2.0L直4から4.4L V8まで多彩なエンジン
構成される部品単体の合計より、組み合わされた完成体の能力が遥かに優れる例が存在する。G30型のBMW 5シリーズは、間違いなくその1つへ数えられる。
【画像】スーパーなM5から堅実なディーゼルまで BMW 5シリーズ(G30型) ツーリングも 全102枚
もちろん部品ひとつひとつの完成度も高いが、それらがBMWの工場で組み立てられると、見事な仕上がりへ昇華される。それは中古車でも変わらない。むしろ、新車よりお手頃という点で勝るかもしれない。
パワートレインの選択肢は多彩。英国仕様の場合、ガソリンターボでは520iの2.0L 直列4気筒や540iの3.0L直列6気筒のほか、ツインターボになる4.4L V8のM550iまで選べ、プラグイン・ハイブリッドは530eの他に、2021年以降は545eも投入された。
もしスーパーカー級の動力性能を求めるなら、標準で600ps、コンペティションなら625ps、CSでは635psを発揮する、4.4L V8ツインターボのM5もある。もちろん、お高いが。
ディーゼルターボでは、英国のベストセラーとなっているのが2.0L 4気筒の520d。一段パワフルな3.0L 6気筒の530dもある。
2021年以降は、すべての4気筒と6気筒エンジンへ電圧48Vによるマイルド・ハイブリッドが組み合わされている。トランスミッションは共通して8速オートマティック。一部のモデルには、xドライブと呼ばれる四輪駆動も設定される。
コーナリングも高速巡航も得意分野
英国の場合、トリムグレードはSEとMスポーツの2種類。ベースグレードのSEでも、ヒーター付きレザーシートにデュアルゾーン・エアコン、LEDヘッドライトなど、装備に不足はまったくない。
Mスポーツを選ぶとホイールが大径になり、見た目とサスペンションがスポーツ仕様になる。とはいえ、どちらを選んでもクラストップのドライビング体験を堪能できる。
520iや530iが搭載するベーシックな2.0L 4気筒でも洗練されており、3.0L 6気筒の540iや4.4L V8の550iでは圧倒されるほどのパワフルさを披露する。ディーゼルターボも質感に優れ、520dでも力不足は感じないだろう。
プラグイン・ハイブリッドの530eは運転が楽しく、速さは充分以上。静かで滑らかに先を急げる。545eは、更に余裕が生まれる。
正確なステアリングとバランスに長けたシャシーが叶える、シャープなコーナリングは5シリーズが得意とするところ。風切り音やロードノイズは小さく、高速巡航の能力にも長けている。
SEグレードはサスペンションがしなやかで、アルミホイールがMスポーツほど大きくなく、乗り心地は穏やか。ただし、負荷が高まると若干落ち着きを失う場合はある。乗り心地を優先するなら、アダプティブダンパーを備えた例が望ましい。
iドライブ・システムは最高峰の完成度
インテリアの設えは、プレミアム・ブランドのサルーンならでは。メーターパネルはモニター式で、ダッシュボードには12.3インチのタッチモニターが据えられ、すべての操作系のレイアウトに不満は感じないはず。
インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。BMW独自のiドライブ・システムは、最高峰の完成度といえる。センターコンソールにはショートカットキー付きのロータリー・コントローラーがあり、操作性も秀抜だ。
内装の素材は高品質で、デザインにも落ち着きがあり、上級モデルらしい雰囲気が漂う。シートは大柄で座り心地に優れ、車内空間は前後ともに広々。荷室もスクエアな形状で大きい。
まだ現行モデルとなるG30型の5シリーズだが、2016年の発表ということで比較的お手頃な中古車が流通し始めている。英国の場合、初期型なら1万8000ポンド(約289万円)程度から探すことができる。殆どがディーゼルターボの520dになるようだ。
2018年式から2019年式では、2万2000ポンド(約354万円)前後へ価格帯が上昇。2020年式になると、3万2000ポンド(約515万円)前後、フェイスリフト後の2021年式では、3万5000ポンド(約563万円)前後が英国の相場となっている。
知っておくべきこと
G30型5シリーズの平均燃費は、520dで20.0km/Lと良好。ディーゼルターボは全般的に優秀だ。プラグイン・ハイブリッドの530eの場合、電気だけで走行可能な距離はフェイスリフト前で最長46km。2021年のフェイスリフト後は59kmへ伸びた。
AUTOCARの姉妹メディアの調査によると、信頼性ではガソリンターボの方が上。ポイントは95%を得ている。ディーゼルターボでは90.4%、プラグイン・ハイブリッドは91.6%と、差が開いている。
トリムグレードとスペック
Mスポーツ・プロ:通常の5シリーズでアダプティブダンパーが組まれるのは、Mスポーツ・プロ。予算が許すなら、間違いなく選ぶ価値はある。
購入時に気をつけたいポイント
リコール
複数のリコールが英国では出されている。リア・ドライブシャフトの耐久性が充分ではない可能性、エグゾーストの循環系に不具合があり出火する可能性、カーテンエアバッグの膨張装置に不具合があり、正常に展開されない可能性が報告されている。
プラグイン・ハイブリッドの場合は、駆動用バッテリーに不純物が混合し、ショートする可能性もある。購入時はディーラーへ持ち込み、すべて対応済みか確認したい。
英国編集部の推しチョイス
ベスト:530e
英国編集部のお気に入りグレードとなるのが、プラグイン・ハイブリッドの530e。速く滑らかで上質で、短距離なら駆動用バッテリーだけで走行可能。充電をこまめに繰り返せば、驚くほどの燃費を得られる。中古車の場合、520dとほぼ価格は同等なようだ。
ワイルドカード:M5 CS
最高速度300km/h以上、0-100加速3.0秒のスーパーサルーン。市街地を穏やかに走れ、実用性は通常の5シリーズと変わらず、誠実な雰囲気ながらドライバーの気持ちも掴める。高価とはいえ、最高のドライバーズカーの1台だ。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
うっかりで…「ゴールド免許」剥奪? 無事故&無違反でもブルー免許に格下げ? 絶対に“注意すべき”コトとは
熊本バス・鉄道5社「交通系ICカードやめます」 停止は年内予定、公共交通の運賃収受は本当にこれでいいのか?
ホンダ新型「“ミニ”ステップワゴン」初公開!? 大人気「コンパクトミニバン」8年ぶり全面刷新! フリード&ステップワゴン“共通性”持った理由とは
小さなランクル登場へ!! [ランクルFJ]は伝統のラダーフレーム採用! 約350万円で2024年末登場か!?
ホンダ「新型スポーティコンパクト」登場へ まさかの「次期シティターボ」!? 丸目“旧車デザイン”で期待の「斬新モデル」 26年に投入なるか
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
左折するのに右にハンドルを切るのは道交法違反!?「右振り左折」は安全面・マナー面的にも悪癖なので改めましょう
復活の三菱パジェロ。トライトンベースで2026年に日本導入へ!
“これ本当にEVなの!?”ヒョンデの本気[IONIQ5 N]がマジで楽しい!! シフトアップまでできる!? 650馬力で超速加速を見せる
日産「新型スポーツSUV」まもなく登場へ! 430馬力超え×「GT-Rの技術」融合!? 6月発売の最強”フラッグシップ” 新型「アリア NISMO」 どんなクルマ?
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?