6月18~20日にブラジル・サンパウロの内陸部に位置するヴェロチッタで開催されたSCBストックカー・ブラジル第3戦は、開幕から連戦のインテルラゴスでシボレー陣営に押される展開が続いてきたTOYOTA GAZOO Racingブラジル(TGRブラジル)勢が躍進。
2014年シリーズチャンピオンのルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)がレース1を、2020年の開幕戦でトヨタ参戦初勝利を記録したリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)がレース2でそれぞれ勝利を挙げ、このヒートではカローラが表彰台を占拠するなどトヨタ陣営が復活の狼煙を上げている。
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土曜からクオリファイレースを開催する変則フォーマットを採用した今回のイベントでは、前戦ポール・トゥ・フィニッシュと好調のガブリエル・カサグランデ(A.マティス-フォーゲル/シボレー・クルーズ)に初戦こそ奪われたものの、続くヒート2ではバリチェロが復調を予感させる走りで勝利を挙げ、ゾンタもその背後に続くなど、TGRブラジル陣営にとっては日曜の躍進に期待が高まる初日となった。
こちらは前戦同様、2ヒートともに30分+1ラップの決勝に向け計時予選を戦ったバリチェロは、前評判どおりレース1のポールポジションを獲得すると、スタート直後のアクシデントにも動じず。ルーティンピット時を除いてトップランを堅守する盤石のレース運びを披露し、2位のディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)と3位のカサグランデを抑え切り、見事ポール・トゥ・フィニッシュで今季2勝目を手にした。
「このインターバルの間は、クルマを改良するためワークショップで何週間も働いたから、ここで起こったことすべてにとても満足している。このレースで僕のカローラは非常にうまく機能してくれたよ」と、タイトル戦線にも復帰したバリチェロ。
「今回のポール獲得と優勝で50点を加算することができた。ランキング上位トップ6は規則に従ってウエイトを搭載することになるが、重りを積めるというのはなんと名誉なことだろう(笑)。チャンピオンシップのために戦うことこそ、僕の望みだからね」
■レース2ではリカルド・ゾンタのトヨタ・カローラが勝利
このレース1では、表彰台圏外に名門ユーロファーマRCの2台が続き、4位にWEC世界耐久選手権レギュラーのダニエル・セラ、そして5位に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から復帰の開幕勝者リカルド・マウリシオが続く結果に。その背後にはバリチェロのチームメイトである隣国アルゼンチンのスター、マティアス・ロッシ(フルタイム・スポーツ/トヨタ・カローラ)がSCB自己最上位を更新する6位に入っている。
続いて開催のレース2は、前戦10位フィニッシュでリバースポールを獲得したゾンタが、先輩のレース運びをお手本とするかのような“ライト・トゥ・フラッグ”を敢行する。30分間首位を守り抜いたゾンタの背後には、終盤に10番手発進のバリチェロが迫る驚異のパフォーマンスで連続表彰台を獲得。3位にもセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)が入り、TGRブラジル勢がポディウムを独占するリザルトとなった。
「土曜も2位に入れたし、ここで良いポイントを獲得できてとても幸せだ。チームの戦略とピットストップも決まって本当にクールだったね」と、レース1スタートでの出遅れを挽回する勝利を挙げたゾンタ。
「そう、レース1ではアウト側のラインを選んだけれど、タイヤが埃を拾って6つほどポジションを失ってしまったんだ。マシンはうまくセットアップできていただけに残念だ。ここは“プッシュ・トゥ・パス”での追い抜きも難しく、レース2に集中する戦略が功を奏したよ」
一方で、今季フル参戦のトニー・カナーン(フルタイム・バッサーニ/トヨタ・カローラ)は21位とリタイア、ネルソン・ピケJr.(ピケ・スポーツ/トヨタ・カローラ)も同23位にリタイアと苦戦。こちらも今季初のフル参戦となるシボレー陣営、フェリペ・マッサ(ルブラックス・ポディウム・ストックカー・チーム/シボレー・クルーズ)も、両ヒートともトップ10圏外と厳しい戦いが続いている。
この2021年は“PRO SERIES”とのサブネームを掲げるSCBストックカー・ブラジル。続く第4戦は7月9~11日の週末に、パラナ州カスカバルで開催される。
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