はじめに
「誰もが知っているロンドンタクシー。ひとびとはほとんどが、乗客としてこれを体験する。しかし、普通の自動車オーナーが自ら運転することはほぼない」。
これは1937年6月25日号のオートカーに掲載した『タクシーでの3日間』の冒頭文だ。そのとき乗ったのは、バーミンガムで製造された12psのオースティン製タクシーで、向かったのはブルックランズ。着いた先で行った性能テストでは、0−48km/h加速が19.1秒、ゼロヨン通過速度が77km/hで、回転直径は7.62m。シングルランドーレットボディで、価格は370ポンド。現在の貨幣価値に換算すると2万ポンド(約372万円)前後に相当する。
市街地では「考えうる限り最高に便利」だったというこのクルマ。目的に適わないところはまったくなかった。残念だったのは、テスト中にこのクルマを呼び止める乗客がいなかったことだ。
目的への適性というコンセプトは、ロンドンタクシーをロードテストするのが1937年でも2023年でも興味深いことの理由だ。最新タクシーは、LEVCことロンドン・エレクトリック・ヴィークル・カンパニー製。乗客を運ぶということにかけては、ニュルブルクリンクでラップを刻むポルシェ911GT3RSや、戦火の中で悪路を走る軍用車のごとく磨き抜かれている。
どんなスペシャリストなクルマでも、これほど注目に値するものはないだろう。それも、だれも個人所有できないクルマだというのに。
ロンドンタクシーの歴史は、1937年から連綿と紡がれ続けている。つい最近まではディーゼルのみだったが、2018年からはゼロエミッション走行が可能になった。今回のLEVC TXはガソリン・プラグイン・レンジエクステンダーで、2017年の発売以来、世界中へ1万台以上を送り出している。ロンドンを走るブラックキャブの約40%を占め、タクシー運転手の高評価を得ている。はたして、職業ドライバーならぬわれわれが乗ると、どのような感想を得るのだろうか。
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
長い間、英国のタクシー文化はマン&オーバートンが中心だった。1908年、フランスからの自動車輸入業者として設立された会社だ。1948年、この会社はオースティンと連携し、カーボディーズ社とともにFX3を生産。クラシックなシルエットの持ち主だ。1985年までに、マンガネーズ・ブロンズ・ホールディングスはそれらを手に入れ、2006年には中国メーカーのジーリーが加わった。上海で生産したロンドンタクシーを、世界市場へ売り出すことを視野に入れてのことだ。
2013年までに、ジーリーは全面的にそれを引き受け、2017年にLEVCへリブランディング。コベントリー近くのアンスティに5億ポンド(約930億円)かけて社屋を設立した。
そうしてアップデートされたロンドンタクシーのボディサイズは、BMW X5よりわずかに短くナローで、室内高は前後席とも140mmほど高い。エクステリアのデザインは、ジーリーのバルセロナスタジオが発案したコンセプトに基づいたものだという。歴代モデルよりややまとまりに欠けるところはあるが、どこから見てもロンドンタクシーだとわかるカタチではある。クロームパーツやリアフェンダーの形状などは、ロンドンタクシーのアイデンティティを感じさせる。コンポジット素材のボディパネルは容易に交換できる構造だ。
しかし、このクルマのもっとも興味深い点は、そのボディパネルの下に隠れている。白紙からの完全新設計で、既存のクルマから流用された構造部品はない。シャシーはアルミを接着・焼き付けしたモノコックで、それ自体の重量はスティールを用いた場合より30%ほど軽い370kg。車両重量は、ベーシックな仕様で2150kg、テストした豪華仕様は2230kg。大型バッテリーを積むわりには軽く仕上がっている。
そのバッテリー、以前の容量は31.0kWhだったが、最近になって34.6kWhに強化された。車椅子用スロープの収納場所を避けるように、ホイールベース内の前方床下へフラットに収められている。ここから150psのリアモーターへ電力を送り、WLTP値で126kmの走行が可能。電力が尽きたり、充電レベルを維持したいときには、フロントのガソリン3気筒が充電する。このエンジンが直接タイヤを駆動することはない。
サスペンションは、リアに横置きリーフスプリングを使用。フロントにはデュアルアクシス・マクファーソンストラットに、アッカーマン・ステアリングリンケージを組み合わせ、センセーショナルなまでに極端な前輪切れ角を実現した。回転円の直径は8.45m。ボディサイズの近いX5が最小で12.6mであることを考えれば、いかに小回りが効くかがわかるだろう。
内装 ★★★★★★★★☆☆
