これが皆が好きな「ホンダ」だ！ 売れ行きは「イマイチ」だけど「チャレンジングスピリット」満点の珍車４台

　この記事をまとめると

■ホンダはどのメーカーでもやらないようなことにチャレンジしている

■高い技術力を生かすも、販売期間が短く短命に終わりがちだ

■こだわりが強すぎるが故にコストが上がってしまい価格が高額になり売れない結果に

　売れるかどうかは別問題！　それでも市販化するホンダの決断力

　日本初のスーパーカーとも言われるNSXや、背の低い3列シートミニバンとして大ヒットしたオデッセイなど、ホンダらしさがヒットにつながった名車は多く存在しているが、その一方でその独創的すぎるユニークさがまったく販売に繋がらなかった珍車も存在している。

　今回はそんなチャレンジングかつユニークであったものの、残念ながらヒットしなかったホンダ車をピックアップしたい。

　１）CR-Xデルソル

　シビックをベースとしながら、さらに短いホイールベースやスパッと切り落とされたリヤ部など、ボーイズレ―サーとして人気を博していたCR-X。そんなCR-Xが3代目となったとき、突如として登場したのがCR-Xデルソルだった。

　CR-Xの派生車種ではなくれっきとした後継車種として登場したデルソルは、シビックがベースであることは先代と同一ながら、脱着式のルーフを持つ2シータータルガトップ車になっており、それまでの硬派なボーイズレーサーから一変してしまっていたのだ。

　今考えればクーペカブリオレの先駆けとも言え、ホンダのオープンスポーツの流れを汲む1台とも言えるのだが、さすがに当時のファンからは驚きと落胆の声が大きかったのだった。

　２）アヴァンシア

　パッと見はミドルサイズのステーションワゴンにも見えるアヴァンシアは、新しい形の高級車という位置づけでリリースされたもの。そのため、インパネシフトやウォークスルー機構といったミニバン的な要素も持ちながら、2列5人乗りとした広い室内空間を持っていた。

　搭載されるエンジンも車格からすると大型の直列4気筒2.3リッターとV型6気筒3リッターを設定。V6モデルにはホンダ初となる5速ATが搭載されたほか、現在のアダプティブクルーズコントロールの元祖となるIHCC（インテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロール）がオプションで設定されていた。

　このように新たなコンセプトを持って登場したアヴァンシアではあるが、そのコンセプトが多くのユーザーに理解されることはなく、1代限りで姿を消すこととなってしまった（名前だけは中国で復活しているが、そちらはクロスオーバーSUVとなっている）。

　売れるかどうかは別として、ユニークさこそホンダのお家芸！

　３）インサイト（初代）

　世界初の市販ハイブリッド乗用車としてプリウスが登場してから2年後の1999年に、ホンダも量産ハイブリッド車をリリースすることとなった。それこそが初代インサイトだ。

　ただ、一般的な4ドアセダンスタイルだったプリウスに対し、インサイトは初代や2代目のCR-Xを思わせる2ドア+リヤゲートというスポーティな装いで登場。乗車定員も2名とし、リヤタイヤには空気抵抗を軽減するスパッツが装着されるなど、近未来的なルックスとなっていた。

　また、ボディにはNSXで培ったアルミ加工技術を惜しげもなく投入し、車両重量は800kg台前半を実現。その結果、カタログ燃費はプリウスを上まわる35.0km/Lという当時の世界最高の数値をマークした。しかし、ふたりしか乗れないハイブリッド車は一部の新しい物好きにしか刺さらず、販売面では苦戦。結局2代目インサイトは当時のプリウスと同様の5ドアハッチバックとなってしまった。

　４）Z

　スペシャリティクーペとして知られる初代と同様の名前を持ちながら、まったくキャラクターの異なる軽SUVとして1998年に復活したホンダZ。見た目こそ同時期のジムニーのような3ドアのSUVスタイルだが、ユニークだったのはその中身だ。

　なんと、エンジンをミッドシップにマウントしてしまったのである。さらに前後重量配分50:50を実現するために縦置きかつ横倒しにして搭載されていたのだ。運動性能にこだわるスポーツカーではなく、SUVにもかかわらず。

　フロントにエンジンがなく、床下に配置したことで、軽自動車でありながらコンパクトカーに匹敵する室内長を実現していたZではあるが、3ドアのみのラインアップだったことでその美点もそこまで活かすことができず、凝った造りが故に車両価格も高額となってしまったことも影響し、わずか3年で姿を消してしまっている。

Comments

勝手に皆んなという括りにするなよ。

アバンシアはトヨタオーパやナディアとは違ったアプローチで新鮮でした。
アコードエアロデッキの５ドアとして売り出したら、また違った客層にウケたかもしれない。
いかんせんフィットやストリームの人気に隠れてしまいましたが、珍車ではない。