現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > マツダは直6ディーゼルを作り続けるつもりなのか? 電動化には対応できるのか?

ここから本文です

マツダは直6ディーゼルを作り続けるつもりなのか? 電動化には対応できるのか?

掲載 154
マツダは直6ディーゼルを作り続けるつもりなのか? 電動化には対応できるのか?

 年々、厳しくなっていく一方の排ガス規制と燃費規制。もはや電動化は全自動車メーカーに課せられた課題であり、CAFE(企業平均燃費)のクリアは喫緊の課題だ。その状況のなか、果敢にも直6のクリーンディーゼルをCX-60に搭載したマツダだが、果たしてこのままこのエンジンを作り続けるのか、電動化にも対応は可能なのか、国沢光宏氏が斬る!

本文/国沢光宏、写真/マツダ、ベストカー編集部

マツダは直6ディーゼルを作り続けるつもりなのか? 電動化には対応できるのか?

■環境軽視だと英国トラス首相も就任間もなく辞任の憂き目に

マツダCX-60。直6の3.3Lクリーンディーゼル搭載車を販売しているのは実は日本国内のみとなっている

 あまり知られていないことながら、マツダCX-60のディーゼルエンジン搭載モデルが販売されるのは日本だけである。こう書くと、「欧州での主力パワーユニットとして開発されたんじゃないんですか?」となるだろう。

 そのとおりで、今までCX-60の開発を担当してきた人たちは「絶対に電気自動車の時代にはならない!」と主張し、欧州でディーゼルを華々しく展開するつもりだった。

 しかし! 5年前から時代は脱エンジンの方向をしっかり向いており、欧州(EU)全体の意向として電気自動車に主力を置くこととしている。ウクライナ侵攻やOPECの原油減産を受けても悲鳴こそあげているものの、日和ることなく脱エンジンに向けて動き続けている。

 直近だと「コストがかかる環境対策は軽視」とブチあげた英トラス首相があっと言う間に支持率3%と窮地に陥り、辞任。さまざまな分野を取材しても、随所で「脱化石エネルギー」の強さを感じる。

■CAFEに引っかかるディーゼルエンジン

二酸化炭素削減効果では通常のガソリンエンジンよりも劣るのがクリーンディーゼルの宿命だが……(写真はCX-5の2.2Lクリーンディーゼル)

 閑話休題。マツダのディーゼルでした。そんなことから二酸化炭素削減効果の大きいディーゼルに対する締め付けは厳しい(ディーゼルを許してしまうと、皆さん一時凌ぎのため重用し、これでいいかという論調になる)。排気ガス規制や燃費規制などで事実上ディーゼルを閉め出す方向に動いている。

 マツダの場合、そもそも燃費のいいクルマが少ない。ディーゼルとしちゃ燃費いいとはいえCAFE(企業平均燃費)に引っかかってしまう。ディーゼル車、燃料となる軽油に含まれる二酸化炭素量がガソリンより10%程度多いため、CAFEだとガソリン車より10%程度燃費が悪いとされる。今や欧州のディーゼルはマツダ以外も絶滅危惧種になった。ランクル300だって出せないです。

 アメリカはどうかといえば、排気ガス規制で厳しい。伝統的にディーゼル嫌いというお国柄であり、そのうえ、VWのディーゼルゲート(不正事件)で決定的なダメージを与えた。米国政府海洋大気局はディーゼルを毛嫌いしているように見える。

 実際、ディーゼルの排気ガスには規制対象外となっているナノレベルの微粒子が大量に含まれており、そいつを吸うと肺胞から直接血液に混ざると言われてます。

 当然の如くCX-60のディーゼルも出せない。中国や新興国はどうかとなれば、日本で生産したクルマは罰則的な関税がかけられるため実質的な禁輸。オーストラリアなど大洋州も厳しい環境にある。可能性あるのは中東くらいだろうか。

 とはいえ、お金持ちの中東だとディーゼルより高品質な直6ガソリンのニーズ高い。消去法で考えていけば日本しか売れないということになります。

■CX-60は2030年の燃費規制はクリアできない……

CX-60は2030年の燃費規制をクリアできない可能性が大きい。それまでにマツダファンならずとも積極的に乗っておきたいモデルだ

 となると気になるのは「日本でいつまで売れるのか?」という点。日本も燃費規制や騒音規制が厳しくなっていく。最初のハードルは2027年くらいに既存車を含めた規制強化となる騒音だと思う。

 ここをクリアできても、新型車を対象にした2030年の燃費規制は相当難しい。したがってCX-60の場合、フルモデルチェンジできないということになります。絶滅確定種ということ。

 逆に考えると、それまでは買える。残念ながら現在購入できるマイルドハイブリッド付きディーゼルは低速時のドライバビリティでさまざまなショックを出すし、そもそも40km/h巡航状態からのアクセル全開に代表されるレスポンスで決定的な課題を持つ。

