現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは?

ここから本文です

乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは?

掲載 24
乗用車ユーザーには意外! 日本のトラックが軽自動車などが採用する「ドラムブレーキ」を主流とする理由とは?

 この記事をまとめると

■日本の大型トラックはドラムブレーキが主流

【今さら聞けない】ブレーキを踏んだときの「キィー」という音の正体は?

■対して欧州ではディスクブレーキの採用が多い

■その理由について詳しく解説する

 中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキが向いている

 このタイトルを見て違和感を感じる一般ドライバーも少なくないだろう。乗用車ではディスクブレーキが完全に主流で、ドラムブレーキはFFコンパクトカーやミニバン、軽自動車のリヤブレーキに使われているくらいで、2000cc以上のクルマでは四輪ディスクブレーキが圧倒的に多い。

 ディスクブレーキは放熱性に優れるため、繰り返しの制動に強い。一方、ドラムブレーキはドラムとシューの接触面積の多さから制動力に優れ(これは意外と知られていない)、軽量でコストも安いというメリットがある。

 こう書くと日本の大型トラックの多くがドラムブレーキを採用しているのが、理解できるのではないだろうか。そう、日本の大型トラックはドラムブレーキがいまだに主流なのである。

 制動力が強く、コストも安ければ運送会社はそちらを選びたくなる。安心と効率を考えれば、当然のことだろう。

 大型トラックの場合、ブレーキドラムも結構な重量になるので軽量化には貢献しないが、制動力については制動の立ち上がりの速さも含めて、ドラムブレーキのほうが優れている。

 とくに一般道では速度域が低く、都市部ではストップ&ゴーが多いなど、中低速域からの制動が多い日本ではドラムブレーキのほうが向いていたのだ。これは過積載が常態化していたころの名残もあるかもしれないが、ドラムブレーキをドライバーが好み、運送会社もそれを推していたから、今までドラムブレーキ主流が続いてきたのだ。

 欧州ではディスクブレーキが主流の理由とは?

 他方、欧州の大型トラックは基本的にディスクブレーキを採用しているモデルが多い。スカニアやボルボといった日本でも人気のブランドは圧倒的にディスクブレーキだ。

 これはディスクブレーキのほうが制動力の制御がきめ細かくできることと、放熱性に優れるため安全性が高いからだ。欧州各国を走り回るトラックは峠越えも珍しくなく、日本よりも長い下り坂が続くような道が多い。そうした場所では、エンジンブレーキ(トラックの場合は排気系を活用してより強力な排気ブレーキ)を利用するのは当然として、ディスクブレーキでなければまったく役に立たないのである。

 北米市場ではまだドラムブレーキも多く、ディスクブレーキはオプション装備となっているメーカーもある。これは目的に応じて選べるようになっている、ということだ。

 日本の大型トラックではUDトラックスがボルボグループに買収(現在はいすゞに譲渡)されたこともあって、現行のクオンではディスクブレーキを採用している。

 ABSは当然として衝突被害軽減ブレーキや横滑り防止装置など、ブレーキを活用することによって車体を安定させたり事故の被害を抑えることができるようになってきた。そういった使い方には、繊細に制動力を調整しやすいディスクブレーキのほうが向いている。

