2022年9月4日、F1第15戦オランダGP決勝が首都アムステルダム近郊のザントフォールト・サーキットで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがシーズン10勝目を達成。2位はメルセデスのジョージ・ラッセル、3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入った。9番グリッドからスタートしたアルファタウリの角田裕毅はマシントラブルでリタイアとなった。
波乱模様にも動ぜず、フェルスタッペン強し
フェルスタッペンの優勝を信じて疑わない地元ファンで埋め尽くされたサンドフォールトでの戦いは、ソフト/ミディアム/ハードの3種類のタイヤが入り乱れ、バーチャルセーフティカーとセーフティカーが勝負の鍵を握る混乱の展開となった。
2022年F1第14戦決勝、フェルスタッペンが14番グリッドから異次元の速さで逆転優勝【ベルギーGP】
タイヤ戦略でまず優位に立ったのが予選で新品のソフトタイヤ1セットを余らせていたフェルスタッペン。グリップの良いこのタイヤでのスタートで蹴り出しよく首位を奪うと、1回目のピットストップまでにタイヤがタレたフェラーリのシャルル・ルクレールとの差を4秒以上に広げて見せた。
ここで浮上したのがミディアムタイヤでスタートしていたメルセデス勢だった。ラッセルは28周目、ルイス・ハミルトンは30周目まで第1スティントを引っ張り、ピットインでハードタイヤを選択。スタート前は不可能と思われていた1ストップ戦略でレースを走り抜く奇襲作戦に出たのだ。
ハミルトンのピットインで首位に戻ったミディアムタイヤのフェルスタッペンは、もう1度タイヤ交換を必要とするため、戦況はメルセデス優位かと思われた。ところが、48周目に角田裕毅がコース上でストップしたことで出たバーチャルセーフティカーで再びレースは動く。
素早くハードタイヤに変えたフェルスタッペンに対し、メルセデス勢もピットに飛び込んでミディアムに交換。これで残り周回、よりペースの速いミディアムタイヤを履くメルセデス2台が、ハードで首位を走るフェルスタッペンにどこまで迫れるかに焦点は絞られた。
ところが、56周目、アルファロメオのバルテリ・ボッタスがホームストレート上でストップし、セーフティカーが出たことが勝敗の分水嶺となった。
ハミルトンがステイアウトしたのに対し、フェルスタペンは4度目のピットストップでソフトタイヤに交換。順位は2番手に落としたものの、より優位なタイヤでハミルトンの背後につけることになる。
レースは残り12周で再開され、トラクションに勝るレッドブルで、フェルスタッペンはあっさりとハミルトンをかわしそのまま今季10勝目、自身通算30勝目のチェッカーへ。ハミルトンは、やはりセーフティカー中にソフトに交換したラッセルとルクレールにも抜かれて4位でのフィニッシュとなった。
ドライバーズ選手権で首位のフェルスタペンは、ランキング同点2位となったルクレールとセルジオ・ペレスとの差を109点に、コンストラクターズ選手権ではレッドブルがフェラーリに135点の差をつけることとなった。
タイヤを供給するピレリは「16人のドライバーがソフトタイヤでスタートし、ミディアムタイヤでスタートしたのはわずか4人でした。ミディアムでスタートしたハミルトンはトラックポジションでアドバンテージを得て、その後に装着したハードタイヤの驚異的なパフォーマンスでに優位に立ちましたが、バーチャルセーフティカーとセーフティカーが導入され、フィニッシュまで予測不可能なスリリングな展開となりました。残り12周でフェルスタッペンはソフトタイヤでミディアムのハミルトンをオーバーテイク、3つのコンパウンドすべてが重要な役割を果たしました」とコメントしている。
次戦第16戦イタリアGPは、9月9日、ミラノ近郊のモンツァ・サーキットで開幕、決勝は9月11日に行われる。
2022年F1第15戦オランダGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)72周
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)+4.071s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+10.929s
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス) +13.016s
5位 11 S.ペレス(レッドブル)+18.168s
6位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー) +18.754s
7位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +19.306s
8位 55 C.サインツ(フェラーリ)+20.916s
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー) +21.117s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+22.459s
・・・・・・・・・・・・・
11位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・レッドブル)+27.009s
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル )
ファステストラップ: 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)1:13.652
2022年F1ドライバーズランキング(第15戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)310
2位 C.ルクレール(フェラーリ)201
3位 S.ペレス(レッドブル)201
4位 G.ラッセル(メルセデス)188
5位 C.サインツ(フェラーリ)175
6位 L.ハミルトン(メルセデス)158
2022年F1コンストラクターズランキング(第15戦終了時)
1位 レッドブル 511
2位 フェラーリ 376
3位 メルセデス 316
4位 アルピーヌ・ルノー125
5位 マクラーレン・メルセデス 101
6位 アルファロメオ・フェラーリ 51
7位 ハース・フェラーリ 34
8位 アルファタウリ・レッドブル 29
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