■颯爽と駆け抜ける美少女たち。痛車文化はいつから?車検は通るの?
街中で圧倒的な存在感を放つ、車体を美少女で彩った「痛車(いたしゃ)」。最近では、軽自動車からフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーまで、さまざまなクルマに痛車カスタムが施されています。
痛車はミクさんだけじゃない! 痛くなっちゃった様々なクルマを画像で見る(10枚)
簡単に貼れるような小型のものから車体一面にデザインされたラッピングまで、さまざまな種類が存在しますが、実際にはどのように作られているのでしょうか。
痛車は「痛々しいクルマ」の略で、一般的に漫画やアニメのキャラクターなどをモチーフにした塗装などが施されたクルマを指します。
元々は、トラック運転手たちが自分のトラックへ好きな演歌歌手の似顔絵や般若などの日本画を描いたのが起源とされています。
その後、その塗装技術などが現在の痛車へ引き継がれ、ファン活動の一環として2000年代前半から痛車文化が登場しました。
海外でも痛車文化は浸透しており、一部地域では「イターシャ」と呼ばれて親しまれているそうです。また、映画をモチーフにした痛車なども存在し、趣味のひとつとして認知されています。
いまでは、クルマ以外でもその文化は広がり、バイクは「痛単車(いたんしゃ)」、自転車は「痛チャリ」と呼ばれているほか、痛いスノーボード「痛板(いたいた)」なるものも存在。
それぞれの痛車が集まるイベントは全国各地で開催され、なかには自動車学校でおこなわれているものもあります。
また、奇抜な塗装や改造をしている痛車は法律的には問題はないのかという意見もありますが、車検や法律について痛車について明確な基準はありません。
しかし、突起物のある場合やフロントガラスへステッカーを貼っている場合などは、道路交通法違反となり車検も通りません。
多種多様な痛車について、「痛車ステッカー製作専門店」の担当者は次のように話します。
――1か月でどれほどの注文があるのでしょうか。
季節にもよるのですが、忙しいシーズンでは予約を頂いてから制作まで、2か月お待ち頂く時期もあります。例年、冬はオフシーズンなので、冬であれば比較的スムーズに対応できます。
――年齢層や客層について教えてください。
年齢は、10代後半から20代の方が多いのですが、最高で50代の方もいらっしゃいます。客層は、やはりアニメや漫画が好きという方が多く、最近は地下アイドルファンやバーチャルユーチューバーファンからの依頼も増えています。
――注文が多い車種などはあるのでしょうか。
本当に幅広い車種で注文がありますが、軽自動車が多い印象です。ほかには日産「シルビア」、トヨタ「86」、スバル「インプレッサ」などのスポーツカーも多いです。
珍しい車種では、フェラーリなどもあり、高級車の注文も増えています。BMWやメルセデス・ベンツの注文も増えていますし、ランボルギーニでの注文も過去にはありました。
高級車の場合、企業様のアニメ・ゲームイベントなどへの展示用としての注文が多いですが、一般の方もいらっしゃいます。
■痛車を作るにはいくら掛かる?
痛車は、自作でおこなう方法もありますが、専門業者へ依頼するのが一般的とされています。
制作の大きな流れは、「デザイン決定」「ステッカー制作」「貼り付け」の3段階です。すべてをお店へ依頼することもできますが、「デザイン決定」だけを依頼し、それ以降は自分で作業することも可能となっています。
「デザイン決定」では、ステッカーのデザインと大きさを決めます。大きさとは貼り付ける範囲によるもので、ボンネットやサイドのみなどの一部分に貼る場合は「部分ステッカー」、車体の地を見せつつクルマ全体をラッピングする場合は「ハーフラッピング」、車体のほかを一切見せずクルマ全体をラッピングする場合は「フルラッピング」という3種類が選択可能です。
「ステッカー制作」では、デザインを元にステッカーを印刷します。個人で印刷するよりもお店へ依頼した方が、より大きなサイズに対応することができます。
「貼り付け」では、文字通りクルマにステッカーを貼り付けます。業者に依頼した場合、ハーフラッピングでおよそ1週間、フルラッピングで1週間から10日ほどの制作期間が必要です。
制作工程は、シンプルですが気になるのは費用です。最安値は「ステッカー制作」のみを依頼して自分で貼り付けをおこなう場合で、1.3m×1mで9800円からとなっています。
なお、ベース車をセダンとして「ステッカー制作」から「貼り付け」までのすべてを依頼した場合、ハーフラッピングで20万円から、フルラッピングだと60万円からが相場になっているようです。
前出の専門店担当者は以下のように話します。
「すべて委託した場合は、ある程度高額にはなってしまいます。しかし、金額が原因で痛車カスタムに手を出しにくくなってしまうのは悲しいです。
まずは1番コストのかからないステッカー制作依頼から、『とりあえずやってみようかな』と気軽にご相談頂ければ嬉しいです」
※ ※ ※
2000年代前半に登場し、痛車の注文は年々増えているようです。また、前述のとおり、企業がアニメ・ゲームのPRのために制作する場合も増えています。
痛車のインパクトのある見た目は、個人の趣味という世界を超えて、ビジネスにおいても影響を広げているようです。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?