現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > トラックの聖地に“女帝”降臨。地元ハルムがキャリア通算10勝目、アルバセテも今季初優勝/ETRC第4戦

ここから本文です

トラックの聖地に“女帝”降臨。地元ハルムがキャリア通算10勝目、アルバセテも今季初優勝/ETRC第4戦

掲載
トラックの聖地に“女帝”降臨。地元ハルムがキャリア通算10勝目、アルバセテも今季初優勝/ETRC第4戦

 欧州トラックレーシングの"聖地"とも称されるドイツのニュルブルクリンクにて、7月13日~14日に争われたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第4戦は、結果的に開幕から無双状態に突入している王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が、昨季から継続する“年間予選全セッション制覇”の記録を堅持し、土日双方のオープニングヒート(レース1、レース3)を制することに。

 しかしリバースグリッド採用の土曜レース2と日曜レース4では、それぞれ新たなウイナーが誕生する待ち望まれた展開となり、土曜は最前列から素晴らしいスタートダッシュを決めたシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)が、シリーズ6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)と王者キスを抑えて今季初、キャリア通算10勝目を獲得。日曜もハーンの猛攻を凌いだスペイン出身アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)が今季4人目の勝者となっている。

“王者の行軍”を止めた! ヨッヘンとルーカスのハーン親子が日曜最終ヒートで共闘勝利/ETRC第3戦

 開幕2戦で両日の予選最速から週末4ヒート完全制覇の“グランドスラム”の偉業を連発した王者キスだが、前戦ベルギーのゾルダーではクローム登録のルーカスと共闘したハーン親子にその牙城を崩されるなど、その連続記録はついに途切れることとなった。

 しかしトラックの聖地で迎えた週末最初の予選では、地元観客の前でハーンのポールポジション獲得を阻止し、王者の貫禄を示したキスが後続に0.8秒もの大差をつけ定位置を確保した。

 これで今季7度目のポールシッターとなったチャンピオンは、そのままハーンの追撃を振り切り12周を走破。まずは幸先よくポール・トゥ・ウインを決めてみせる。しかし、この週末最初のヒートで奮闘したのがハルムで、ファイナルラップでステフェン・ファース(タンクプール24レーシング/スカニア)を仕留め8位でフィニッシュした彼女が、続くレース2に向けトップ8リバースの優位を手にした。

 これが決定的な要素となり、続くレース2で首位発進から逃げたハルムは、背後のクローム登録ホセ-エドゥアルド・ロドリゲス(レボコノート・レーシング・トラック・チーム/マン)を防御壁としつつ、良好なパフォーマンスを発揮していく。

 このオープニングラップの中段で3ポジションを上げたキスは、前方のハーン親子を攻略すべく息子のルーカスと肉弾戦を演じ、ここで弾かれた帝王の子息はレーストラック外へと弾き出されることに。

■ミッションに不具合を抱えても勝つ王者

 一方、ロドリゲスがもう少し長く守備を続けてくれることを期待していた首位ハルムだが、残り2周でバックミラーにヨッヘンとキスの2台が迫ってくる。チェッカーフラッグが振られるまで1.5秒の差がわずか1秒に縮まる緊迫した状況のなか、プレッシャーを見事に処理した彼女が待望の復活勝利を飾った。

「こんな大勢の観客が見守るグランドスタンドの前で、パートナーやファンと一緒にここ『トラック・グランプリ』で勝利することは、まさに夢ね!」と喜びを語ったハルム。

「残念ながら前回のレース(ゾルダー)では同じ機会を活かすことができなかったけど、この選手権と密度の高いフィールドを考えると、この勝利には本当に満足している。チームと、ここ現場にいる多くのファンに多大な感謝を送りたい。みんなのサポートは本当に素晴らしいです」

 明けた日曜も、ハーンに対しわずか0.274秒と差は縮められつつ、キスが今季8度目のポールポジションを獲得し、レース3がスタート。しかしここで真紅のMANにはギアボックスのトラブルが疑われ、一時は4番手までポジションを下げてしまう。

「ギアを選ぼうとしたが、セレクトした場所に入らなかった」と明かしたキスだが、なんとか宥(なだ)め賺(すか)して走行可能なギアをチョイスし、サッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)やロドリゲスを仕留めると、終盤にはハーンのリヤバンパーに迫って首位奪還を狙う勢いを取り戻す。

 ここで11周目にハーンが小さなミスを犯したのを見逃さなかったキスは、シケインを抜ける際にスイッチバックを決めてファイナルラップへ突入。ニュルブルクリンクのファンが待ち望んでいたハーン勝利の夢も打ち砕く、今季13勝目を手にした。

 迎えた最終ヒートも最前列からスタートしたハルムだったが、ここでターン1のホールショットを奪ったのは隣に並んでいたアルバセテで、チェッカーフラッグまでその位置をキープ。最終的にハーンやレンツが表彰台に上がり、そして王者キスにもかわされた彼女は5位に留まる結果となった。

