事前警告がないものやレーダー探知機で探知不可能なものもある
高速道路やバイパスだけでなく、一般道にもあるのがオービス。オービスはラテン語で「目」を意味し、もともとアメリカのボーイング社が開発したシステムで、商標も同社がもっているもの。それを日本の東京航空計器がライセンス生産を始めたことで広まった。日本語での呼び名は「自動速度取締機」などとなる。
【わずかな速度違反も許さない体制が敷かれた!】劇的な変化が起きている知っておくべきオービスの最新事情6つ
まずその基本的な機能から紹介すると、自動で速度を測定し、違反していたら撮影して、ナンバーに基づいて呼び出しを行なって切符を切るというものになる。お世話になったことがある人もいるだろうが、話題になる撮影速度は基本的に赤切符になるレベルが多い。つまり一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上で、もちろんすべてのオービスがこの速度になるわけではないので注意が必要だ。今増えている、移動オービスはもっと低い速度で撮影するという例も報告されている。
また、光ったけど結局呼び出しは来なかったというのは、旧式であればフィルム切れもあったが、最近はデジカメなのでそれはなし。ドライバーが鮮明に写っていなかったり、車線変更中、つまり斜めに走っていて正確な速度が測定できていない場合は呼び出しがこないこともある。
では、種類について紹介しよう。さまざまなタイプがあって、わかりづらいかもしれないが、測定&測定方法や形を基準にすると区別しやすいだろう。
1)ループコイル式
一番馴染みというか、昔からあるのがこのタイプで、路面に3つのセンサーを埋め込んでその通過時間で速度を測定して撮影する。本体は路肩にあるのが特徴だ。以前はフィルム式だったのが、現在はデジタル式に急速に切り替わり中だ。ただ、路面のゆがみでループコイルが切れていたり、路面が凍結していると測定ができないこともあるとされている。
2)Hシステム
Hはハイスピードの頭文字で、高速道路に設置。通称、豆腐と呼ばれる四角いレーダーが特徴で、デジカメで撮影して通信で転送する。ただ、生産メーカーが撤退したため、撤去が進んでいるタイプだ。
そのほか、阪神高速にしかない、古いタイプのHシステムもある。箱の真ん中に丸いレーダーが付いているのが特徴となる。HシステムのHは阪神高速の頭文字からという説は、ここから来ている。
設置場所のわからない「移動式オービス」が増えつつある
3)LHシステム
レーダーの代わりに、ループコイルによって測定するからLが付く。つまりレーダー部分がなく、カメラのみとなるため、小型で気が付きにくい。50mぐらい手前で測定して、40m手前ぐらいで撮影するのだが、路面に印がある。
4)レーザー式オービス/Hシステム
それぞれ見た目は従来からの路肩の箱型、路面上のカメラとなるが、測定にレーザーを使っているのが特徴だ。つまり電波を出さないので、従来からのレーダー探知機では探知は不可能となる。現在設置は少ないが、今後は増える可能性もある。
5)移動オービス
小型で、三脚に乗せて運用もできることから、神出鬼没。以前は路駐したハイエースの荷室に積んで狙ったりしていたが、現在は路肩に設置して運用される例が増えてきた。しかもレーザー式が多く、専用のレーダー探知機でないと探知できない。また、事前警告の表示がなかったり、少々の速度違反でも撮影することがある。当初はゾーン30などの生活道路での運用としていたのが、それ以外のところでも使われるようになっていて、全国で急増しているので注意が必要だ。
GPSでの位置情報によって知られやすい従来の固定式は減っていく傾向にあるし、フィルム式はもうないのでデジタルでどんどんと転送される。移動オービスについては今後急増するだろう。
対策としてはとにかくスピードを控えるということと、レーダー探知機は最新のものを装着することが大切。また、リアルタイムで取り締まり状況がわかるアプリを使うのも手だ。
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