6月29日(土)、WRC世界ラリー選手権第7戦『ラリー・ポーランド』のデイ3が行われ、SS15終了時点でTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合8番手で大会三日目を終えた。そんなデイ3を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合4番手
「トップ3に何か起きた場合に備えて、僕はただプッシュした。ステージではラインを維持するのが難しく、ダンパーに影響が出てしまったように思う。次のステージでは何か対策を講じ、確実に防護できるようにする必要があるね」(SS13)
代役出走のロバンペラ組が首位争いを制したデイ3。出走順の早い勝田は轍の砂に苦戦/WRCポーランド
「僕はただ、自分のラリーに専念しているだけだ。僕たちは首位から離れているので、難しいが戦いを続けるよ。いずれにしても良い一日を過ごしているし、リスクを冒すつもりはない。あまりにも速くて難しいからね」(SS14)
「午後の終わりにかけて、これが正しいタイヤ選択(ソフト5本)だったかどうかは分からない。ちょっとした賭けをしたが、うまくいかなかった。ただ、多くのポイントを獲得することができたからうれしいよ」(SS15)
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合7番手
「ここはトリッキーなステージだった。いいフィーリングもあったが、どうやらもう少し改善に取り組む必要があるようだ。いくつかのジャンクションではペースが速すぎたかもしれない。土手にぶつかり、何度かコーナーの出口でロスしたので、オンボード映像を見直すよ」(SS13)
「轍が深すぎてスピードが落ちてしまうエリアがあった。低速セクションでスピードを出しすぎたり、ジャンクションでは盛り返したりしたが、基本的にブレーキが早すぎてコントロールを失ってしまったように思う。けれど、タカ(勝田貴元)に対して挽回できたので全体的には良かった。」(SS14)
「とても素晴らしい気分だ。今回のタイヤ選択(ソフト5本)は、正しい判断ができたと思う。走りでは、少々限界に達していたよ。リズムに乗れなかったステージは少し残念だったが、それ以外はすべて順調だった」(SS15)
●マルティン・セスク(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合5番手
「このステージは本当に楽しかった!タイムも良かったよ。僕たちは楽しんでいるが、一部の場所では速すぎたり遅すぎたりしているので、走りのペースについて学んでいるところだ。頭のなかは、すべてがジェットコースターのようになっているので、整理するためにシステムを作る必要がある」(SS11)
「(ティエリー・ヌービルは)今も僕に勝てるほど速いようだ!まだ1ステージ残っている。もちろん、彼のために戦うのは僕たちの仕事ではない。でも、もちろんチャンピオンシップリーダーを抑えるのはそれほど難しいことではない(不敵な笑みを浮かべて)」(SS14)
「(笑いながら)ステージの最初の部分では自分に満足できなかった。小さなミスをたくさんしてしまった。最後の部分はかなり良かったよ!僕が言えるのはそれだけだ」(SS15)
※いずれもSS走行直後の公式インタビューより
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合6番手
「今日はどのステージでも、次のふたつのポジションに追いつこうと全力でプッシュした。グレゴワール(・ミュンスター)にはすぐに追いついたが、マルティン(・セスク)に追いつきたいなら午後にもっとプッシュしなくてはならないことは分かっていた」
「午後もまだ“掃除役”をやることが多かったことを考えると、僕たちは本当に良い仕事をしたと思う。満足はしているが、『あの0.1秒』には本当にがっかりしている。あるコーナーでタイムを失い、コンマ数秒後れを取ってしまった」
「今週末、ここでは少々苦戦しているが、出走順が1番になることも予想していたし、難しいだろうと分かっていた。ステージは本当に高速で、ドライビングしているときはとても楽しいが、ステージタイムを見ると同じような状態にはまったくなっていない。明日はさらにプッシュしていき、0.1秒の差を縮めてトップ5に入ってできるだけ多くのポイントを持ち帰りたい」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア
「日曜日に完全に集中するために、正午のサービス後にリタイアすることをチームと決めた。残念ながら、今日は出走順が1番になったので、ここがかなり困難であることは明らかだ」
「明日に向けてリズムに乗り、多くのポイントを獲得できるよう今も努力している。昨日は走行時間がかなり限られていたため、今日の午前中のステージでの時間は、スピードを把握し、適応するのに重要だった。うまくいけば、スーパーサンデーでポイントのためにプッシュできるだろう」
●アンドレアス・ミケルセン(#9 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合2番手
「僕たちの一日には満足すべきだろう。今日は本当にいい走りができた。もちろん(カッレ・)ロバンペラはとても速いので、僕たちは大きなリスクを負わなければならない。ポイント獲得のためにはマシンを完走させなければならないことを承知の上で、僕はリスクを冒しても構わないと思ったから、結果には満足しているよ」
「2回目のループでは、より硬いタイヤを使用するという少し違った戦略(ハード3本ソフト2本)を採った。サービス後の最初のステージでは、これは良い選択のように見えたし、2回目と3回目のステージでは摩耗はそれほどひどくなかった」
「明日はロバンペラにプレッシャーをかけ続ける必要がある。明日は60kmを走る予定なので、難しいステージもあるが、プッシュすればかなりの時間を稼ぐことができるだろう。チームとさらに話し合い、明日の様子を見ていく」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合3番手
「一日を通して激しい戦いが続いたが、とくに午前中はかなりの接戦だった。とても順調で、クルマのフィーリングも良好だったが、残念ながら午後最初のステージでタイヤに問題が発生して後退することになってしまった」
「突然のことで、最初はなにが起こったのか分からなかったが、トレッドが完全に剥がれてなくなってしまったようだ。そのため少しタイムを失い、この厳しい状況では、今日の戦いはほぼ終了という状況になってしまった」
「その後はできる限りのトライはしたが、残念ながら失ったタイムを挽回することはできなかった。それでも、全体的には良い週末になっている。明日は新たな一日であり、多くのポイントを獲得できるチャンスなので、良いリズムを保って走り、週末を通してやってきたことを最後までやり続けながら様子を見たい」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位
「今日は一日を通してベストを尽くした。午前中のループでは昨日よりも良いタイムを出すことができたが、予想通りいくつか小さな驚きもあって簡単ではなかった」
「できればもう少し速く走りたかったが、それでも良い戦いができたと思う。午後はステージに対する理解が深まり、通常のペースで走りを楽しむことができた。しかし、まだなにも確実ではない。明日はまだ長い距離を走ることになるし、ステージのキャラクターに違いがあることも考えると、タイム差はまだ小さい」
「明日は今日よりもさらに大変だと思うので、準備やペースノートという点で自分たちにとってもっともタフな一日になるだろう。速く走れるように、今晩は多くの作業を行う必要があるので、決して簡単ではないが自分たちのベストを尽くす」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合8番手
「クルマのフィーリングは、昨日よりもずっと良いものでした。それなのにタイムが伸びなかったことにフラストレーションを感じましたが、それはきっと、自分たちの出走順によるコンディションに起因するものだと思います」
「とくに午後ループの2回目の走行では、路面のクリーニング作業を行いながら1番手で走らなければならず、本当に厳しい状況でした。ブレーキング時でさえも、轍の中に大量の砂があって、どれくらいグリップするのか分かりませんでした」
「轍があまりなく、広くハイスピードな区間ではトップと遜色ないタイムで走ることができたのですが、狭くて轍が深い場所では大きくタイムを失ってしまいました。明日はベストを尽くし、ドライビングを改善し、この後の2戦でプッシュできるように自信をつけたいと思います」
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