 最終レース4で今季初のポディウム圏外となったキスだが、ここからシリーズは本格的なサマーブレイクを経ることに。続くFIA ETRCの2024年シーズン第5戦は、8月31日~9月1日にチェコ共和国のモストで再開のときを迎える。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【スーパーGT】ここまで6戦4勝……猛威振るうトヨタ・GRスープラと対照的に、苦戦気味のホンダ・シビック タイプR。今季の最低地上高変更も一因か
【スーパーGT】ここまで6戦4勝……猛威振るうトヨタ・GRスープラと対照的に、苦戦気味のホンダ・シビック タイプR。今季の最低地上高変更も一因か
motorsport.com 日本版
トヨタ「“新型”ハイエース」いつ登場!? デビューから20年の「大人気 “商用車”」は電動化? 巨大化? 次期型モデルの“ゆくえ”とは
トヨタ「“新型”ハイエース」いつ登場!? デビューから20年の「大人気 “商用車”」は電動化? 巨大化? 次期型モデルの“ゆくえ”とは
くるまのニュース
スプリントで勝利したフェルスタッペン、予選は黄旗に阻まれ2番手「PP争いできたのは良いこと。競争力が戻ってきた」
スプリントで勝利したフェルスタッペン、予選は黄旗に阻まれ2番手「PP争いできたのは良いこと。競争力が戻ってきた」
AUTOSPORT web
【途中経過】2024年スーパーGT第7戦オートポリス 決勝1時間半時点
【途中経過】2024年スーパーGT第7戦オートポリス 決勝1時間半時点
AUTOSPORT web
F1第19戦、2強対決の予想を覆し、フェラーリが1-2フィニッシュ達成【アメリカGP 決勝】
F1第19戦、2強対決の予想を覆し、フェラーリが1-2フィニッシュ達成【アメリカGP 決勝】
Webモーターマガジン
ステアリングだけで運転する「SeDV」とは? マツダは「MX-30」と「CX-30」に手動運転装置を装備し、人馬一体の走る歓びを提案します!
ステアリングだけで運転する「SeDV」とは? マツダは「MX-30」と「CX-30」に手動運転装置を装備し、人馬一体の走る歓びを提案します!
Auto Messe Web
【MotoGP】ウイング無しのMotoGPバイクでもやれる!? 「羽無し走行は素晴らしかった。ペースも良かった」とラウル・フェルナンデス|オーストラリアGP
【MotoGP】ウイング無しのMotoGPバイクでもやれる!? 「羽無し走行は素晴らしかった。ペースも良かった」とラウル・フェルナンデス|オーストラリアGP
motorsport.com 日本版
秋空に懐かしの名車が映える…20世紀ミーティング2024秋季
秋空に懐かしの名車が映える…20世紀ミーティング2024秋季
レスポンス
長年「出ては消え出ては消え」の繰り返し……もレクサスLBXがついに打破! 日本車が苦手だった「小さな高級車」苦戦の歴史を振り返る!!
長年「出ては消え出ては消え」の繰り返し……もレクサスLBXがついに打破! 日本車が苦手だった「小さな高級車」苦戦の歴史を振り返る!!
WEB CARTOP
現行ラパンのデザインはなんと「60年前のクルマ」がモチーフ! 旧車「スズキ・フロンテ」はデザインのプロを唸らせるセンスの塊だった
現行ラパンのデザインはなんと「60年前のクルマ」がモチーフ! 旧車「スズキ・フロンテ」はデザインのプロを唸らせるセンスの塊だった
WEB CARTOP
フェラーリ新型スーパーカー「F80」が登場! 最高出力1200馬力、限定799台、お値段なんと5億円オーバー。【新車ニュース】
フェラーリ新型スーパーカー「F80」が登場! 最高出力1200馬力、限定799台、お値段なんと5億円オーバー。【新車ニュース】
くるくら
台湾イチ長いトンネルを抜けた村でなぜか「日本語がよく通じた」のですが… 地域の伝説「もう一回さん」
台湾イチ長いトンネルを抜けた村でなぜか「日本語がよく通じた」のですが… 地域の伝説「もう一回さん」
乗りものニュース
WRCセントラル・ヨーロピアン・ラリー、ヒョンデのタナクが勝利。トヨタ逆転タイトルの可能性残し日本へ
WRCセントラル・ヨーロピアン・ラリー、ヒョンデのタナクが勝利。トヨタ逆転タイトルの可能性残し日本へ
motorsport.com 日本版
約235万円! 三菱「新型ミラージュ」発表! スポーティな“黒”の「コンパクト”セダン”」!  新たな「ブラックシリーズ」比国で登場
約235万円! 三菱「新型ミラージュ」発表! スポーティな“黒”の「コンパクト”セダン”」! 新たな「ブラックシリーズ」比国で登場
くるまのニュース
ホンダ版も存在した、初代『ディスカバリー』が登場してから早33年【懐かしのカーカタログ】
ホンダ版も存在した、初代『ディスカバリー』が登場してから早33年【懐かしのカーカタログ】
レスポンス
専用クロノグラフも! 新型「ポルシェ911 GT3」「911 GT3ツーリングパッケージ」登場
専用クロノグラフも! 新型「ポルシェ911 GT3」「911 GT3ツーリングパッケージ」登場
LE VOLANT CARSMEET WEB
【スーパーGT2024 第7戦オートポリス】なんて日だ!17台ごぼう抜きからのクラッシュ
【スーパーGT2024 第7戦オートポリス】なんて日だ!17台ごぼう抜きからのクラッシュ
Auto Prove
ハミルトンのリタイアは、アップデートのせい?「クルマがバウンドしていた。ラッセルのクラッシュと同じだ」
ハミルトンのリタイアは、アップデートのせい?「クルマがバウンドしていた。ラッセルのクラッシュと同じだ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村