伝えてくるクルマだ。それはもう、ほとんど度を越していると言えるほどに。

コーナリングでは、正しく駆動力を配分するが、ややラフで急激に変化する感じがある。それを把握できるようになれば、丁字路を素早く抜けたり、2速で曲がるようなコーナーでは、なめらかな挙動を見せてくれる。

速いSUVの大多数と比べても、どの速度域でもエンターテインメント性や一体感がかなり強い。ただし、常に先読みできるようなものではない。グリップの限界域で、これだけのサイズのクルマがスライドしたり、スポールセダンのような走りを見せるというのは、それだけでも斬新だ。

このクルマの運動性の特長は、これだけのサイズやボリュームでありながら、生き生きとしたハンドリングのバランスを備えていることにある。しかし、ドラマティックさに偏っているようなキャラクターではなく、それでいて妥協がみられるようなこともない。

モンスターっぽいものではない。日常づかいするようなモードでは、従順さと操縦性のブレンド具合が絶妙で、上下方向のボディコントロールはこれだけの重量をきっちり押さえ込んでいる。それでいて、室内に漂う高級感を台無しにするようなことはない。

ステアリングのペースや鋭さはほどほどで、大型のラグジュアリーカーに合わないナーバスさはこれっぽっちもない。どんな状況でもグリップレベルは一定していて、直感的に推し量れる。ステアリングを介したコミュニケーションは、普通に運転していたもインフォメーションが感じられるが、荒っぽかったり過剰だったりすることはない。

シャシーバランスはきまぐれで試すようなものではなく、遊べる余地はさほど大きくない。やってみると、アグレッシブな入力をした場合、ボディコントロールとハンドリングの安定性が落ちはじめる。車体のウェイトが、ダンパーやアクティブスタビライザーには文字通り荷が重く、それが荷重移動するたび明らかになるのだ。

同じく、前後への負荷が大きく変わるたびに、ステアリングはしっかりと重くなったり、ちょっと不安になるほど軽くなったりするところもある。もっとも、コミュニケーションがなくならない範囲内での話だが。

このクルマは、全力で組み合うことを求めてくるタイプの速い四駆だ。あまりにも巨体で幅が広いので、カントリーロードならどんなルートでもスポーツセダンのような夢中になれる走りができるわけではない。それでも、なだらかなコーナーと開けたストレートが適度に組み合わさった道であれば、火を吹くような走りで感服させてくれる。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

走っている間ずっと、このクルマのV8エンジンは大声で存在をアピールしてくる。アイドリングでも、4速全開でも、一般的な高級SUVよりかなり多くのノイズをキャビンに侵入させるし、ハイパフォーマンスSUVとしてもライバルより騒々しい。

にもかかわらず、高級車の基準に照らしてみても、DBX 707が洗練度の足りないクルマだとは言えない。テスト車はオプションの23インチホイールを装着していたが、荒れた路面にも敏感に反応するところはわずか。予想に反して、クルージング中の騒音がとくに大きくなることもない。

80km/h巡航でのノイズは、最近テストしたレンジローバー・スポーツより6dBA大きかったが、それでもポルシェ・カイエンターボGTよりは1dBA静かだった。高速道路での風切り音は、フレームレスドアやAピラーの周辺から聞こえてくるし、アルミシャシーらしく、ロードノイズもそれなりに出ている。しかし、長距離クルージングもかなりリラックスして疲れることなくできてしまう。もっとも、かなりエキサイティングに飛ばしたりしたあとでなければだが。

標準装備のスポーツシートは、ヘッドレスト一体型で、クッションの長さは調整できない。どちらもアジャストできればよかったのだが、インスパイアと銘打たれた内装のオプションパッケージを選択すれば、快適性を高めたシートを装着することができる。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

707は限定モデルなどではなく、DBXの通常ラインナップの一部だ。標準モデルに対する価格差はおよそ10%ほどなので、新たにDBXを購入しようというユーザーの多くが707を選ぶのではないかと思われる。既存ユーザーの乗り換えでも、ハードルはさほど高くないだろう。

規範となるような明らかな運動性の進歩や、妥協を強いられていないことを考えると、相対的にヴァリューが優れているようにも思える。

もちろん、より広い意味では、アストンマーティンは、ランボルギーニ・ウルスのセールスの躍進を支えているような高い残価率を期待できる。だが、それはこのカテゴリー全般に言えることだ。これまでの例を見ると、大きくて速いアストンは値落ち幅が大きい。それでも、同じ価格帯のDB11 V12と比べれば、3年後の残価は20%近くいいと予想される。

