BENTLEY BENTAYGA SPEED
ベントレー ベンテイガ スピード
メガーヌR.S.カップを土砂降りのサーキットで試乗! これは手の届くスーパースポーツカーだ【動画レポート】
最高速度306km/h! ウルスを上回るベンテイガ スピード
「カウンタックLP400の最高速度は300km/h、512BBは302km/h。だから512BBの方が速い!」「いやいや、カウンタックLP500Sは315km/hだから、LP500Sがイチバン!」
子供の頃にスーパーカーブームを経験した人なら、駄菓子屋の前や教室でスーパーカーカードをめくりながら最高速自慢をした思い出を持っているかもしれない。
あれから40年以上が経った今、俄かには信じられないことだがオーバー300km/hの“最速”を巡る争いはSUVの世界にも飛び火し、日々その過熱ぶりを増している。
今年3月、ベントレーは2015年にデビューした同社初のSUVであるベンテイガのホットモデル「ベンテイガ スピード」を発表した。そこで公表された最高速度はなんとスタンダードのW12から5km/hアップの306km/h! ランボルギーニ ウルスの305km/hを上回る、文字通り“世界一速い”SUVの登場である。
「たった1km/h!」と思われる方もいるかもしれないが、300km/hを超える世界で1km/hでも最高速度を伸ばすのには、並々ならぬ努力と技術を必要とする。しかも全長5140mm、全幅1998mm、全高1742mmという巨体である。単純に空気抵抗の面から見てもウルスに対して圧倒的に不利なのは明らかだ。
635ps&900Nmを発揮するW12ツインターボ
ではどうやって彼らはベンテイガ スピードを仕立てあげたのか? 実はそのレシピは意外なほどシンプルなものだった。
まずノーズに収まる6リッターW12 DOHCツインターボTSIエンジンに関しては、過給圧やマッピングの変更で、900Nmの最大トルクは変わらないものの、最高出力27psアップの635psを達成。またエクステリアではフロントバンパー、ボディサイド、リヤバンパーにスポイラーが付いたほか、リヤスポイラーも大型化。足まわりは、前後ともに285/40ZR22のピレリP-ZEROを標準で履いている以外、基本的にはサスペンションのマッピングを変更しただけで、ボディ自体の剛性強化なども施していないという。
「本当にそれだけ?」
と聞き返してしまったが、本当にそれだけとエンジニア氏は断言する。逆に言えば、それだけのポテンシャルがベンテイガには元々秘められていたということなのだろう。
ごく少数のジャーナリストを招いて試乗会が行われたのは、イギリス・ウェールズ北西岸に接するアングルシー島にあるアングルシー・サーキット。しかも我々のインストラクターを務めてくれるのは、ファクトリー・ドライバーとしてスーパーGTのGT300にも参戦したスティーブン・ケイン(右)と、2003年のル・マン24時間でスピード8を操りベントレーに73年ぶりの優勝をもたらしたウイニング・クルーのひとりでもあるガイ・スミス(左)の2人という、豪華な布陣である。
従来型比で27psアップは数字以上の効能
これまでW12もV8もドライブしたことはあるものの、サーキットで走らせるのはこれが初めて。「コンフォート」、「ベントレー」、「スポーツ」、「カスタム」と4つある走行モードからオンロードでの走行に適切な「ベントレー」を選んでスタートする。
最初は635psと聞いて身構えていたのだが、アクセルペダルに対するレスポンスはスムーズかつ素直なもので、荒々しさや気難しさは全くない。しかしながらスティーブン・ケインの「踏んで!」の声とともにアクセルペダルに力を込めると、サイドサポートのしっかりしたシートに身体が押し付けられるほど、猛然とベンテイガ スピードは加速する。乗る前は「たった27psアップでしょ?」と思っていたけれどその効能は明らかで、635psのフルパワーは痛快そのもの。それでいて曲がる、止まるという基本がしっかりしているうえに、ベンテイガ本来の乗り心地の良さも失われていないのだから驚く。
コーナーでは、ロールを抑え込んで路面に吸い付く!
それだけでも十分なのだが、モードを「スポーツ」にしてからがまた凄い。正直なところエンジンや8速ATのレスポンスに関しては大きく変わったという印象を持たなかった(元々が凄すぎるということもある)ものの、エアサスペンションが明らかに締まり、48Vシステムのベントレーダイナミックライドも相まって、「ベントレー」モードでは僅かに感じられたロールすらも抑え込んで“ビタッ”と路面に吸い付くようなフラットライドを見せるのである! さすがに乾燥重量2491kg(総重量3250kg)という巨体ゆえ、ライトウェイトスポーツカーのようなヒラヒラ感はないものの、イギリスにしては珍しくアップダウンがあり、タイトでテクニカルなコーナーの多い全長3.4kmのコースをかなりのハイペースながら終始安定した姿勢で走り抜くパフォーマンスには圧倒されてしまった。
試しにガイ・スミスに全開の同乗走行もお願いしてみたのだが、かなり強引にターンインしても、コーナーの出口で早めにスロットルを開けても、スタビリティコントロールがちゃんと介入してクルマが暴れるようなことはなかった。また、テストした個体に付いていたオプションの大径セラミック・ブレーキの効果も絶大で、高速コーナーからのシケインや、下り坂の後のヘヤピンなどブレーキにキツい場所でも彼のハードなブレーキングに応え、短い距離で確実にスピードを殺してくれた。流石にサーキットを全開走行しようと思うオーナーは少ないかもしれないが、高い走行性能に対する安全マージンを確保するという意味でも選ぶべき必須の装備といえる。
日本市場には20台のみ導入
残念ながら最高速度を試すことはできなかったものの、ベンテイガ スピードが“最速のSUV”を謳うのにふさわしいパフォーマンスの持ち主であることは、しっかりと確認できた。日本市場への導入はわずか20台のみ。「打倒ウルス」を目指すなら、一刻も早くディーラーへと急ぐことをお勧めする。
REPORT/藤原よしお(Yoshio FUJIWARA)
【SPECIFICATIONS】
ベントレー ベンテイガ スピード
ボディサイズ:全長5140 全幅1998 全高1742mm
ホイールベース:2995mm
乾燥重量:2491kg
車両総重量:3250kg
前後重量配分:57.5 / 42.5
エンジン:W型12気筒DOHCツインターボ
ボア×ストローク:84×89.5mm
総排気量:5950cc
圧縮比:10.5
最高出力:467kW(635ps)/5000 – 5750rpm
最大トルク:900Nm/1500 – 5000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
ステアリング形式:電動パワーアシスト(可変レシオ)
サスペンション形式:前4リンク ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(スチール or セラミック)
タイヤサイズ:前後285/40ZR22
最高速度:306km/h
0→100km/h加速:3.9秒
CO2排出量(EU):308g/km
車両本体価格(税込):2945万4545円
【問い合わせ】
ベントレーコール
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