ジーリー傘下に入ったことで、LEVCは使えるパーツの選択肢が飛躍的に広がった。運転席に乗り込むと、スッキリしたステアリングも、縦型ディスプレイも、ずんぐりしたシフトセレクターも、ボルボXC40あたりで見覚えのあるパーツだと気づかずにはいられない。素材と仕上げはもっと実用的で、色合いの異なるグレーの硬いプラスティックが多用されている。
ただし、上位グレードのダッシュボード上部やセンターコンソールの小物入れの蓋には柔らかい合皮系素材が使用され、シートは調整機能が良好なフル電動となる。8時間シフトをさわやかに過ごせるわけではないかもしれないが、ひどく疲れることもなさそうだ。すばらしい視認性とドライバー保護スクリーンは、運転席を比較的快適で、守られている感覚のある空間にしている。室内も明らかにきしみ音がなく、アルミモノコックのリジッドさが感じられる。
収納部もおおむね良好。センターの収納部を別にしても、ドアポケットは深く、頭上には書類を入れるスロットが備わる。しかし、前席の助手席側は、大きな荷物を積むスペースとなっている。そのため、ドライバーが楽に使えるわけではない。運転席の下にはロックできるボックスがあり、カップホルダーはトランスミッショントンネル反対側のアルミレールにボルト留め。ただし、シートレールに足首をぶつけて痛い思いをしたというテスターもいた。
しかし、良心的なタクシー運転手は、自分と同じように乗員の快適性も気にする。その点、このTXは失望するものではないが、注目に値するのは、前向き3列シートのほうが、後ろ向きで3人以上掛けることができるアップライトな折りたたみ式ベンチより落ち着くということだ。
違いがはっきりするのは、単に帰宅までの短時間を疲れずに乗れることだけを考えただけではない場合。街の向こう側までウェディングのために乗るとなれば、シート選びはもっと慎重になるはずだ。
それ以外も、TXに不足はほとんどない。ビスタ仕様のガラスルーフは、驚くほど垢抜けた雰囲気をもたらす。車載Wi-FiやUSBソケット、温度調整機構に加え、ドライバーと明瞭な会話ができるインターコムも備わる。全席シートベルト付きで、ISOFIXも2席に装備。レッグルームに問題はない。4人以下で乗るなら、レンジローバーのLWB仕様にも見劣りしない。プライベートジェットすら思わせる。
全6席を使うと、それよりはタイトになるが、ネックになりそうなのは運転席後方の、面と向かう2席くらいだ。グループでもっとも背が高いメンバーをそこに乗せなければ、全員が快適に過ごせるはずだ。
走り ★★★★★★☆☆☆☆
ロンドンは広範囲が32km/h制限区域となっているので、このクルマの直線スピードを問うのは、アリエル・アトムで走りの上質感を論じるのと同じくらい無意味だ。もっとも、タクシーは郊外の空港などへの長距離客をのせることもある。流れの速い車線に合流することもあるだろうから、一応は触れておこう。
ローンチコントロールはないが、発進はきわめてキレがいい。48km/hへの到達は、ホンダEにコンマ数秒遅れるのみ。コンパクトなシティコミューターながら、そのわりにはまずまずのパフォーマンスを持ったクルマとほぼ同等というわけだ。
そこを過ぎると、TXの動きは重い。最終的に、0-97km/hは12.7秒で、0-100km/hが13.2秒というLEVCの公称値にも符合すると言える。乗員が6人いると400kgほど重くなるが、そうなるとパフォーマンスはだいぶ鈍るだろうと思うのではないだろうか。とはいえ、最高速度は130km/hに達するのだから、英国内では困ることはない。
巡航速度に到達するまでは遅いかもしれないが、それを維持するのは比較的簡単だ。高速道路でもいい感じに走り、97−113km/hの加速もまずまず楽だ。スロットルを床までベタ踏みしなくてはならないような感覚は一切なく、充電量を維持するためのセーブモードでも、1.5Lエンジンが発電してそれをそのまま使うことで、加速力に不足を感じさせることはなかった。
また、市街地の速度域では直感的に運転できる。スロットルレスポンスは素早いがシャープではない。ブレーキはタッチが硬く、早めに効きはじめるが、その後の調整はイージーだ。こうしたディテールには熟考の跡が感じ取れ、その結果はハッキリしている。運転して疲れることは決してない。
パフォーマンスに関して批判する意味のある項目があるとすれば、制動距離だ。乗員なしでも、48−0km/hで9.6m。これはだいたい、メルセデス・ベンツGLSやBMW X7といったフルサイズSUVより1mほど余分にかかっている。人通りが激しく、動きの読めない歩行者も多いエリアを走るクルマとしては、ここは改善を望むところだ。
使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆
インフォテインメント
LCDメーターパネルは標準装備で、各メーカーの最新式のものほど鮮明ではないが、十分に見栄えがよく、この使い方にマッチしている。
