このほど、岐阜県警が可搬式ではなく、半可搬式移動オービス(LSM-300K)での取り締まりの模様をを各メディアに公開したが、可搬式(LSM-300やMSSSなど)とは違い、据え置くことで固定式オービス(無人速度取締機)と同様の使い方が出来る点をアピールしている。その具体的な運用方法ももちろんだが、それより、オービス自体の「身の安全」が気になってしょうがない。なにしろ、過去に盗難や放火など、固定式オービスを狙った犯罪例がいくつかあるからだ。
固定式オービス同様の取り締まりをするなら当然、赤切符での検挙となるはず、だが。
相次ぐ 各メディアの移動オービス導入報道! が、その測定精度に疑問を投げかけるメディアが皆無なのは、何故?【交通取締情報】
確かに半可搬式移動オービスは、可搬式に比べて重量も重く、かさ高であり、持ち運びや設置に難がある代わりに、「倒れにくい」「盗まれにくい」という強みがある。そのため、警察官が常に見張っている必要がある軽量&コンパクトな可搬式に比べて、その気になれば固定式オービスと同じく、無人で取り締まりをすることさえできてしまうのだ。もちろん。ある一定の期間をおいて他の場所に移動させることで、位置を覚えられたら取り締まり効率が一気に落ちると言われる固定式オービスの欠点を補うこともできる。
ただし、無人というからには、固定式オービスと同じく、非反則行為(赤切符)のみの検挙となるはず。現在、各地で可搬式オービスによる青切符での検挙の例が多々あるが、可搬式の場合は「警察官が現認している」ということを切り札としている以上、無人の取り締まりに関しては例の「最高裁の判例」がものをいうのでは? それとも、スタンスを変え、青切符でもがんがん検挙するつもりなのか。その辺は近々、明らかになるだろう。
燃やされたり盗まれたり、オービスもけっこう大変です!?
固定式オービスは今さら言うまでも無いが、無人速度取締機。どちらかというとクルマの通りは多いが、人目にはつきにくい郊外に設置されている場合が多い。一機ン千万円とも言われる高額機器が、言ってみれば放置されているわけだから、自然、悪戯のターゲットになりやすい。路面据え置き型のL型は強固な金網にガードされ、HやLH等は道路上のアーチに設置され、盗難や放火からリスクヘッジされてはいるのだが。
が、それでもやる人はやる。オービスに撮影された事に気づき、逆恨みで火ををつけたり、中には機器ごと持って行ってしまう強者(?)もいる。最近では国道17号線に設置されている最新型生活道路対応レーダー式オービス、センシスSSSが放火の憂き目に遭っているし、2011年には兵庫県でオービスIIIに灯油か何かをしみこませた布を被せて放火するという事件が起こっている。さらに、2003年には福島県でHシステムの撮影端末が盗まれ一時的に稼働中止に追い込まれているのだ。
動機ははっきりとはわかっていないが、いずれにしても速度違反を犯しオービスに撮影された事への逆恨みではないかと推測されている。ちなみに、オービスIIIの故郷であるはずのアメリカに無人速度取締機が一機もないのは、設置するとすぐ銃で撃たれるからだというが!!
というわけで、岐阜県警のLSM-300Kも、ただ道ばたに置きっ放しにされているとしたら、何かしらの憂き目に遭う可能性はないわけじゃない。重量500kgと盗むのは大変だが、嵩高2mなら放火なら簡単にできそうだ(よい子はまねしないように!)。
というわけで、岐阜県警の対応に注目だ。
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