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「ランエボXを高速周回路で試す!」ブーストアップ仕様はノーマルからどれだけ速くなるかを検証してみた

掲載 更新 33
「ランエボXを高速周回路で試す!」ブーストアップ仕様はノーマルからどれだけ速くなるかを検証してみた

180キロまでの加速性能は純正から7秒以上のタイムアップ!

SSTを活かした盤石のブーストアップ仕様

「ランエボXを高速周回路で試す!」ブーストアップ仕様はノーマルからどれだけ速くなるかを検証してみた

ランエボの最終進化系となるランエボX。AYCやACDなど電子制御デバイスの活用により、誰でも安全に速く走れるクルマへと進化したが、2ペダル式のセミAT「TC-SST」は強度面の不安から、チューニングには向かないとレッテルを貼るチューナーも少なくなかった。

しかし、専用強化クラッチの登場やミッションECUデータの解析により、現在は安心してパワーアップできる環境が整っている。

実際に今回紹介するランエボXは、老舗ウイングタケオの手により実測で350ps&40kgmまで出力を高め、街中ではイージードライブが可能で、いざとなれば圧倒的な速さを発揮する理想のマシンに仕上がっているのだ。

エンジンは、タイム狙いなら排気量アップやタービン交換といったメニューも視野に入るが、この車両はステージ問わずの扱いやすさと速さの共存がコンセプト。そのため、低中速トルクが頼もしいブーストアップ仕様を選択した。とはいえ、不安要素を抱えていては走りが楽しめないため、4B11の泣き所となるコンロッドは東名パワード製を投入して強化済みだ。

さらに、ノーマルタービンの高回転領域を強化すべく、東名パワードのポンカムタイプR(IN260度 EX250度)をセット。なお、後方排気レイアウトで熱不安の増したエンジンルームは、ボンネットヒンジにスペーサーを加えて対策している。

4B11は排圧が上がりやすい傾向にあるため、マフラー選びは重要だ。ウイングタケオが推奨するのは、80φのストレート構造を採用するRH9のチタンエキゾーストシステム。ブーストアップからタービン交換まで許容する、懐の深さを持った車検対応モデルとなる。

重要なエンジンマネージメントはECU-TEKで掌握し、ブースト圧はEVCで綿密にコントロール。低中回転域ではオーバーシュート気味にブースト圧を1.7キロまで立ち上げ、その後は耐久性などを加味して1.4キロで落ち着かせるセッティングだ。

「純正タービンのキャパを考えるとこれくらいがべストですね。常用も問題ないですし、立ち上がりのトルクも出ているから速いですよ」とは、ウイングタケオ竹尾代表。

SSTモデルは450psを超えると確実にクラッチが滑るが、このマシンではドットソンの強化クラッチとHKSのSSTクーラー、そして独自のECUチューンで対策済み。ちなみに初期型はSST関連のトラブルが多い。これはクラッチの減りをECUが学習しないのが一因で、早めに対策しないと後に大きな出費を余儀なくされることもあるというから要注意だ。

なお、TC-SSTの耐久性を大きく左右するポイントが、ギアチェンジなど全てをコントロールするフルードの温度管理だ。純正でもオイルクーラーは存在しているが、それに加えて専用オイルポンプもセットになったHKS製のSSTクーラーの装着は必須と考えるべきだ。

足回りはウイングタケオのオリジナル車高調キットでセットアップ。スプリングはハイパコ製でレートはフロント14kg/mm、リヤ16kg/mm。ホイールはエンケイNT03RR(9.5J×18+27)、タイヤはアドバンA052(265/35R18)を通しで履く。

エクステリアまで含めて控えめなチューンドだが、高速周回路で行ったテストでは、0~50キロ加速:2秒30(純正2秒55)、0~100キロ加速:4秒53(純正6秒66)、0~180キロ加速:12秒83(純正20秒61)という好記録をマーク。そのまま加速を続け、257.80キロまで最高速を伸ばしたのだ。

「仕様を考えると良い結果だと思います。2.0Lの4WDターボは今や希少なパッケージですし、ミッションも長く乗るつもりでキッチリ対策してやれば楽しいバトルセダンになりますよ」。

街乗りからサーキットまでステージを問わない速さを引き出したいオーナーにとって、必要最小限のメニューで死角を排除したウイングタケオのランエボXは見逃せないスペックと言えるだろう。

●取材協力:ウイングタケオ 三重県三重郡川越町高松86-1 TEL:059-363-2104

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