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人とクルマ、そこにある物語を描き出す/安藤俊彦さんの代表作・好きな作品

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人とクルマ、そこにある物語を描き出す/安藤俊彦さんの代表作・好きな作品

人とクルマ、そこにある物語を描き出す
ボクが好きなアルファロメオ、ブガッティ、そしてミニ

 温かみのある独特のタッチで、人とクルマをめぐるストーリーを描き出す作品を発表している安藤俊彦さん。原画は、アクリル絵の具の重なりをヘラなどで掻き取るスクラッチ・ドローイングの技法や、何層にも色を重ねたアクリル絵の具のうねりや厚み、動きのある墨線の盛り上がり(黒のカラーインクと、市販の竹ペンを自分で削ったものを使い、絵の最後に「習字的な感覚で一気に引く」そうです)などがよくわかります。また、絵本作家として、人気の『あかくん』シリーズの6作目を2024年に刊行。今回は、作品のモデルになった自身の愛車、ミニにまつわるエピソードも語ってくれました。

クルマのイラストから鉄道イラストの世界へ “良き時代のアメリカ”を象徴する名車と蒸気機関車

 アルファロメオは、ボクがよく描くモデルのひとつで、作品(1)『アルファロメオ ティーポ 158』は、資料画像の中から、人物とクルマが互いを引き立てあって雰囲気がいいもの(アートの世界では“絡みがいい”と表現します)を参考に描きました。人物たちのファッションは、ボクの好みに仕立てました。制作時間は30時間ほどです。“赤いクルマ”シリーズは、1997年の個展“赤いクルマ”の開催から27年も経ちましたので、そろそろ“part2”の企画を考え、出品作をボチボチ描き溜めていこうと思っています。

 作品(2)『ブガッティ35』は、このシンプルなフォルムが好きで、とくに後ろから見たカタマリ感が気に入って、2CV、フィアット500と同じくらいよく描いています。もともとの資料写真は、グリーンの中にたたずむブガッティを写したもので、そこに、いつもクロッキー・スケッチブックに描き溜めているファッション画の人物を加え、物語を感じさせるような構成を考えました。制作時間はアルファロメオと同じぐらいです。  気をつけている点は、ボク独自のスクラッチ・ドローイングの部分をバランスよく入れることに神経を使っています。

 今後のテーマは、相変わらず仕事はクルマ関係の作品が多いですが、個展用の作品としては人物画中心に描いていきたいと思っています。

『あかくん』シリーズ最新作 『あかくん しゅうりやさんにいく』

 この小さなイギリス車、ミニの魅力は万人が感じる可愛さ(子供の絵本にピッタリ)に尽きると思います。初めてクルマの絵本の依頼が来たとき、真っ先に自分の愛車ミニの物語にしようと思いました。  実際、ボクが乗っていたミニは『あかくん』と真逆で、内装が真っ赤、ボディーカラーはホワイトホールベージュ、“ミニ・ケンジントン”という日本専用の特別仕様車でした(笑)。1997年から2012年まで15年間乗りましたが(愛車の中で最も長い)、あまり手がかからないクルマでした。

 ただ、ミニのようなペット的なクルマは手放すときが大変。乗り継いでくれる友人に手渡すとき、走り去る後ろ姿を夫婦で見送りながら、涙がとまりませんでした。

 2002年出版の最初の『あかくん まちをはしる』から22年。作品(3)の最新作『あかくん しゅうりやさんにいく』で、シリーズ6冊目になりました。実際に乗っていたミニより7年も長く絵本の中で走っています(感謝!)。だんだん『あかくん』ネタもなくなり困っていたところ、たまたま宮崎で知り合った友人のつきあいで修理屋さんに行くことになり、今回このような物語になりました。

 描くポイントは、子供は派手な色を好むので、絵本は発色のいいカラーインクで描いています。それから、絵本の上でミニカーを走らせて遊ぶ子供たちのために、主人公の「あかくん」をできるだけ43分の1のミニカーサイズに描いています。見て、走らせて楽しむ絵本で、クルマへの好奇心を育ててほしいと思います。

インタビュアー/山内トモコ

あんどうとしひこ/1956年、静岡県出身。広告会社勤務後、独立。クルマやバイク、街の景色などのイラストを得意とし、絵本作家としても活動。愛車はアピオ・ジムニーTS7(コンプリートカー)と、ホンダN-ONEプレミアムツアー。 AAF(オートモビル・アート連盟)会員。宮崎県在住

やまうちともこ/TOKYO-FMパーソナリティを20年以上つとめ、インタビューした人1000名以上。映画評論家・品田雄吉門下生。ライター&エディター

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