ハリアーやRAV4 PHVなど高額な車両が新車販売台数を支えた
自販連(日本自動車販売協会連合会)及び、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、2020年6月の新車販売台数が発表された(軽自動車は速報値)。それによると、登録乗用車の販売台数は18万2128台(前年同期比73.4%)、軽四輪乗用車は10万1764台(前年同期比85.6%)となった。統計上はまだまだ本調子とはなっていないものの、5月の実績に比べれば、明らかに回復傾向が見えていると言っていいだろう。
トヨタ・ライズが爆発的ヒットも喜べない新車セールスマンの複雑な胸中
このような販売統計が発表されるなか、販売現場をよく知るひとたちの間からは「新車が予想よりよく売れている」という言葉をよく聞く。販売統計数字とは相反するような、整合性がないともいえる話だが、6月17日に正式発売となったトヨタの新型ハリアーはすでに、納車3カ月待ちとなる大ヒット、6月8日に発売されたばかりのトヨタRAV4 PHV(プラグインハイブリッド)は、発売早々に年度内生産分の受注を終了したとして、新規受注を一時停止するとRAV4 PHVのサイトで告知している。
新規バッテリーの生産能力を大幅に上まわる受注となったことがその理由のようだが、RAV4 PHVの月販目標台数は300台なので、発売から1カ月を経たずに、3600台を受注したともいえるだろう。RAV4 PHVの受注停止はレアケースともいえるが、新型コロナ感染ウイルスの感染拡大が一時よりは落ち着いてきたとはいえ、まだまだ世の中が混乱しているなかで、ハリアーやRAV4 PHVといった高額車両がよく売れることについては「(お金を)もっているひとは、もっているんだなあ」と思うひとも多いかもしれない。
ただ高額車両ばかりが売れている、つまり将来への不安のない、所得に余裕のあるひとばかりが新車を購入しているというわけでもなさそうだ。
コロナ感染予防として自家用車の所有を復活させる人もいるようだ
ある事情通は、「WITHコロナの時代になり、たとえば地方から東京へ出張に出かけた際には、公共交通機関を使わずにレンタカーですべて移動するという動きが目立っています。また、得意先営業をしているひとからは得意先から『くるな』とはいわれないようですが、『まさか、公共交通機関を使ってやってこないよね』と念を押されることもあるようです。つまり、公私にわたりクルマでの移動機会が多くなり、その影響も新車需要を後押ししているようです。いままでカーシェアリングを使っていたひとのなかでも、感染予防の観点から自家用車の所有を復活させるといった動きも少なくないようです」とのこと。
現場のセールスマンに聞いても、「新車が売れないという印象はない」という声も意外に多く聞く。販売スタイルの違いで、新車販売に苦労しているセールスマンもいるようだが、日ごろから管理顧客との信頼関係をきちんと形成している、あるセールスマンは、バックオーダーも含め、かなりの数の受注台数を抱えていると聞かされて驚いた。
レンタカーやカーシェアリング、法人ニーズなどのフリート販売などが不調とも聞くので、そのあたりが販売統計の足を引っ張っており、小売りベースで見れば新車販売は思っているより好調となっていると話す事情通もいる。
しかし、6月の様子を緊急事態宣言解除直後の開放感で新車を買ったとか、“コロナ疲れ”から“ヤケ買い”したといった一時的な要因が販売台数に影響を与えていると考えるひともいるので、7月以降の販売台数の推移を注意深く見ていく必要はあるだろう。
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みんなのコメント
外での飲み食いや人と会うのも何となく憚られる空気で、お祭りやイベントも
軒並み中止ときたら、逆にどこかで贅沢をしたくなる気持ちはよく分かる。
それと都市部と地方でかなり温度差はあるんじゃないかな。電車通勤が当たり前
の都市部と車通勤が当たり前の地方では、感染者数もはっきり違ってきてるしね。