また、いうまでもなくこの手のクルマは維持費が高くつく。ただし、燃費は絶望的というわけではない。高速道路でのツーリングで計測した値は9.3km/Lで、87Lタンクを満タンにすれば800kmほど走れる計算だ。

スペック

レイアウト

DBXの車体構造はオールアルミで、V8エンジンと9速ATをフロントに縦置きし、クラッチ式4WDシステムと電子制御式のリアLSDを組み合わせる。

707はシンプルに、AMG製V8をベースモデルよりパワーアップし、3チャンバー式エアサスペンションとアクティブスタビライザーも再チューニングしている。前後重量配分は、実測で54:46だった。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒3982ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×92.0mm
圧縮比:8.6:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:707ps/6000rpm
最大トルク:91.8kg-m/2750~4500rpm
エンジン許容回転数:7000rpm
馬力荷重比:314ps/t
トルク荷重比:40.9kg-m/t
エンジン比出力:177ps/L

ボディ/シャシー

全長:5039mm
ホイールベース:3060mm
オーバーハング(前):915mm
オーバーハング(後):1064mm

全幅(ミラー含む):2220mm
全幅(両ドア開き):3640mm

全高:1680mm
全高(テールゲート開き):2270mm

足元長さ(前席):最大1120mm
足元長さ(後席):800mm
座面~天井(前席):最大980mm
座面~天井(後席):950mm

積載容量:638~1530L

構造:アルミモノコック、アルミ/コンポジットボディ
車両重量:2245kg(公称値)/2278kg(実測値)
抗力係数:0.40
ホイール前/後:10.0Jx23/11.5Jx23
タイヤ前/後:285/35 ZR23 107Y/325/30 ZR23 109Y
ピレリPゼロA8A PNCS
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:9速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.35/8.4
2速:3.24/13.8
3速:2.25/20.0
4速:1.64/27.4
5速:1.21/37.2
6速:1.00/44.9
7速:0.87/51.7
8速:0.72/62.4
9速:0.60/74.8
最終減速比:3.27:1     

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.8km/L
ツーリング:9.3km/L
動力性能計測時:3.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):4.5km/L
中速(郊外):7.2km/L
高速(高速道路):8.2km/L
超高速:7.5km/L
混合:7.0km/L

燃料タンク容量87L
現実的な航続距離:591km
CO2排出量:323g/km(WMTC)

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アクティブスタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:12.4m

ブレーキ

前:420mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
後:390mm通気冷却式カーボンセラミックディスク
制御装置:ABS、EBA
ハンドブレーキ:電動、ステアリングコラム右側にスイッチ設置

静粛性

アイドリング:43dBA
全開時(4速):90dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:64dBA
113km/h走行時:68dBA

安全装備

ABS/ESC/EBA/RSC/HSA/FCW/AEB/LDW
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:湿潤路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h):1.4秒
0-40(64):2.0秒
0-50(80):2.6秒
0-60(97):3.3秒
0-70(113):4.2秒
0-80(129):5.2秒
0-90(145):6.4秒
0-100(161):7.7秒
0-110(177):9.3秒
0-120(193):11.2秒
0-130(209):13.4秒
0-140(225):16.0秒
0-150(241):19.5秒
0-402m発進加速:11.6秒(到達速度:196.2km/h)
0-1000m発進加速:21.2秒(到達速度:246.2km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ポルシェ・カイエンターボGT(2022年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):1.3秒
0-40(64):1.8秒
0-50(80):2.4秒
0-60(97):3.1秒
0-70(113):4.0秒
0-80(129):5.0秒
0-90(145):6.2秒
0-100(161):7.6秒
0-110(177):9.1秒
0-120(193):11.2秒
0-130(209):13.5秒
0-140(225):16.2秒
0-150(241):19.6秒
0-402m発進加速:11.4秒(到達速度:195.9km/h)
0-1000m発進加速:21.0秒(到達速度:247.4km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.6秒(2速)/2.6秒(3速)/3.8秒(4速)

30-50(48-80):1.4秒(2速)/1.8秒(3速)/2.7秒(4速)/5.3秒(5速)

40-60(64-97):1.7秒(3速)/2.3秒(4速)/3.8秒(5速)/6.0秒(6速)/9.1秒(7速)