その左側に設置された9インチのタッチ画面はボルボ由来で、不満な点もXC40やV90と同じだ。ナビやデジタルラジオが備わり、パワートレインの仕事ぶりを示すグラフィックもおもしろいが、システムの使いやすさは見出しにくい。
とくに、Apple CarPlayやAndroid Autoには非対応で、そこは今後のアップデートで改善すべき点だ。いっぽう、サウンドのクオリティは期待通りで、いうなればかなりどんよりしている。とはいえ、バング&オルフセンのようなプレミアムオーディオを用意すべき類のクルマではなく、それを用意したところでほとんど売れないだろう。
燈火類
ヘッドライトは自動光軸調整式のLEDで、自動減光機能も備える。
ステアリングとペダル
今回は計測を行わなかった。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
TXのハンドリングは不思議なくらい上々だ。長いホイールベースと後輪駆動レイアウトは、根本的に走りの強固な土台になるが、それにしてもだ。市街地から出ると、すばらしいとは言わないまでも、カントリーロードを流すのにどうにか取り組めるだろう。多少はロールに抑えの効かないところがあり、ノーズヘヴィなコーナリングバランスを見せるが、このボディを見れば予想できる範囲内だ。
おそらく、シンプルな機械面の仕立てが助けになっている。サスペンションはパッシブで、ステアリングは電動油圧アシストで、ボディ構造は強固だ。そのうえステアリングは、中間以上まで切っても、60度ほどの前輪舵角を実現するアッカーマン式のエクステンションアームが動きを破綻させることはない。
LEVCの努力は、特徴の薄いクロスオーバーより、その点に重点を置いている。けれども、1937年のオースティンについても言ったことだが、ドライビングプレジャーを求めて選ぶクルマではない。
スタビリティは良好。極端な運転をしたときでさえ、横転しそうな兆候はほとんどない感じだ。フルパワーをかけると、害のない感じのアンダーステアを生じ、控えめなグリップは限界を見せる。スライドもするが、きわめてわずかだ。
言及しておくべきなのは、このクルマのエンジニア陣が、現在はポールスター5の仕上げに手を取られているということ。そして、忘れてはいけないのは取り回しが想像の範疇を飛び越えるほどいいということだ。その感覚は、まるでコインの上を周回のではないかと思ってしまうほどなのだから。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
並外れて大きいサスペンションのトラベルと、良好なハンドリングに多くの譲歩をしなかったことは、予期せぬ挙動も生むが、恩恵もTXにもたらす。ロンドンのひどくざらついた路面では、65タイヤのサイドウォールも一役買ってくれる。
それらが相まったならば、上々の乗り心地も驚くにはあたらない。とりわけ、スピードバンプのいなしっぷりはみごとで、レンジローバーですら敵わない。シートが、同じような価格帯の乗用車ほど身体を包み込んでくれない点が気になるかもしれない。また、当然と言えば当然だが、室内は冷ややかでプラスティッキーだ。
しかし、純粋な低速域でのプライマリーライドのクオリティに関していえば、このクルマはほかにないほど良好だ。
注意すべきは、乗員からすると、ドライバーが感じるほど穏やかでないこと。また、全席に関わってくるのが、レンジエクステンダーのエンジンがかなりうるさく、その音が車内に入ってくるということだ。
速度が上がるにつれて、同じようなサイズのセダンやクロスオーバーより不足している遮音性が露呈してくる。48km/hでの計測では59dBAだった室内騒音は、ホンダEの61dBAを下回っているが、レンジローバーの52dBAや、同じサイズ感のSUVとは比べ物にならない。
高速道路の速度域に入ると、騒音計の針は70dBAに跳ね上がる。発売から3年も経ったヒョンデ・サンタフェでも64dBAなのだが。それでも、そこを突いてこれをうるさいクルマだというのはいかがなものだろうか。なにしろ、日頃は40km/hも出さずに走るのが一般的なのだから。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
LEVCによれば、アップグレードされた2023年モデルのレンジエクステンダー版TXは、ディーゼルの先代モデルに対して、走らせるためのコストが週150ポンド(約2.8万円)節約できるという。それでも、購入価格は安くない。生産台数が少ない、オールアルミシャシーとなれば、それも無理からぬことだが。
価格は、最廉価のイコン仕様で5万9773ポンド(約1112万円)。しかし、オーダーの95%が6万2719ポンド(約1167万円)のビスタだという。その一因は、全車とも7500ポンド(約140万円)のプラグインタクシー助成金対象車で、ビスタのコンフォートプラス仕様でも6万6859ポンド(約1244万円)で済むからだ。
