筑波57秒台をマークするM3 CSL本格チューンド
NAマシン最速を目指したサーキットスペシャル!
【粟野如月コラム】D1シリーズがいよいよ開幕!無観客の開幕戦となった奥伊吹大会の裏側【KISA’s DRIFT LIFE vol.44】
BMW 3シリーズ(E46型)をベースに、M社がボディからエンジン、足回りに至るまでトータルでチューニングを施したM3。そのパワーをさらに高めながら、徹底した軽量化も行ったサーキットスペックといえるモデルが、世界で1400台のみ販売されたM3 CSLだ。
そんな貴重なジャーマンスポーツをベースに、サーキット仕様として仕立てたのが今回紹介する1台だ。
エンジンは、CSL専用チューンが施された32 6S4型3.2L直6DOHC。カムやカーボン製サージタンク、Dジェトロ制御などM3からの変更点は多く、M3の343ps/37.2kgmに対してCSLは360ps/37.7kgmとスペックを向上させている。
そんな至宝の直6ユニットにさらに手を入れ、社外ピストンやコンロッドなどを組み込むことで、380psまでパワーアップ。エンジンマネージメントはモーテックのM800が担う。
足回りはアラゴスタの3WAY車高調(F16kg/mm R18kg/mm)でセットアップ。ブレーキはAPレーシング製のキットを奢るが、純正ABSがかなり優秀ということで、ブレーキシステムを動作させるためだけに純正ECUが残されていたりする。デフはATSのカーボンLSD、ファイナルは4.1を組む。
タイヤはアドバンA050の295/35-18を通しで履く。「先にこのサイズが発売されたハンコック製、ブリヂストン製も使いましたが、A050の剛性感が最もバランス良く、グリップ性能も高く感じます」とはオーナー。ホイールは11.0JのボルクレーシングTE37SLだ。
また、この極太サイズのタイヤを履くために、フロスマンオートデザインのワイドボディキットを輸入して装着。「自走でサーキットに行けなくなると、なにかと面倒なので…」と公認車検も取得。一部の空力パーツの脱着のみでサーキットと街乗りをスイッチできる状態にしている。
内装はほぼ取り払われ、ドアはフルカーボン製の社外品に交換するなど軽量化を推進。ワンオフロールケージが装着されているものの、車重は1270kgと純正の1430kgからさらに軽くなっているのだ。「9万kmほどサーキットで酷使してもボディはびくともしない。この辺りにBMWの作りの良さを感じます」。
M3 CSLはセミATのSMGが標準装備だが、この車両はクワイフの6速シーケンシャルドグへと変更されている。聞けば、純正ミッションはサーキットアタックには耐えきれず、年に一度は新品に交換するような状態だったそう。クワイフ製ミッションの投入により、その状況は改善されたそうだ。
トランク内も内装などは撤去され、燃料の偏りによるトラブルを防ぐためにコレクタータンクが装着されている。
「元々、BMWカップなどのレースがメインでしたが、タイムアタックでも1番を狙うため、色々と試してます」と語るオーナー。貴重なモデルではあるものの、チューニング熱は国産車アタッカーと同等かそれ以上のもの。筑波サーキット57秒968というベストタイムも納得の快速NAマシンなのだ。
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このエアロカッコイイな。参考にさせてもらいます。