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【試乗】レクサスLC500コンバーチブルとメルセデスE300カブリオレ、オープンモデル2台の伝統と革新

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【試乗】レクサスLC500コンバーチブルとメルセデスE300カブリオレ、オープンモデル2台の伝統と革新

いつになく早く咲いた桜は散ってしまい、スギ花粉の飛散もピークを過ぎたようだ。日本では、これくらいの時季がオープンエア モータリングを楽しむにはちょうど良いだろう。というわけで、今回は2台のゴージャスなオープンモデル、レクサス LC500コンバーチブルとメルセデス・ベンツ E300カブリオレに試乗してみることにした。

流麗なスタイルに豪快なパワーを秘めたLC500コンバーチブル
今回の2台は、ちょっとゴージャスなモデルで、ソフトトップを採用している。保管や治安を考えるとオープンモデルでもハードトップを選びたくなるのだが、やはりソフトトップのほうが優雅でオシャレに見えるのか、プレミアムなモデルでソフトトップを採用するケースが増えている。BMWの4シリーズ カブリオレも新型ではソフトトップに戻ったし、発表が近いと噂されているメルセデス・ベンツの次期SLもソフトトップを再び採用したようだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

まず乗ってみたのは、レクサス LC500コンバーチブル。その名が示すように、レクサスのフラッグシップ クーペであるLC500のオープンモデルだ。個人的には現在の日本車で最もスタイリッシュなクーペだと思っているLCを、ソフトトップのオープン2+2モデルに仕立て上げている。クーペは流麗なファストバックスタイルだが、コンバーチブルでは独立したトランクを備えてクローズド時にはノッチバック スタイルとなる。そのため、クローズド時の印象はクーペとはかなり異なる。

インテリアのデザインなどは基本的にクーペと変わらないが、シート肩口のキルティングやヘッドレスト後ろのLマークなど、オープン時に車外からの見え方にこだわっているという。アームレスト手前のカバーを開けてスイッチを押せば、トップは15秒ほどで開閉する。車速が約50km/h以下なら走行中でも操作できるから、突然の降雨で焦る必要はない。

LC500コンバーチブルのパワートレーンはクーペと違い、5L V8自然吸気エンジンのみの設定だ。この、いまや貴重な大排気量ユニットを10速ATを介して後輪を駆動するというコンベンショナルな組み合わせは、その流麗なスタイルからは想像しがたい走りを見せる。スロットルペダルを踏む足に力を入れずとも、街中でも高速道路でも流れをリードできるが、オープンロードでひとたび右足に力を入れると、2段ほどキックダウンして懐かしく豪快なサウンドとともに猛烈な加速を開始する。

オープン化に伴うシャシの強化で車両重量は2トンを超えているが、ボディの重さを感じることはない。10速・100km/hでクルーズするとエンジン回転数は1250rpmくらい。サイドウインドーを上げていればオープンでもパッセンジャーと普通に会話でき、シートヒーターはもちろんステアリングヒーターやネックヒーターも備えているから、冬のオープン走行も思ったほど辛くなさそうだ。

ただし、クローズド時はリアウインドーが狭いので後方視界は良くない。後退時や高速道路クルージング時など、死角となりやすい部分に気を配る必要がありそうだ。また、リアシートは備わっているが、エマージェンシー用と割り切って荷物置き場と考えたほうが良いだろう。

そもそもこのクルマを実用車・ファーストカーとして手に入れる人は少ないだろう。クーペでも十分以上にゴージャスなのに、それをオープンにしたゼイタクなモデル。こんなクルマが日本車にも登場したことは喜ばしいことだが、自分とは縁遠い世界に思えてしまうのは、ちょっと悲しい。

ファーストカーとしても使えそうなE300カブリオレ
次に乗ってみたのは、メルセデス・ベンツ E300 カブリオレ。メルセデス・ベンツは初代SLの時代から、オープンモデルを数多くラインアップしている。このEクラス クーペをベースにしたカブリオレは、中核的なモデルといえるだろう。先に乗ったLC500コンバーチブルに比べると、ボディの厚みがありボテッとした感じに見えてしまうのだが、そこはメルセデスの重厚感とか安心感を与えてくれるものと考えよう。

