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ポルシェの近未来ポートフォリオ「BEVとラグジュアリーSUVを増大」

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ポルシェの近未来ポートフォリオ「BEVとラグジュアリーSUVを増大」

順風満帆と言える好業績を記録した2021年のポルシェ。そして、その利益率をさらに高めるべくBEVモデルの台数アップ、高級SUVの追加といった戦略が練られている。マカンeの予想CGは、極めて自然な姿だろう。そして、911にも新顔が追加される。(Motor Magazine 2022年10月号より)

タイカンの好調な販売でBEV化路線が一気に加速
2021年にポルシェはおよそ30万台あまりを出荷、37億ユーロ(約5200億円)の売り上げを計上して、同社の歴史が始まって以来、最良の結果を残すことができた。この成果に大きく貢献したのがタイカンで、総出荷台数の14%を占めた。しかもBEVという新カテゴリーゆえに新規顧客も獲得し、ポルシェにとって新しい市場開拓ともなったわけである。

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そこでポルシェのオリバー・ブルーメ会長はそれまで公にしてきた「25年までにBEVを25%にする」という約束を「30年までに80%にする」と上方へ修正した。

このBEVセールスに対する高い期待感の背景は、23年発売予定のマカンe(仮称)にある。現行型マカンが20年の同社総販売台数で30%近くに当たる8.8万台強を占めていることを考えれば、そのBEVへの移行ポテンシャルの高さは容易に想像が付く。

ただしマカンeの生産開始は半導体不足などによって遅れており、23年中に約束されていたデリバリーは24年にずれ込む。さらにポルシェの22年に入っての販売状況は芳しくはなくて、半期ではマイナス5%だ。それにもかかわらずポルシェは強気で、現在およそ17%の利益率を長期的に20%に上げようと計画しているのだ。

その機動力となるのが、カイエンの上に位置するラグジュアリーSUVで、投資家向けミーティングでブルーメ会長が「ラグジュアリーEV SUVでポートフォリオを上方へ広げる」と発言、その存在が明らかになった。

基幹モデル911の改良ではオフロード仕様登場と電動化
19年から発売されている992型911は、23年にフェイスリフトを受ける。フロントに可変式縦型エアフラップが装備されるのが特徴で、「ダカール」あるいは「サファリ」と名付けられるオフロードバリエーションの登場も予想されている。ポルシェは早くから911の4WD化の可能性を探っており84年にはタイプ953がパリダカールラリーで優勝、その後959として限定販売された。

このオフロードバージョンはすでにニュルブルクリンクで走行テストが行われているが、標準型911と比べるとホイールアーチの隙間が大きく、車高も高いのがわかる。ベースはカレラ4Sとなる可能性が高い。外観では、高められた車高にホイールハウスの樹脂製マッドカバー、固定式リアウイングなどが特徴となるはずだ。

さらにハイライトは、911ハイブリッド仕様の登場である。その開発指針は、22年から導入されるモータースポーツレギュレーション「LMDh(ル・マン&デイトナ耐久レースカテゴリー)」となる。
エンジンの出力は470kW(640ps)、ボッシュ製の電気モーターは50kW仕様で、もちろんパフォーマンス優先により最高出力は700ps、最大トルクは1000Nmに達するはずだ。

現在ニュルブルクリンクでテストしている911ハイブリッドはターボのボディを纏っているので見た目だけではわからないが、リアウインドウの黄色いステッカーがその正体を明かしている。これはニュルブルクリンクテスト走行時の安全規定で、駆動用の大容量バッテリーを搭載している証だ。ちなみにオール電化911の登場は、早くて26年と噂されている。

最後に会長が力を入れているeフューエルについても言及しておこう。現在、南米のチリでパイロットプラントの建設計画が進められている新燃料は、大気中のCO2を吸収して生成するのでICEで使用してもカーボンニュートラルという結果になる。

それゆえに現在、生き残っているクラシックポルシェも問題なく使用可能となるはずだ。さらにポルシェが26年から参戦予定であるF1の規定では搭載されるICE燃料は100%サスティナブルであるべきとなっており、この意味でもeフューエル開発の正当性が認められる。

ポルシェの近未来戦略はこれまでになかったほどの速度で、しかも確実に進んでいるのだ。(文:木村好宏/CG&写真:キムラ・オフィス)

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みんなのコメント

1件
  • BEVシリーズの統一フェイスはタイカン顔から変えた方がいいんじゃないか。マカンeのタイカン顔はちょっと販売厳しそう…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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