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320km/hバイクの1200ccエンジンを移植! 速すぎる「ボロ軽トラ」の本気度に衝撃必至

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320km/hバイクの1200ccエンジンを移植! 速すぎる「ボロ軽トラ」の本気度に衝撃必至

軽トラにバイク1200ccエンジン搭載 動画サイトで240万回再生

『軽トラにNinja 1200ccのバイクのエンジンを載せてみた』という動画が、動画サイトで240万回再生され、いま超話題になっている。そこに登場するのがFonFon(フォンフォン)と名付けられたキャリイトラック。いままでに全11話の動画がアップされているが、どの回も視聴数がスゴイことになっている。さて、ここでは動画だけでは分からない、FonFonの裏話などなど突撃取材してきたので、たっぷりとお届けして行こう。

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FonFon(フォンフォン)誕生秘話

 YouTubeのタカニィchannelの主宰者“タカニィ”こと、レーシングドライバーの大野尊久さんと、フォンフォンをつくった部長さんは、カワサキ ニンジャZX-12Rの同好会である『Kawasaki ZX-12R OWNER’S CLUB 200over’s 関西支部』のメンバーだったことがすべてのはじまり。

 そもそもは部長さんも大野さんも、カワサキ ニンジャ ZX-12R のオーナーというワケだ。バイク好きの2人はミーティングやツーリングで顔を合わせるようになり、ZX-12Rを通じての付き合いは、まぁまぁ古い仲なのだそう。

 部長さんは、200over’s関西支部の支部長をしていて、メンバーからの愛称は“部長さん”。大野さんが動画のなかで「部長さん」と呼んでいるのは諸説あるそうだが、その説が濃厚。役職どおり関西支部のまとめ役であり、面倒見の良い頼れるリーダーという人物像。本職はトラックなどの修理やメンテをするクルマ屋さん。

 ニンジャZX-12Rのメンバーからも「エンジンの調子が悪くて困っているんです……」という相談も多いそうで、部長さんが修理を引き受けるのはよくある話なのだとか。そんなこともあり、ネットオークションなどで仕入れたZX-12R用の予備のエンジンを常に数機ストックしているという。

「予備のエンジンが調子よくまわるかどうか、ベンチテストをしたくて、軽トラの荷台に積むことを思いついたんですよね(笑)」と話すのは部長さん。そこで、たまたま本業で携わった仕事のバーターとしてタダ(0円)でもらった軽トラックのキャリイが工場にあったから……、というのが、FonFon誕生のいきさつなのだとか。

 せっかくだからと、大野さんが動画を編集してYouTubeにアップしたところ、わずか数ヶ月で240万回再生という、現在もなおバズりにバズりまくっているのは、みなさんご存知のとおりだ。

 ちなみに、第一回目の動画ではまだ「FonFon」と呼ばれておらず、それを見た視聴者から、12Rの凄まじいエンジンサウンドに対して「フォンフォン」とコメントされたことが、ネーミングのきっかけ。

カワサキ ニンジャZX-12R とは?

 FonFonの何がバカげているのかというと、カワサキ ニンジャZX-12Rが、世界最速を目指したバイクであるということ。バイクが趣味というレーシングドライバーの大野さんが、魅了されるのも理解できるというもの。

 ニンジャZX-12R(じゅうにあーる)が登場した2000年前後という時代は、スズキのハヤブサやホンダのCBR1100XXが、ノーマルの市販状態で300km/hオーバーを達成するとてつもないスポーツバイクが次々に生まれ、各社が世界最速を争った危険とも呼べる絶頂期。

 排気量1200cc、ニンジャZX-12Rの水冷4ストローク4気筒エンジンだが、最高出力は180馬力を超え、時速300kmなどあっという間。実測されたスピードでも320km/h(時速200マイル)以上と言われている。

 そんな、カワサキが世界に誇るニンジャZX-12Rのエンジンが、ボロボロ(?)の軽トラックに積まれるとなれば、世間がざわざわしないわけがない。スズキ・キャリイにハヤブサのエンジンではなく、カワサキのエンジンが積まれたことも話題を呼ぶきっかけにもなった。

 言い忘れていたが、バイクのエンジンにはバックギアがない。FonFonがバックできないのはご愛嬌。

FonFonの材料代は約10万円!?

「工場にあったパーツを寄せ集めて、ほとんどボクが組み上げたのと、エンジンマウントの溶接などは仕事の関係の方々のご協力もあって、ここまででも新たに買い足した材料代は10万円ほど。お金をかけてつくっても面白くないですからね(笑)」とは部長さん。アイデアマンであり、勉強家でもあり、本業で得たクルマの知識も半端ナイことは確実。

 エンジン&ミッション、コンピューター、燃料系、吸気&排気はそっくりそのまま、ニンジャZX-12Rそのものを丸ごとキャリイに移植。

 クラッチやプロペラシャフトはほかの軽トラや軽ハコのパーツを流用。足は工場にあった使えそうなショックを入れ、

 ラジエターも「何かのために置いておいた」というBNR32GT-R用3層アルミへと変更。

 荷台から飛び出したヘッド部分は、ドラム缶の廃材でドーム状のカバーを製作。

 と、ここまでは良かったが、苦労したのが最終減速比(いわゆるファイナル)。軽トラのもともとのタイヤ外径やデフではバイクの減速比とまったく合わず、最高速が伸びない。いまは暫定だが、15インチタイヤとジムニー用のフロントデフを加工してリアホーシングに投入することで、計算上140~150km/hぐらいまでは到達するまでに試行錯誤が繰り返されてきたそうだ。

 エンジンが載って、ちゃんと動くだけでもスゴイことだと思うのだが、部長さんと大野さんの考えは、サーキットでの全開走行で一致。完成した当初、シフトレバーは押してシフトアップだったのだが、「サーキットでレーシングするためにはレバーを引いてシフトアップでしょ!!」ってことから、ワイヤーからロッドに改造され、ますます野望は膨らんで行くことに。

いままでに体感したことがないぐらい強烈な加速G!!

 ニンジャZX-12Rのエンジンが奏でる“フォンフォン”サウンドは動画でも聞くことができるが、実際に目の前にすると、ボロボロ(?)の軽トラと世界最速のバイクのエンジン音が、まぁ、似合わないことに、思わず笑ってしまう。遠くから聞こえて来る音はキレキレ&激速のバイクなのに、近づいてくる姿は軽トラックという光景がまさに滑稽なのだ。サーキットを走る姿は、ビデオを早送りしているかのよう。

「直線の加速は、ボクがレースで乗ってたアルトワークスのフルチューンターボより速いよ(笑)」と話す大野さん。プロのレーシングドライバーが言うのだから、疑いようがない。

 大野さんの運転で、FonFonの助手席に乗せてもらったのだが、いままでに体感したことがないぐらい強烈なレスポンスの加速Gは、その言葉以上で、恐怖すら感じるほど。4輪のレースカーとは出力特性もギア比も違うので当たり前なのだが、軽トラックとの組み合わせで2輪の世界最速エンジンを味わうという貴重な経験ができた。

 と同時に、自分が運転してみたいとは一切思うことなく、プロのレーシングドライバーの凄さも思い知らされた。

【取材協力】Rising West(ライジングウエスト)https://risingwest.jimdofree.com

【タカニィchannel】https://www.youtube.com/channel/UCr25z1cnTzx4LlZfXWbJ6PA

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みんなのコメント

5件
  • 10万で済むとは、車両とエンジン代がかからないのは、大きいね
  • 白ナンバーの逆バージョン
    いいねぇ
    もっとボロくしてGTカーをカモル
    いいねぇ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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