BMW名門チューナーも最新モデルを展示
日本でも大人気のBMWチューナーといえば、ACシュニッツァーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
世界初披露! BMW新型「M2」の「Mパフォーマンス」パーツをエッセン モーターショーからお届け。「M3ツーリング」と注目を二分していました
ベルギーとの国境に近い、ドイツの北西部にあるアーヘンの街に本拠地を置くACシュニッツァー。「AC」が意味するのは、ドイツの自動車のナンバーで都市部を現すアルファベット記号がアーヘン(Aachen)だとACだからなんですよ。ちなみにBMWのあるミュンヘンはM、アウディのインゴルシュタットはIN、メルセデス・ベンツやポルシェのシュトゥットガルトはS、VWがあるヴォルフスブルクはWOB、オペルのグロース・ゲーラウはGGです。
モーターショーの開催されるエッセンとACシュニッツァーは同州内に所在しでいて約130kmの距離にあり、エッセンモーターショーには毎年ブースを構える常連ですので、ACシュニッツァーのデモカーを楽しみにしているファンも多いのです。
2022年はM240iを1台展示
今回の展示は1台とはいえ、「ACS2 4.0i」というなんだか強そうなネームが付けられています。それもそのはずオリジナルの374ps/500Nmから420ps/600Nmまでパワーアップ。「M2」にも劣らないコンパクトスポーツカーの性能を引き出すホットな仕様に仕上がっています。エンジンチューンに関しては4562ユーロ(約64万円/1ユーロ140円で換算)で可能とあり、M2はちょっと高くて手が出ないな、という方にはM240iを購入してACシュニッツァーでエンジンチューンを施すのも手かもしれません。
このACS2 4.0iでまず目に入ったのは、特徴的な2分割のリアスポイラー。本家のBMW Mパフォーマンスパーツとは全く違うキャラクターと個性を出したいという強いこだわりがあったとセールスマネージャーのミヒャエル・プリビル氏。フロントスポイラーからブラックのウインドウモール、そしてリアウイングと視覚的にも続くように設計されており、純正部品との統一感を持たせながらも、スポーティさを強調しています。
ACシュニッツァー特製のステアリングやパドルシフト、ナビゲーションなどを操作するiドライブ タッチコントローラーに被せるアルミのカバーといったアイテムは、日本のBMWオーナーさんたちにはお馴染みの人気アイテム。気軽にACシュニッツァーのDNAを愛車に注入できるため、とくにおススメなのだそうです。
また、現時点ではまだマテリアルの変更がある可能性があると前置きがあったうえでご紹介いただいたのが、ACシュニッツァーのロゴが光るフロアマット。フットペダルとフロアマットがACシュニッツァーのロゴで揃えられるとあり、人気商品になる予感がします。フロアマット自体はBMWの純正品なのですが、光る部分のパーツと一緒にセット販売の予定です。
ACシュニッツァーの人気はアジア諸国に広がっている
ACシュニッツァーで仕上げたクルマは日本では非常にポピュラーで、街でもチラホラ見かけることはありますが、なぜか本国ドイツではめったに見ることのない稀少車です。
例えば、BMWのMモデルやアルピナのおもな販売先は北米です。そのためACシュニッツァーのチューニングカーの多くもドイツから北米のファンへと渡っているのかと思いきや、いまの販売先の大半は中国やタイなどのアジア諸国とのこと。なんだか意外で驚きました。
その要因にはコロナ禍やウクライナ問題、そしてエネルギー価格の上昇と、北米への輸送費や税金諸々の諸経費を含めると、ドイツでの販売価格のざっと倍近くは必要となるため、いくらセレブとはいえ非常に厳しい価格になってしまったそう。逆に、アジア諸国は経済発展著しく、ACシュニッツァーがそれらの国のファンの方々に高く評価されており、その勢いは高まるばかりだとか。
* * *
2020年のエッセンモーターショーは中止、2021年は厳しい制限下で開催されたこともあり、来場者の数は非常に限られていました。2022年の今年は、やっとすべての制限が解除され、多くの来場者で会場はあふれかえっていました。ACシュニッツァーのプリビル氏に通常開催となった今年のショーについて伺ってみると、
「昨今はソーシャルメディアでいくらでも新型車両や新製品を見ることができる時代だが、行動制限の厳しいコロナ禍を経て、人々は実物を間近に見て触れることに飢えていたし、コロナ以前にはごく普通だったことが、こんなにも素晴らしいことだと気づいた」と、あらためて人やモノとの繋がりの大切さを強調。
さらに、「BMWは落ち込む景気のなか、大きなスタンドを出展して自動車メーカーとしてファンへ向けて実車とともに大きなアピールをしてくれたことは非常に素晴らしい」とBMWを大きく評価し、ファンが求めていたのはこれだ! と熱く語ってくださいました。自動車メーカーが率先してくれることで、アフターパーツやチューナーの業界にも活気を取り戻せる起爆剤になればと願わずにはいられません。
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みんなのコメント
久しぶりに名前を聞いたと思ったら中国ね。