標準保証は3年もしくは19万kmで、整備費は同価格帯の乗用車ほど高くない。ロンドン周辺の認定修理工場も多く、バンパー交換は1時間程度で完了する。もちろん、想定通りに運用するには、金銭以外の問題もある。運転手はいわゆるナレッジ試験に合格し、ロンドンの市街地と、2万5000ほどもあるストリートを理解しなくてはならない。
われわれのテストでは、発電用ガソリンエンジンの燃費は7.8km/L程度。バッテリーだけなら夏場の航続距離は100km程度だが、冬場はより短くなるだろう。36Lの燃料タンク容量を考えると、リアルな航続距離は415kmといったところだろう。
スペック
レイアウト
外観は古ぼけたクルマに見えるかもしれないが、シャシーはパフォーマンスカーに多く見られるアルミ接着構造だ。
フロントに積んだジーリー製の3気筒エンジンは発電用で、ジェネレーターと組み合わせて、クランクシャフトからの動力を電力へ変換。外部充電にも対応するバッテリーを介して、リアのモーターで走行する。
エンジン
駆動方式:エンジン:フロント横置き・モーター:リア横置き後輪駆動
形式:直列3気筒1477cc、ガソリン(91ps)+モーター
ブロック/ヘッド:-/-
ボア×ストローク:φ-×-mm
圧縮比:-
バルブ配置:-
最高出力:150ps/-rpm
最大トルク:25.4kg-m/-rpm
モーター許容回転数:11500rpm
ハイブリッドアシスト:エンジン発電/永久磁石同期モーター駆動
モーター最高出力:68ps
モーター最大トルク:20.9kg-m
システム総合出力:-ps/-rpm
システム総合トルク:-kg-m/-rpm
馬力荷重比:67ps/t
トルク荷重比:11.5kg-m/t
エンジン比出力:62ps/L
ボディ/シャシー
全長:4855mm
ホイールベース:2985mm
オーバーハング(前):940mm
オーバーハング(後):930mm
全幅(ミラー含む):2036mm
スロープ幅:1157mm
全高:1621mm
全高:(テールゲート開き):2100mm
足元長さ(前席):最大1000mm
床面~天井(後席):1490mm
座面~天井(前席):最大1020mm
座面~天井(後席):950mm
積載容量:440L
構造:アルミ・モノコック
車両重量:2230kg(公称値)/2265kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前・後:7.0Jx17
タイヤ前・後:215/65 R17 103H
マキシスMA−919
スペアタイヤ:フルサイズ(荷室内)
変速機
形式:1速リダクションギア
1速:-/-
2速:-/-
3速:-/-
4速:-/-
5速:-/-
最終減速比:10:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
市街地:3.1km/L
ツーリング:8.6km/L(発電用エンジン)
動力性能計測時:2.6km/kWh
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:167km/L
エンジン単体:-km/L
EV航続距離:126km
EV市街地航続距離:163km
航続距離:536km
燃料タンク容量:36L
駆動用バッテリー:ニッケル水素・-/34.6kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(モーターのみ):-km
現実的な航続距離(エンジンのみ):-km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):415km
CO2排出量:14g/km
サスペンション
前:デュアルアクシスマクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後: 5リンク/横置きコンポジットリーフスプリング
ステアリング
形式:電動油圧式、ラック&ピニオン、アッカーマン・ジオメトリ
ロック・トゥ・ロック:3.8回転
最小回転直径:8.45m
ブレーキ
前:308mm通気冷却式ディスク
後:320mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、トランスミッショントンネルにスイッチ配置
静粛性
アイドリング:38dBA(REx作動時:50dBA)
全開・145km/h時:-dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:70dBA
安全装備
ABS/ESC/LKA/AEB/クロストラフィックアシスト
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
歩行者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):5.1秒
