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「最新モデル試乗」スタイリッシュなクーペSUV、新型VW・T-Rocはゴルフ後継車になり得る完成度

掲載 更新 17
「最新モデル試乗」スタイリッシュなクーペSUV、新型VW・T-Rocはゴルフ後継車になり得る完成度

全車2リッターディーゼル搭載。サイズは日本の道路環境にマッチ

 VWの新型SUV、T―Roc(Tロック)がデビューした。昨年末に発売されたTクロスの、ワンクラス上級に位置するブランニューモデルだ。欧州では2017年から販売が始まり、今春にはオープン・バージョンも追加された人気モデルである。

2020 HOTインポートカー特集:VWのフレッシュSUV、T-クロスが日本にぴったりなこれだけの理由

 Tロックは、VW最新のMQBアーキテクチャーを採用。ボディサイズは全長×全幅×全高4240×1825×1590mm。Tクロス(同4115×1760×1580mm)と比較してひと回り大きく、VWゴルフ(同4265×1800×1480mm)の背が高いバージョンというイメージだ。スタイリングはルーフ回りの造形がスマートだ。メーカーの「SUVならではの持ち味と、コンパクトハッチバックの機動性を融合したクロスオーバー」という説明どおり、新鮮な印象にあふれている。

 最小回転半径は5m。全幅はTクロスを上回るが、最小回転半径は0.1m小さい。ホイールハウス周辺の空間に余裕が増したため、前輪の最大切れ角が大きく採れるようになったからだろう。Tロックの取り回し性は優秀。日本の道路環境でも持て余す心配はない。

 パワーユニットは、2.0TDIを名乗る2リッター直4ディーゼルターボ(150ps/340Nm)を搭載する。トランスミッションは7速DCTだ。欧州仕様は、3気筒の1リッターガソリンをはじめ多彩なエンジンとトランスミッションを設定するが、日本仕様はシンプルな構成。駆動方式はFF。残念ながら4WDは選べない。

全4グレード構成。充実した装備がアピールポイント

 ラインアップは、TDIスタイル(384万9000円)/TDIスタイル・デザインパッケージ(405万9000円)/TDIスポーツ(419万9000円)/TDI・Rライン(453万9000円)の4グレード構成。スポーツとRラインはパークディスタンスコントロールとスポーツシート標準。ホイールはスタイルから順に16/17/18/19インチとグレードごとにサイズアップする。

 Tロックの特徴は、グレードにかかわらず装備が極めて充実している点だ。2ゾーンのフルオートACやSSDナビ機能付きインフォテイメントシステム、モバイルオンラインサービスを全車に標準装備。全車速追従機能付きレーダー式クルーズコントロールやレーンキープアシスト、後退時の警告/ブレーキ機能付きのリアトラフィックアラートといったADAS装備も充実している。

 試乗車は、「VWのSUVとして初めて、ルーフセクションにコントラストカラーを用いた2トーン仕様が選べる」という、TDIスタイル・デザインパッケージ。基本装備が充実していることから、装着オプションはフロアマットだけだった。

 鮮やかなラヴェンナブルーメタリックのボディにホワイトのルーフの組み合わせは、フレッシュで若々しい。インテリアもお洒落な印象だ。樹脂パーツの質感は必ずしも高いとはいえないが、価格(約400万円)以上のバリューを感じた。

静粛性高水準。フットワーク優秀。人気者になる条件を備えている!

 運転席に腰を降ろす。想像以上にアイポイントが高く、SUV感覚が強い。ドアミラー周辺の「抜け」がよく、視界がいい。室内も広い。後席の着座姿勢は比較的アップライト。前席下への足入れ性に優れ、大人2名にとって十分なスペースがある。下部にテンパータイヤを収めたラゲッジスペースは、高さ調節式のフロアボードを下段にセットすると、深さと容量がたっぷり確保される。

 試乗スタート。まず実感したのは「VWのディーゼルモデルの中で最も優れている」と思える高い静粛性だった。ディーゼル特有の音は耳につかず、リラックスした走りが楽しめる。
 Tロックが静かな理由は、「車両重量が1430kgと比較的軽量なため、DCTがスタート早々に高いギアへとバトンタッチ、全般にエンジン回転数を低く抑えているから」だろう。パドル操作で低いギアを選択しエンジン回転数が高まると、ノイズも急速に高まる傾向があった。

 100km/hクルーズ時のエンジン回転数は1500rpmほど。この付近で流していると「クラスを超えた静かさ」に驚く。一方、2400rpm付近になるとこもり音がそれなりに気になった。WLTCモード燃費は18.6km/リッター。Tクロスの16.9km/リッターを凌ぐ。燃料が軽油ということもあり、ランニングコストの経済性は圧倒的。気軽にロングクルーズに連れ出せる。

 フットワークは優秀。速度が高まるにつれて向上するフラット感は、VW車ならでは。右に左にと続くコーナーでの自然なハンドリング感覚も好印象である。Tロックは、ドライバーに操る楽しさを与える。

 Tロックは、今後のバリエーションの拡充次第では、「ゴルフを脅かす」存在へと成長する可能性がある。実用性に富んだパッケージングと日常シーンでの優れた使い勝手、そして何よりフレッシュなスタイリングは人気者になる条件を備えている。

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みんなのコメント

17件
  • ポップな内装が嫌。
    ゴルフの様な大人のセンスでまとめてほしかったなあ。
  • 同じドイツ車でもポルシェ、メルセデス、BMWは新型モデルの発売が早いが、VWとアウディは日本市場の導入が遅く末期モデルを日本で発売しているイメージなので良い印象が無い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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