ベースとなったEクラス クーペは、クーペながらリアシートに大人ふたりがキチンと座れる居住性を確保していた。このカブリオレもオープン化されてもリアシートの居住性はクーペとほとんど変わらず、オープンでもクローズドでも、おとな4人で乗っても問題ない。これならば、ファーストカーとしても十分に通用するだろう。

こちらもセンターコンソール手前のスイッチひとつで、ソフトトップは20秒ほどで開閉する。走行中でも約50km/h以下なら操作は可能だ。クローズド時の車内の静粛性は高く、高速道路を走っているとオープンモデルであることを忘れてしまいそうなほど。ルームミラーで後方を確認したとき、少し狭いリアウインドーでカブリオレであることを再認識したくらいだ。

フロントウインドー上のエアキャップや電動ドラフトストップなども備えているので、オープン走行でも風の巻き込みは少ない。こちらもシートヒーターはもちろん、ヘッドレスト下にはエアスカーフと呼ばれる首まわり用ヒーターも備わるから、寒い季節には重宝しそうだ。

オープンモデルにもかかわらず、LC500コンバーチブルでもボディ剛性はかなりのものだったが、このE300 カブリオレはその上を行く。開口部の大きなオープンモデルとは思えないほどガッチリしたボディは、いかにもメルセデスに乗っていますよという安心感を与えてくれる。

車名こそE300だが、搭載されるエンジンは2L 直4ターボで9速ATを組み合わせている。メルセデスのエンジンはダウンサイジング ターボ化が進み、新型Sクラスでも日本仕様は今のところV8が設定されていない時代だ。LC500コンバーチブルのV8が伝統なら、こちらの直4ターボは革新のユニットといえるだろう。実際、パワー的には何の不満もない。9速100km/h走行時のエンジン回転数は1500rpmくらい。エアサスペンションと電子制御ダンパーを組み合わせた足まわりのおかげで、乗り心地は快適だ。

走りに関して不満はないが、USBのジャックが小型のタイプCのみになっていたのは残念なところ。新型Cクラスもそうなっているらしいし、今後はこちらが主流になっていくのだろうが、普通のUSB(タイプA)もひとつくらい残しておいて欲しかった。

オプション価格を除いた車両価格(税込み)だけでも、あわせて2500万円近いゴージャスなオープンモデルの競演。ひとりのクルマ好きとしては「いつかは・・・」なんて考えることすら難しいのだが、こんな優雅なオープンモデルと過ごすことができたのは、楽しいひとときだった。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明/写真:村西一海)

レクサス LC500 コンバーチブル 主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1920×1350mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:2050kg
●エンジン:V8 DOHC
●総排気量:4968cc
●最高出力:351kW(477ps)/7100rpm
●最大トルク:540Nm(55.1kgm)/4800rpm
●トランスミッション:10速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・82L
●WLTCモード燃費:8.0km/L
●タイヤサイズ:前245/40RF21、後275/35RF21
●車両価格(税込):1500万円

メルセデス・ベンツ E300カブリオレ スポーツ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4845×1860×1430mm
●ホイールベース:2875mm
●車両重量:1870kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1991cc
●最高出力:190kW(258ps)/5800−6100rpm
●最大トルク:370Nm(37.7kgm)/1800−4000rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・66L
●WLTCモード燃費:11.3km/L
●タイヤサイズ:前245/40R19、後275/35R19
●車両価格(税込):956万円

[ アルバム : レクサス LC500コンバーチブル と メルセデス・ベンツ E300カブリオレ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

5件
  • そもそも格下だけど乗っていてひと目置かれるのは経験上Eカブやね
  • やっぱり内装なんかも比べるとベンツの方が上品な仕上げ
    レクサスは日本車なのにアメリカンな感じで高級車なのにヤンキー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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