0-40(64):7.0秒
0-50(80):9.4秒
0-60(97):12.7秒
0-70(113):16.9秒
0-80(129):23.6秒
0-402m発進加速:19.5秒(到達速度:120.7km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
レンジローバーD350 HSE(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):2.2秒
0-40(64):3.4秒
0-50(80):4.6秒
0-60(97):6.3秒
0-70(113):8.2秒
0-80(129):10.6秒
0-402m発進加速:14.9秒(到達速度:152.1km/h)
0-1000m発進加速:27.1秒(到達速度:194.4km/h)
キックダウン加速
20-40mph(32-64km/h):3.6秒
30-50(48-80):4.3秒
40-60(64-97):5.7秒
50-70(80-113):7.4秒
60-80(97-129):10.1秒
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):9.6m
50-0マイル/時(64km/h):25.5m
70-0マイル/時(80km/h):51.4m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.4秒
ライバルの制動距離レンジローバーD350 HSE(2022年)
テスト条件:湿潤路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):12.5m
50-0マイル/時(64km/h):33.5m
70-0マイル/時(80km/h):66.2m
結論 ★★★★★★★★☆☆
LEVCは唯一のロンドンタクシーメーカーではないが、現在それを説得力あるかたちで進めているメーカーはほかにない。
2018年から、すべてのロンドンタクシーはゼロエミッション走行できる能力が求められるようになった。ジーリー傘下のLEVCは、そのためにレンジエクステンダーという選択肢をとった。このアプローチ、乗用車分野では避けられがちだが、タクシーには最適と言える。というのも、電動走行に、コンディションを問わない信頼性が伴うからだ。ただし、効率はより改善できたはずだが。
今回のTXは、もっとも洗練されたクルマではない。それは主に、発電用エンジンに原因がある。しかし、全体を見れば、エンジニアリング的にみごとな物件で、結果として、このクルマのリズムがつかめれば、運転に満足できると言えるものになっている。
質感は業務用車両のそれだが、それでも悪くはない。実用面ではほとんど不足はないが、唯一不満を挙げるなら、ロンドン市街地で使うにはボディがかなり大きいということくらいだろうか。そのぶん乗客は、一般的なセダンにはない広大なガラスハウスからの眺めとまずまずのプライバシーが得られるのだが。
初期の目的で使われれば、これはかつてのディーゼルのような汚染をもたらさないロンドンタクシーだ。しかし、ドライバーに不便を強いるような妥協を求めるものではない。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーンLEVCからテスト車を借り出してきたとき、ロビーには高級仕様のTXが置いてあった。外観は普通だが、内装は全面的に豪華な仕立てが施され、それなりに裕福なロンドンっ子が、お忍びで移動したいときに喜びそうなものに仕立てられていた。メリットが十分に見出せるクルマだ。
マット・ソーンダース最上位仕様のTXはカーペット敷きだが、ほとんど全てのタクシーはビニール敷きを選択する。黒い塗装もタクシーの伝統だが、これも安価だから。もっとも、ブラックキャブの愛称はあるものの、ホワイトやブルー、深紫やレッドも設定されている。
オプション追加のアドバイス
プラグインタクシーへの助成金を考えれば、今回のビスタ・コンフォートプラス仕様を選ばない手はない。リアのカメラやセンサー、フルオプションを備える。これに含まれるハックニー+パッケージは、手動燃料カットスイッチやリアバンパーのプレート台座もセットだ。
改善してほしいポイント
・最大充電速度は引き上げたいところだ。もはや50kWでは急速とは言い難い。また、現実的な一日分の走行距離は130kmくらいだろうから、航続距離もそれくらいはほしい。
・発電用エンジンは、もっと洗練させてもらいたい。
・運転席は悪くないが、それでも頭をもっとサポートしてくれるエルゴノミクスを高めたデザインであれば、よりよいものになる。
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