 ということから、おすすめはモーターを持たない純エンジンのディーゼルになる(このエンジンも未試乗)。面白い存在だと思う。

 もし、予想どおり素直な走りを見せてくれるなら、モーター嫌いの人には経済性が高くて楽しいという超お買い得モデルである。マツダファンには100%推奨しておくし、マツダファンじゃなくても積極的に試乗してみることを薦めたい。

 直6の大排気量ディーゼルエンジン、どんな評価基準を持ってしても素晴らしい! 特に年間走行距離の長い人にピッタリだ。

 マツダのディーゼルといえばススの溜まりを気にする人もいるけれど、改良により2.2Lディーゼルの10分の1くらいに減少しているそうな。1回に30分以上走るような人なら気にしなくていいレベルになったという(マツダの開発担当者談。現物は未確認です)。

 最後のエンジン車を考えているなら有力候補にしていい。相当の確率で2030年あたりに絶版となります。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

699万円!? トヨタ「クラウンスポーツ」の“精悍カスタム仕様”登場! 圧巻“ド迫力エアロ”が超カッコイイ! ワイド感「マシマシ」のKUHL JAPANコンプリートカー誕生
699万円!? トヨタ「クラウンスポーツ」の“精悍カスタム仕様”登場! 圧巻“ド迫力エアロ”が超カッコイイ! ワイド感「マシマシ」のKUHL JAPANコンプリートカー誕生
くるまのニュース
え、なんで売ってんの!? フェラーリ458イタリアのボディ一式が売ってるゾ
え、なんで売ってんの!? フェラーリ458イタリアのボディ一式が売ってるゾ
ベストカーWeb
世界的タトゥーアーティストとベントレーアメリカズがコラボレーションカーを発表
世界的タトゥーアーティストとベントレーアメリカズがコラボレーションカーを発表
Webモーターマガジン
クラスをリードする日産「キャシュカイe-POWER」、電動化でエキサイティングな走りを実現する一台
クラスをリードする日産「キャシュカイe-POWER」、電動化でエキサイティングな走りを実現する一台
LE VOLANT CARSMEET WEB
ジェイテクト、スバル『クロストレック e-BOXER』向け新型電子制御カップリング開発
ジェイテクト、スバル『クロストレック e-BOXER』向け新型電子制御カップリング開発
レスポンス
横置き・縦置きOKのスマートモニター「M2シリーズ」が MAXWIN から2月発売!
横置き・縦置きOKのスマートモニター「M2シリーズ」が MAXWIN から2月発売!
バイクブロス
パンダは、デザインの国、イタリアの国民車。最新グランデパンダは「未来と伝統」のミックス造形が素晴らしい!
パンダは、デザインの国、イタリアの国民車。最新グランデパンダは「未来と伝統」のミックス造形が素晴らしい!
カー・アンド・ドライバー
スズキ、スイフトスポーツ“ZC33S Final Edition”を限定発売。標準車は2025年2月に生産終了
スズキ、スイフトスポーツ“ZC33S Final Edition”を限定発売。標準車は2025年2月に生産終了
AUTOSPORT web
東京・池袋の電気バス「IKEBUS」、1日乗車券をデジタルチケット化
東京・池袋の電気バス「IKEBUS」、1日乗車券をデジタルチケット化
レスポンス
メルセデスベンツ、新型電動ミニバンを予告…2026年発売へ
メルセデスベンツ、新型電動ミニバンを予告…2026年発売へ
レスポンス
230万円からの「小さな高級車」ことホンダ「フィットリュクス」は何が凄い? 内装「ライトブラウン」がめちゃイケてる! 販売店に寄せられた声とは
230万円からの「小さな高級車」ことホンダ「フィットリュクス」は何が凄い? 内装「ライトブラウン」がめちゃイケてる! 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
Auto Messe Web
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
【このキュートなシティ ターボIIなんぼ?】ホンダ好きにはたまらない永遠のアイドル しかもモトコンポ付き!「ホンダ シティ ターボII」販売中!
AutoBild Japan
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
【殿堂入りレベルの完成度】オートカラーアウォード2024でマツダCX-80がグランプリを受賞
AUTOCAR JAPAN
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
2024年の一台は「Ninja ZX-25R SE KRT EDITION」に決定! 第7回日本バイクオブザイヤー授賞式が開催
バイクブロス
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
ヒョンデが『i20 Nラリー2』に新型“ステップ2”を投入。7つのジョーカーを活用/ERC
AUTOSPORT web
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
「ハイパーカーは乗り物以上の芸術」超高級車のブガッティが「究極のガレージ」発表
レスポンス
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
ホンダ新型プレリュード、2025年にアメリカで販売開始へ。将来的なレースベース車両になるかも?
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

154件
  • ダンプカーみたいな騒音と黒煙を出す非力なディーゼルを作り続けるとか環境破壊だね!!
  • マツダは相変わらずニーズのないものにこだわりすぎる
    ロータリーで懲りなかったのか?
    このままだと潰れる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村