 今後は日本のトラックもディスクブレーキになっていくだろう。ドラムブレーキにも良い点はあるが、本当の意味で安全性を考えれば、ディスクブレーキのほうが安心なのだ。

こんな記事も読まれています

【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーフォーミュラ第3戦SUGO終了時点
AUTOSPORT web
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
トヨタ『ランドクルーザー300』の警備・防衛車両向け、デュアルオルタネーターで電源確保…米APSが発表
レスポンス
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
山頂キャンプ・グランピングが楽しめる「OZE-HOSHISORA GLAMPING&CAMP RESORT」2024シーズンの営業がスタート!
バイクブロス
「ガソリンスタンドの屋根」が“平ら”なのはなぜ? 雨や雪が降ったらどうなる? 屋根に隠された驚きの「工夫」とは
「ガソリンスタンドの屋根」が“平ら”なのはなぜ? 雨や雪が降ったらどうなる? 屋根に隠された驚きの「工夫」とは
くるまのニュース
スタバのドリンクが飲みたいぞ! ラーメン食べたい! 失敗しないSA・PA選びは「スマホアプリ」の活用が正解だった
スタバのドリンクが飲みたいぞ! ラーメン食べたい! 失敗しないSA・PA選びは「スマホアプリ」の活用が正解だった
WEB CARTOP
東京アウトドアショー2024が開催! NEWS小山氏の愛車やランクル特別展示も
東京アウトドアショー2024が開催! NEWS小山氏の愛車やランクル特別展示も
くるくら
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
驚速パロウが大荒れのレースを制す。ポール・トゥ・ウインで今季2勝目/インディカー第8戦ラグナ・セカ
AUTOSPORT web
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
AUTOSPORT web
カツデンのスチール製カーハウス「CARKUREGA」の問い合わせが累計500件を突破
カツデンのスチール製カーハウス「CARKUREGA」の問い合わせが累計500件を突破
レスポンス
115万円から! 日産「新型コンパクトSUV」発表! 日産“唯一”の生き残りマシン! MTあり&全長4m以下の「新GEZA」インドで登場
115万円から! 日産「新型コンパクトSUV」発表! 日産“唯一”の生き残りマシン! MTあり&全長4m以下の「新GEZA」インドで登場
くるまのニュース
ロングランやタイヤの耐久テストなどテスト項目満載なのが耐久レース!! EWC第2戦 スパ8時間レース レーシングライダー大久保光のレースレポート
ロングランやタイヤの耐久テストなどテスト項目満載なのが耐久レース!! EWC第2戦 スパ8時間レース レーシングライダー大久保光のレースレポート
バイクのニュース
リレーアタック対策は100均グッズでできる? 色んなもので実験してみた。
リレーアタック対策は100均グッズでできる? 色んなもので実験してみた。
くるくら
ビートルの元は軍用車だった? 庶民でもクルマが買える世の中にするために作られたクルマ達
ビートルの元は軍用車だった? 庶民でもクルマが買える世の中にするために作られたクルマ達
ベストカーWeb
英国の小型EVが新記録、メルセデスAMGより速い
英国の小型EVが新記録、メルセデスAMGより速い
レスポンス
「まさかお前が…!?」 セダンやクーペから「“SUV”に変身していた」意外な国産車3選
「まさかお前が…!?」 セダンやクーペから「“SUV”に変身していた」意外な国産車3選
くるまのニュース
アストンマーティンの大苦戦はしばらく続く? アロンソ「今は多くを語らず、改善を続けるのみ」
アストンマーティンの大苦戦はしばらく続く? アロンソ「今は多くを語らず、改善を続けるのみ」
motorsport.com 日本版
シトロエンの小型SUV、『C3エアクロス』EVは航続300km以上…受注開始
シトロエンの小型SUV、『C3エアクロス』EVは航続300km以上…受注開始
レスポンス
どこでも好きにお客を乗せられるワケじゃなかった! タクシーの営業区域ってなに?
どこでも好きにお客を乗せられるワケじゃなかった! タクシーの営業区域ってなに?
WEB CARTOP

みんなのコメント

24件
  • ats
    ドラムかディスクか。制動力か放熱か。コストも含め、永遠のテーマでしょうね。
    どちらかが圧倒的に優れていれば片方は既に無くなっていたでしょう。
  • hid********
    82年頃には倍力装置のないドラムブレーキを前輪に使用した車が結構あった。前輪に倍力装置付きのディスクブレーキを採用する車が増え、倍力装置の有無でブレーキの踏み方がかなり違ったのを覚えている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村