50-70(80-113):1.7秒(3速)/2.3秒(4速)/3.1秒(5速)/4.6秒(6速)/6.9秒(7速)/11.8秒(8速)/19.1秒(9速)

60-80(97-129):1.8秒(3速)/2.3秒(4速)/3.1秒(5速)/4.0秒(6速)/5.7秒(7速)/9.9秒(8速)/18.3秒(9速)

70-90(113-145):2.4秒(4速)/3.2秒(5速)/3.9秒(6速)/5.0秒(7速)/8.8秒(8速)/16.0秒(9速)

80-100(129-161):2.6秒(4速)/3.3秒(5速)/4.1秒(6速)/5.0秒(7速)/7.9秒(8速)

90-110(145-177):2.8秒(4速)/3.5秒(5速)/4.3秒(6速)/5.4秒(7速)/7.7秒(8速)

100-120(161-193):3.8秒(5速)/4.7秒(6速)/5.9秒(7速)

110-130(177-209):4.2秒(5速)/5.2秒(6速)

120-140(193-225):4.8秒(5速)

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):23.3m
70-0マイル/時(80km/h):45.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.84秒

ライバルの制動距離ポルシェ・カイエンターボGT(2022年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):8.3m
50-0マイル/時(64km/h):22.5m
70-0マイル/時(80km/h):44.3m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.73秒

各ギアの最高速

1速:59.5km/h(7000rpm)
2速:96.6km/h(7000rpm)
3速:140.0km/h(7000rpm)
4速:170.6km/h(7000rpm)
5速:259.1km/h(7000rpm)
6速:310.6km/h(6917rpm)
7速:310.6km/h(6018rpm)
8速:310.6km/h(4980rpm)
9速(公称値):310.6km/h(3093rpm)

9速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1505rpm/1720rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

2年ほど前にロードテストを行ったアストンマーティンDBXの標準モデルは、星9個の高評価を得た。しかし、スーパーSUVセグメントの勢いは、今も衰えを見せていない。

アストンが今年2月にDBXの強化版を発表した際、もっともパワフルな市販SUVとの謳い文句に偽りはなかった。ところが9月には、フェラーリがプロサングエの発表でその座を奪取した。さらに、よりパワフルなBMW XMが待機中ときている。

そうした流れの中で、もし自分のSUVが最速だと主張するのは、よくよく気をつけたほうがいい。今回計測した限りでは、DBX 707もそうだ。今回の結論はその点と、20万ポンド(約3300万円)級のクルマとしては細々とした部分で不足があることを反映したものだ。

それでも、標準モデルより強烈で、えもいわれず、エンタテインメント性の濃くなったクルマであることも確かだ。動力性能や運動性を大幅に高めていながら、大きな妥協を強いることはほぼない。主なライバルたちと比較しても、ルックスは穏やかで分別をなくしておらず、魅力的な万能性や日常での使い勝手も失っていない。

DBX 707は、どんな場面にもなじむというわけではないかもしれない。しかし、どこにいっても楽しめないということはまずない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースこのクルマが限界域でのハンドリングをどこまで許容するかの判断は、アクティブロールスタビリティコントロールが、どの程度のウェイトが載っているかを知ることがキモになっている。ルーフボックスを積んだ場合などもそれを感知し、コーナリングの仕方が変わってくる。じつに賢い。

イリヤ・バプラート自分が贅沢になっているのかもしれないが、20万ポンド(約3300万円)級の高級車でスマートフォンの接続にコードが必要というのは、イマドキ時代遅れに思えてしまう。ファミリーカーでも、5万ポンド(約825万円)程度の上級グレードなら、まずそんなことはない。

オプション追加のアドバイス

DBX 707の装備内容はかなり充実しているが、リセールヴァリューを高めるために23インチ鍛造ホイールとエクステリアのカーボンファイバートリムの少なくともどれかひとつは追加したい。ボディカラーは明るめで目立つメタリック、たとえば、ゴールデンサフランあたりがおすすめだ。

改善してほしいポイント

・タイヤはパフォーマンス志向のコルサがほしい。できれば無償オプションで。
・インフォテインメントのテクノロジーはアップデートを。ただし、実体入力デバイスは残したままで。
・後輪駆動のドリフトモードがあってもいいのではないだろうか。707の魅力である過激さが完全なものになるはずだ。

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